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気体から
作:晴天



亜美の魂


「すいません。やはり断られました。」翌日の夕方に春人は会社に来ました。

午前中に一度電話があり、ダメだったので他の友人を探すと言ったきり連絡が無かったので、もしや、このまま逃げるのではないかと会社の中がちょっとした騒ぎになりました。

「そうですか。」亜美は保証人の件が駄目だったことより会社にきてくれたことの方が嬉しかった。
「やはり、生命保険じゃダメですか?それに、月に30万を返済することも難しいし。」春人は絶望したように言いました。
「馬鹿なことを言わないで!自己破産だって出来るじゃない。」
亜美は思わず叫んでしまいました。
「所長。」杉田が手を横に振りながら言うと空かさず亜美が叫びました。
「黙ってて。」
その声に重なるようにまゆも叫びました。
「バカ!」

杉田は、すっかりしょげかえり、事務所の中は静まり返りました。
「私が保証人になる。私の命の恩人なんだから。」まゆは、子供らしいことを言いました。


「無理に決まってるでしょう。未成年が保証人になれる訳がないでしょう」亜美が叫びました。
「だったらママがハルと結婚して!」
「何を言ってるの!」
「結婚して保証人になればいいじゃない!」
「秋本さんにも都合があるでしょう!!」
仕舞には訳の分からない話を二人で叫びあっていました。


「すいません。こちらに玉田司法書士事務所の債権が譲渡されていると聞いたのですが」やつれた感じの中年の夫婦が入口に立っていました。

「社長!」春人は、飛び上がるように夫婦に駆け寄りました。
「秋本くん。迷惑をかけたね。」夫婦は深々と頭を下げました。
「事業を拡大しようと投資した中国の不動産投資は業者に騙されてね。家も全て処分したんだけど、負債は返しきれなかった。
家内と二人で死のうとしたんだけど、秋本君のことが気になって死にきれなかったよ。」
「社長・・・」秋本は、やつれて疲れ切った夫婦をみていると責める気持ちにもなれずに、社長の前でうなだれました。
「すまなかった。なんとか友人や知人に頭を下げて3000万を集めてきたよ。」社長はもう一度深々と頭を下げました。



「臨時くん。」急に呼ばれて振り向くと長老が立っていました。

「長老、どこに行ってたんですか?」

「天国に呼ばれて行ってきたのじゃ」

「え?」

「お前が大きな間違いをしているので呼ばれたのじゃ」

「大きな間違い?」

「あの男とひとつになるのは、まゆではなく亜美じゃ!よくファイルを見てみろ」

「へ?」私は天使から預かったファイルを調べ直しました。

「〈亜美の体内には分けられた半分の魂が宿る〉最後の行に書いてありますよ。」

「最初のページを見るのじゃ」

「〈半分に分けられた魂のひとつは、両替商の娘に宿した〉って書いてありますね」

「そうじゃ、亜美も引き裂かれた魂、ハンタマだったんじゃ。」


 












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