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楽園〜私の居場所〜
作:宝玉



第28話 マイの過去


 ―第2グループ―

「お父さんは、死にました。聞いたことありませんか? 監禁されて、拳銃を突きつけられ、ばーん」
 マイの表情が険しくなった。時折、泣きそうにもなり、るいとひのりになだめられた。
「あんな父親、死んでもよかった! 私に暴力ふるって、痛めつけて、笑ってる人だから! お母さんだって! 私を見捨てて、出ていったのぉぉぉ!!」
 マイが暴れ出した。マイの心の奥底から、怒り、憎しみ、孤独、死の感情が込み上げてきた。親に捨てられ、一人で生きていたこの子に、一体何を教えられるのか、ひのりには分からなかった。

「……あたしたちと来たいの?」
「うん……」
 なんだか、マイが憎らしく思えた。泣けば済む、と思っていそうなその顔は、ひのりを更に苛立たせた。マイは、暴れてはいないが、泣いている。
「みんなはどう?」
「私たちに聞かれても……ねぇ、パンチョ?」
『ええ、任せるわ』
『ひのりちゃんに任せるー!』

 ―――なんて、人任せ
「どうだろ。こんな小娘、邪魔なだけじゃない?」
 そう言って、マイを睨みつけた。マイは、怯えている。
「いい? あたしたちと来たいなら、泣くなッ! 怯えたり、暴れたりするのはガキのやることなんだよッ! 生半端な気持ちで魔導士になんかなれると思うなッ! お前なんか連れて行くかっ」
『まっ、まぁまぁ、おちつこ、ひのりちゃん?』
「うるっさいなぁ? あんたは任せるって言ったでしょ!」
 ひのりは、マイのような人が苦手であった。年齢によって差別され、最終的にはどんなに相手が悪くたって、相手が有利になる。ひのりはそう思っていた。

「あたしは―――断固嫌です、こんな女。いこ。るい、パンチョ、サン」
 ひのりが先頭を切り、大雨の中、進んでいった。


 ―第1グループ―
 ここは火山付近。噴火しそうだが、何とか耐えているようだった。セトは、リーフに魔導力の使い方を教わっていた。ルナとノアは、ストレッチ。
『ちっがぁーう! 心をこめて! もう一回』
「うぅ〜、はい」
 リーフは杖を軽々とまわし、決めポーズまで作っている。セトの動きは、ぎくしゃくしている。杖をときどき落とすし、実技のときは、魔導波がでなくなる。
『心がこもってるのはわかるけど……右手はもう少し上を持って。左は3分の2ぐらい。そうそう』
「うん、こうだね?」
『そうそう。じゃあ、魔導力を使ってみて下さい』
 リーフは即座に的を用意した。セトは目の前の的の中心を狙って、精神を集中した。セトの周りを白い炎が包む。

「うっ……りゃぁぁぁぁぁ!」
『おおっ!』
 セトの魔導波は、惜しくも的から外れた。的からかなりずれてしまったものの、リーフは笑って拍手をした。セトは汗をかきながら、必死に練習している。
『もうちょい! 1回お手本です』
「はい!」
 リーフは片手に杖を持ち、軽々と魔導波を放った。的は少し焦げた。
『努力すれば、きっと出来ます。私も馴れるには、時間がかかりました』

 こくんと頷くセト。
また、練習を始めた。杖を持つ位置を、少しずつ変えていっている。リーフも、杖を持つ位置、構え方などを、細かく教えている。
「いきますよ、リーちゃん」
『ええ、どうぞ』
 セトは力いっぱい魔導波を放った。いくつかに分かれた波動は、曲がりくねって的に向かった。力強かった波動は、的を粉々に破壊した。
「で……出来た。出来たぁぁぁ!」
『やったじゃないですか、セトちゃん!』
 的に見事当たったセトは、波動のコントロールを教えられることになった。

 セトは波動を出すとき、コントロールを全く考えずにおこなっていた。的に当たったのは、偶然と言っても良いらしい。この先、コントロールがうまくないと、見当はずれの方向にいってしまう可能性も、十分ある。
 ということで、セトは修行を続ける。


遅くなりました!
書くのは楽しかったんですが、のんびり書いていて……。
とにかくすみませんです。

こんな駄文でも、楽しんでくれる方がいたら何よりです。






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