第14話:何かと無意識な僕
テストを赤点ギリギリで切り抜けた僕は、
どうにか“地獄”の補習を免れた。
ちなみに、自称“けっこう”秀才の美里ちゃんは、
言うだけはあり、僕の成績を遥かに上回った、らしい。
隼もかなりの秀才で、倍以上の成績を持って自慢してきた。
楓ちゃん? ああ、彼女は…、
全教科満点。
…神童だ。絶対に神童だ。
何故に満点取れる?
ありえんわ〜。
「おい、夕生?」
「はっ?」
隼の声に現実に戻ってきた。
あたりを見回すと、見慣れた部屋、というか僕らの家の居間が見え、
さらに、声をかけた隼の他に、美里ちゃんと、楓ちゃんもいた。
あれ、何で隼と楓ちゃんがいるんだっけ。
というか僕、ここで何してたんだっけ。
う〜ん…、
忘れた。
「「「忘れるな!」」」
「おわっ!?」
何かトリプルで突っ込まれた。
というか、3人とも何でそのことを知ってるんだ?
はっ、まさか彼らは…、
読唇術が使えるのか…!?
そんなバカな…。
読唇術っていうのは、
なんかよく分からん特訓を物凄い期間やらないと習得できない伝説の術なんだぞ!
そんなものがそう簡単に習得できるはずがない!
ちくしょ〜、何でだ!
「それはね、夕生くん。さっきからね、声に出てるからだよ」
「ほえっ?」
声に出てる?
美里ちゃん、それはどういう…
!
「て、ことはまさか…」
「うん、読唇術がどうとかこうとかって、全部聞こえてるよ」
ガッ!
楓ちゃんの会心の一撃!
僕に999のダメージ!
僕は力尽きた…。
って、こらこら。
僕はまだ死なんって。
「まあ、今までのことはおいといて…」
「うん、かなり疑問点が残るけど、いいよ」
楓ちゃんがそう言ってくれた。
「…えっと、僕らはさっきまで何してたの?」
「お前、ホントに何も覚えてないんだな…。
まあ、いいや、教えてやるよ。俺たちはな、
さっきまで夏休みの計画を話し合ってたんだよ」
隼は、そう言った。 |