楽園〜私の居場所〜(30/31)PDFで表示縦書き表示RDF


楽園〜私の居場所〜
作:宝玉



第29話 溶岩


 ―第1グループ―

 セトは、リーフの指導のもと、未だに修行をしている。ルナとノアもストレッチが終わったらしく、今度は魔導の練習を始めた。
『ルナ、これだけは言わせてもらう。お前のコントロール、パワーは申し分ない。ただ、持久力をつけようぜ?』
「はぁ、はぁ……、持久、力?」
『マラソンだマラソン! ほら、行け!』
 2人は、その辺をぐるぐる回り始めた。ノアは、後ろについて背中を押してあげたり、波動を放ったりし、ルナに手助けをしてやった。
『もっと、走れるだろう?』
「私が、じきゅ、りょく、無いの……知ってる、だろ!」
『えー? 聞こえんなぁ?』
「もう、おまえ死ねっ!」
 ルナはノアに波動を放った。その結果、ノアは石に当たって気絶寸前。途切れ途切れに笑いながら呼吸をし、セトたちのほうにむかった。


「ふう。随分がんばってるようだなぁ、セト?」
「あったりまえです! 私だけ遅れてるみたいで嫌なんで。ぜーったいに、負けませんよっ!」
「いや、」
 ルナはそこで言葉を止め、目を閉じ、耳をすませた。地響きがはっきりと聞こえる。セトとリーフ、そして石に張り付いていたノアも、その異変に気がついたようだった。
「地面がないている―――?」
『いや、正確に言うと、黒炎山だ』
 ノアの発言の直後、大きな爆発音が聞こえた。黒炎山から、溶岩が流れ出しているのが見えた。このままぼーっとしていると、みんなおだぶつになってしまう。
『まずいです……みなさん、飛びましょう!』
 ルナはすんなり雲を出し、のった。セトもたこをだし、とび上がった。守護霊たちは何も無しで飛べるので、苦労することはなかった。

「あつっ! あついですよここ!」
『作業開始ですー!』
「ど、どうやって!」
『う〜ん……?』
 セトは、溶岩は一度体験したことがあるが、何度体験しても馴れるということはなく、あついだけであった。ふと、セトはいい考えが浮かんだ。

 たこに、この溶岩を食べてもらおう、と。

「さぁ、たこ! 全部食べてください!」
『せッ、セトちゃん! 無茶ですよ!』
「大丈夫です。ここは、信じてみません?」
 たこの興奮は止まらない。あの、赤く高温の溶岩を見て、息が荒くなっている。これ全部食べていいの!? と言わんばかりであった。
 たこは、溶岩にだんだん近づいていく。勿論、背中にセトを乗せて。

「え……? ちょ、ま、私を下ろしてから行ってくださいっ!」
 セトの言うことも、今のたこには聞こえていない。そんな様子を見ていられなかったルナは、セトの手を引っ張り、救助した。たこにはそんなの関係ないようで、目を輝かせて溶岩へと進む。

「ぶしゅ―……!! しゅぅぅぅぅ!」
 たこはやけどしないのだろうか、と不安そうに思ったり、おいしそうに食べるなぁ、と嬉しそうに見てみたり。まぁ、簡単に言えば『どっちの思いも五分五分』であった。
(大変そうだな。ちょっと、手伝ってやろうかな)

 セトは、さすがに量が多すぎるかとおもい、水を出して作業を手伝おうとした。
『いいこと考えました! 溶岩を水で固めて、杖にしまっておいて、たこが食べたいときにいつでもあげられるんじゃないですか!?』
「リーちゃん、その考えいい!」
 早速、作業に取り掛かった。セト以外は水を溶岩へかけている。セトは、たこの保護者として溶岩をしまっておくことになった。


「これでいいだろ。セト、今から私たちが」
『魔法をかけま〜す☆』
『この溶岩が杖に収納しているときにあつくならないように、だ』
 ルナ、ノア、そしてリーフは、変な呪文をごにょごにょ言っている。声が小さくてごにょごにょしているのではない。セトには理解不能だったのだ。

「……すごい」
 溶岩は見る見るうちに固まっていく。セトは杖の先端部分を開けて、溶岩をしまいこもうとした。しかし、全くと言っても良いほど入れ方が分からなかった。
『ああ、入れるにはですね、ん〜、自分で呪文決めちゃってください!』
「え゛!」
 突然に言われて、どんな呪文が思いつくだろうか。セトは全く分からなかった。
『じゃ、時間無いので、私が決めた呪文を言ってもらいますよ』
「それは、後から変更できるんですか?」
『ええ。今は急ぎなんで。では、こう言って下さい。




 タベタイナ オコメダイスキ タベタイナ』

 その変な呪文に、しばらく思考が止まったセト。
「な、なんなんですかっ! そんな変な呪文は!」
『まぁまぁ、急いでくださいよ。はい、せーのっ!』
「う……(もうしょうがない!)タベタイナ オコメダイスキ タベタイナ!」
 すると、その変な呪文からは想像できないようなことが起こった。溶岩がセトの杖に収まっていく。

『全部、入りました! たこ、ちょっとあげる』
 杖の先端部分を開けて、溶岩を少したこにかけた。たこは飛び跳ねて喜ぶ。セトはその様子を見て、私は幸せだ、と思った。


 ―――今は。


遅くなりました! すみません!

たこはこれから、重要なものになる(?)かもしれません。
期待しないで待っていてください!

では、また次のお話で。






http:/ncode.syosetu.com/n9960c/6.html





ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう