第11章 〜捜査と変わらない日常〜
高木が運転する車で新一は家まで送ってもらった。新一が家に着いた時にはもう日が沈み、空は夜の空に変わっていた。
「今日はすまなかったな。」
目暮が車の助手席の窓を開けて新一に言った。
「いえ…。また、何か分かったら連絡下さい。」
「分かった。」
目暮がそう言い終えると、車は発車した。新一は車が視界から消えるまでずっと見ていた。
「(はぁ〜、疲れた。)」
新一は車が視界から消えたのを確認してから溜息をついた。
「新一君、今帰って来たのかね?」
新一が自分の家の門を開けようとした瞬間、博士の声が聞こえて来た。
「よぉ博士、買い物に行ってたのか?」
博士の声がする方向を振り向くと博士が重そうな買い物袋を持っていた。重そうな買い物袋を持っている為、博士は疲れた顔をしている。
「そうなんじゃ…。ちょっと家まで持って行ってくれんかね?」
「ああ…、構わねぇぜ。」
新一は博士から半分の買い物袋を持った。
「そういえば、今日事件の捜査で学校を休んだみたいじゃな。」
「え?どうしてそれを…?」
「蘭君から聞いたんじゃ。スーパーで蘭君に会ってな。」
「そうか…。」
「あ、そうじゃ!蘭君から預かった物があるんじゃ。」
博士は鍵を取り出しながら大きな声を出した。
「何だよ?預かった物って?」
新一は博士の大きな声に圧倒されながら尋ねた。
「これじゃよ。」
博士はスーパーの袋から文字が書かれた数枚の束になった紙を出して来た。
「今日、休んだ分の授業のノートのコピーじゃよ。」
博士は新一にその束になった紙を渡した。
「蘭に御礼を言わなきゃな。」
新一は渡されたその束になった紙を見つめながら言った。
「そうじゃの…。明日は学校に行くのかね?」
「ああ…。」
翌日、朝早くから警視庁捜査一課では目暮と川奈の両警部が話していた。
「成る程…、行方不明か。その緒川照治が銀行を辞めたのは横領が発覚のを恐れたからか…。」
川奈は渋い顔の表情を変えずに答えた。
「その緒川照治さんが辞めてから野口雄太さんと益山翔太がその銀行を辞めたそうみたいだ。」
「つまり、その二人は横領事件の事で何かを知ってたかも知れないって事だな?」
「その可能性は高い。そして、その二人を殺したのは緒川照治の可能性が高い。」
「行方不明で横領を犯した男か…。そいつを探し出して捕まえる訳か?」
川奈の渋い表情が不気味な笑みを見せた。
「あ、ああ…。川奈警部達は緒川照治の行方を追ってくれ。」
目暮は少し怯えた様な声を出しながら川奈に緒川照治の資料を渡した。
「…………………。」
川奈はその資料を物凄い威圧な眼差しで見つめていた。
「あ、新一!」
教室に入って来た新一を見つけて蘭は手を振った。新一は手を振る蘭を見つけて鞄を机に置いて蘭が座る席に近付いた。
「ノートのコピー、ありがとな。」
新一は蘭に御礼を言った。
「うん、いいよ。今日は事件の捜査には行かないの?」
新一に御礼を言われて少し照れくさそうに尋ねた。
「ああ…。何か分かったら目暮警部から連絡が来るから…。」
「でも、あんまり休むと出席日数足りなくなるよ。」
「分かってるよ。俺が休んだ時、またコピーを取っといてくれねぇか?今度、なんかおごるからさ。」
新一はお願いする様に手を合わせて蘭に頼んだ。
「しょうがないわね。」
内心嬉しそうな表情と呆れた表情を見せながら答えた。
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