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気体から
作:晴天



出逢い その2


「お会いできて嬉しいです。」まゆは、もう一度言いました。

「あのー。どこかでお会いしましたか?」春人は、まゆの挨拶につられてしまいました。

「いえ、初対面です。」まゆはニコニコしながら答えました。

「隙間から話をするのも落ち着かないので、中に入れてもらえませんか?」
「何かの販売でしたら、お金もありませんし、宗教のお誘いなら仏教徒を貫こうと思っていますので結構です。」
「違いますよ、秋本さん」横から杉田が頑張った凄味で口を挟みました。
「待って杉田さん、私に話をさせて」まゆの制止に少し不満顔になりましたが、ここは少しまゆに話をさせて中に入るのが得策と思い直し黙って下を向きました。
「私たちは秋本さんを助けたいのです。いつまでも、隠れている訳にはいかないでしょう。返済の方法を一緒に考えましょうよ。」
まゆは、母親が良く使う説得を真似てみました。
「そうですね。お腹も減りましたし何とかしないといけないですよね。」秋本は、ドアを開けてまゆ達を招き入れました。

「まず、秋本さんは自分の借金の額はご存じですか?」お茶を入れてきた春人にまゆは尋ねました。
「いやー自分がした訳でもないので。」
「えーと」まゆは杉田に助けを求めるように言いました。
「ざっと3000万です。」杉田は、まゆに主導権をとられ不機嫌そうに答えました。
「そうですか、債権者の方々は怒ってるでしょうね」
「債権は全て当社で引き取りましたので、今後は当社に返済下さい」杉田は主導権を奪い返して高飛車に言いました。
「それでも、だいぶ割り引かれたんだろうから債権者には申し訳ないな。」
「貴方だって被害者でしょう」人の良い春人に苛立ちながらまゆは口を挿みました。
「僕は被害者と言っても自分が悪かったのですから。」春人は冷めきった薄いお茶を喉に流し込み黙まりました。














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