第1話:同居人はアイドル!?
「えっと、ここが右で…、あっちが左か…」
僕は親に渡された地図を頼りに、新たな住居へと向かっていた。
僕の名前は、五十嵐 夕生。
女っぽい名前だけど、立派な男です。
僕は今年度から晴れて高校生になる。
それに伴い、僕は自立することになったのだ。
別に家から行けないこともないけれど、あまりにも遠すぎる。
自転車で2時間くらい。
あ、訂正。
やっぱり家からは行けませんでした、すいません。
と、いうわけで、親がアパートの一室を借りてくれたのだ。
ただし、一人暮らしではない。同居人がいるのだ。
僕は、自分もが認めるほど、家事が出来ない。
包丁なんて持ったことないし、洗濯機の使い方わかんないし、
お風呂洗ってたら、滑って頭を打って気絶したし。
そんな僕が一人暮らしをしようものなら大惨事になってしまう。
だから同居することになっても大丈夫な人の部屋に行くことになった。
ちなみに同居人は女の子。それと同い年で、同じ高校に通うらしい。
僕としては、家事が出来る人がいるのは非常にありがたい。
それなら誰であろうと構わない。
情けない話だな、ホントに。
でもまあ、本当にそう思っていた。
「もうそろそろだと思うんだけ…お、あったあった」
駅から歩くこと十分、僕は住むことになるアパートに着いた。
意気揚々と階段を駆け上がり、一気に部屋へと向かう。
即効で部屋の前に到着し(ゼエゼエ言っていたけど)、チャイムを鳴らす。
ピンポ〜ン
ありきたりなチャイム音が鳴り、
というかこんなチャイム今時ないよな、なんて思いながら返事を待っていると、
「はぁ〜い」
同居人の女の子の声が返ってきた。
かわいらしく、でもどこか、大人びていて澄んだ声。
あれ? でも、この声どこかで…。
その時、ドアが開かれた。
「…どちら様で?」
女の子が顔を出す。
「…へ!?」
僕は素っ頓狂な声を上げていた。
それもそのはず。
だって彼女は…、
「もしかして…、若きアイドル、早乙女 花梨さん…?」
なのだから。 |