第17章 〜焦り…〜
「緒川照治の行方…、掴めませんね。」
警視庁の廊下を高木と目暮が歩いていた。
「ああ…。川奈警部達の話しだと千葉には隠れて居ない可能性があるみたいだ。」
目暮は紙コップに入ってるコーヒーを一口飲みながら答えた。
「もしかしたら、もう日本に居ないんじゃ…。」
「…………………。」
高木の言葉に目暮は言葉を返さずに黙って歩いている。
「(まずいな…。早く何とか見つけださないと…。)」
高木は内心焦りながら廊下を歩いていた。
由香と別れたアイリスは喫茶店を出て歩いている。交差点を渡り歩いていると、物凄いスピードで一台の車が道を走って来た。その車はアイリスの目の前を横切るとアイリスが歩いている歩道の近くに車を止めた。アイリスは何事もなくその止まった車の横を通り過ぎようとした時、車の窓が開いた。
「ハァイ!アイリス。」車からベルモットの声が聞こえて来た。アイリスは立ち止まり、車に近付いた。車の窓からサングラスをかけたベルモットが笑みを浮かべてアイリスの方を見ている。
「…こんな所で何してるの?」
アイリスは車に近付き、辺りに聞こえない様に小声で尋ねた。
「秘密よ。とにかく、車に乗って。」
アイリスは何も返答せずにベルモットに言われるまま車に乗った。アイリスが車に乗ったのを確認してベルモットは車を発進させた。
「どうして日本に?」
アイリスは車を運転するベルモットに尋ねた。
「ボスの命令でね。」
ベルモットはかけていたサングラスを外し、ポケットに入れた。
「あっちの仕事は大丈夫なの?」
「心配無用よ。休暇で休むって言ってるから…。」
「それで…、私に何か用でも?」
「組織が追ってる男の情報はどうなってる?」
ベルモットの表情が少し真剣な表情に変わった。
「何も分からないわ。」
アイリスは首を横に振りながら答えた。
「もしかしたら…、もう日本には居ないのかも知れない。」
「海外に逃亡されたら探すのに手間がかかるわね。」
ベルモットはそう言いながら車を運転している。
「組織はその人を見つけたらどうするの?」
「消されるわね。組織の人間を殺したんだから…。」
「そうよね…。」
アイリスは小さな声で呟いた。ベルモットはちらっとアイリスの方を見たが、直ぐに前を向いて車の運転に集中した。
組織、警察が緒川照治の行方が全く掴めなかった。しかし、それから三日後…、緒川照治が見つかった。それは、思わぬ形で見つかった。