第5話:人は変われる!
…こんなこと、というのはこういうことである。
それは、僕たちが朝食を摂っていた時のことだ。
「そういえば美里ちゃん…」
唐突に僕は美里ちゃんを呼んだ。
それに反応し、彼女は顔を上げ、
「な〜に、夕生くん」
と、言ってくる。
それを確認すると、僕は言った。
「学校ではどうするの?」
それを聞いて、美里ちゃんが一言。
「何が?」
僕の聞いている意味がよくわかっていないようだ。
まあ、今の一言でわかってもらおうなんて思ってなかったけれど。
で、僕は詳細を説明する。
「美里ちゃんは、人気アイドル、早乙女花梨でしょ?
だからさ、いくら名前が違ってても、騒ぎになるんじゃないかな〜、てこと」
言い終えると、美里ちゃんは何やら納得して、
「それなら大丈夫。ちゃんと対策を考えてるから」
と言ってきた。
「対策って?」
と聞くと、
「うふふ。それは見てのお楽しみ〜」
と言って返された。
見てのお楽しみ? 何するんだろう…。
てことは、いずれわかるってことだな。
それで僕は自己解決をするのであった。
つまり、どうするんだろう、ていうのは美里ちゃんの対策のことなのだ。
それが気になっていた、というわけだ。
しばらく待っていると、美里ちゃんの部屋の扉が開き、
「お待たせ〜」
と言って彼女が出てきた。
「うわあ…」
僕は思わず声を出していた。
何故なら…、
「まるで別人みたい…」
だからさ。
「どう? すごいでしょ」
彼女は肩口までかかる長髪なのだが、
それを三つ編みにしている。
そして、伊達なのかどうかわからないのだが、
フレームの大きい眼鏡をかけていた。
事情を知らない人が見れば、
誰が見ても女優、早乙女花梨とは思わないだろう。
「じゃあ、行こ?」
僕がじっくり美里ちゃんの変わりように感心していると、
彼女が笑顔でそう言ってきたので、
「うん、行こうか」
僕も微笑んで言うのであった。 |