第15章 〜闇で生きる〜
夕日が沈んで辺りが夜に変わった頃、街中は会社帰りの人達が歩いている。
会社帰りの人達は社員達と帰りに飲んだり食べたりして、お酒を飲んで酔いながら家に帰ったりする。そんな賑やかな夜の街をアイリスはその様子を見る事もなく、歩いている。歩いていると、アイリスが着てる黒いコートのポケットに入れている携帯が鳴った。アイリスは黒いコートのポケットから携帯を取り出した。
「もしもし…。」
アイリスは電話に出ながら歩き続けている。
『舞ちゃん、由香だけど元気?』
電話の相手は由香からだった。電話の相手が由香からだった事でアイリスの表情が少し和らげた。
「元気です…。」
アイリスは一言だけ答えた。
『良かった。舞ちゃんが元気で…。』
電話越しから由香の元気な声が聞こえて来る。
『今、何処に居るの?』
「今から帰ろうと思ってるところ。」
『今ね…、星を見てるんだ。』
由香が急にアイリスに話し出した。
「星…?」
アイリスは立ち止まり、空を見上げた。空には無数の星が輝いている。
『何時もと変わらない空なのに、何時も何気なく見てなかったけど、急に空を見たくなって見上げたら星の輝く姿が綺麗だったの。』
アイリスは由香の声を聞きながら無数に輝く星をじっと見た。
「本当に…綺麗。」
アイリスは見上げながら答えた。何時も何気なくあると思ってた星を急に立ち止まって見ると、何時もと違う様に見える。
『綺麗だよね。』
「…私はあんな風には輝けない。」
アイリスは俯きながら静かに答えた。その声は車の騒音で消えるぐらいの声で周囲を歩く人をには聞こえてない。
『舞ちゃん、そんな暗い事を考えちゃ駄目。』
「…………………。」
アイリスは俯いたまま何も答えなかった。
『明日、あの喫茶店で待っててね。』
「ええ…。」
アイリスは一言答えると電話を切った。電話を切り、アイリスは顔を上げて携帯をコートのポケットに入れて、再び歩き出した。
「(私は…闇でしか生きられない。輝きは……。)」
アイリスは星空の先にある輝きを考えず、闇に浮かぶ暗黒の空だけが目に浮かぶ。
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