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シカテマ疾風伝<外伝>
作:スピリットQ



それぞれの風


任務から帰ってくると、大門のそばに人影があることに気づく。
女だった。
誰かを待っているのだろうか、両腕を組みながら門に寄りかかっている。

「…あら? あれって、テマリさんじゃない? テマリさ-----…」

いのが呼びかけるが、何も言わずに前へ進んで行くシカマルが目に入ると、
思わず叫ぶのを止めてしまった。
チョウジもいのの服を引っ張って、何故か止めに入っている。





「-----よう、そんな所で何してんだ? 今日来るなんて聞いてねーぞ」

シカマルの声に気が付いて、テマリが振り返る。

「待っていたんだ」
「何を…?」

キョトンとする少年の顔を見て、相変わらずな奴だなとテマリは微笑む。

「…風をだよ」
「風? んなもん、アンタのそれで一振りすれば簡単だろ…?」

はぁー……。
テマリが深いため息を漏らす。
明らかに呆れているようだが、シカマルには彼女が何を言いたいのか、
さっぱり皆目見当が付かない。

「その様子じゃ、まだ中忍のまんまかお前…?」
「るせ。それと何の関係があるって言うんだ」

小馬鹿にされながらも微笑んで言う彼女に、
シカマルもまた笑みを浮かべ言い返す。
テマリは軽く目を閉じフッと笑うと、腕を解いて歩き出した。

「何してる? 案内するんだろう? -----そしてはやく上忍になってみせろ」

いつまでも自分の後ろにいるなと言わんばかりの彼女に、
シカマルもヘッと笑って彼女に追いつき横に並ぶ。
そのまま追い越そうとしていたが、途端に速度を緩めた。

「お前、わざと並んで歩いてるだろ?」

テマリが気づいて横から言ってくる。

「オレが本気になったら、幾らアンタと言えども、差がドンドン開いちまうからな」
「だったらやってみせろ。 私はそれを待っているんだか-----…」

思わず出てしまったのか、テマリが立ち止まって口を押さえていた。

「アンタが待ってんのは、風…だろ?」
「……ああ、そうだ。その風がどこまで飛んで行くのか見てみたい」

それは、誰かのことを指して言っているのだろうか。
まるで自分を待っているとでも言っているかのような口ぶりに、
急にシカマルもぎこちなくなる。

「-----た、たくっ、めんどくせーなぁ。上忍らしい意見っつーか何つーか…」

指で頬をかきながら、先に歩き出す。

「さっさと行くぜ。付いて来な」

それを聞くと、気を取り直したのかテマリがズンズン向かってくる。

「まだ追いついてもいないくせに、先に行こうとするな! 生意気だ!」
「へいへい……」

ポケットに両手を入れたまま歩くシカマルの横を、
追いついたテマリが並んで歩く-----。





そんなどこから見ても恋人同士のような二人の後ろ姿を、
放置状態にされたいのとチョウジが見つめていた。

「----何か、お似合いよね…。私たちのことなんてまるで見えてないし。
ちょっぴり妬けるな…」

悔しいけど、恋は盲目とは言うけれど、本当なんだ…。
いのは、自分たちといる時とはどこか違うシカマルを見て、どこか寂しげに呟く。

「いの……?」

沈みかける少女に、そばにいるチョウジが声をかける。

「さ、私たちも行きましょ。あの二人にこれ以上差をつけられて、見せ付けられないように-----」
「ボクはここにいるよ。いののそばに…、ずぅーっといるから」

いのの目が、彼のまっすぐな目を捉える。

「や、やだー。今までだってずっといたんだから、当たり前じゃないー!」
「いの…」

不意に手を引かれた。
いつもと違うチョウジに、いのも一瞬戸惑うが・・・、

「ありがと、チョウジ…。アンタだけは、どこか遠くへ行っちゃったりしないでよね」

笑顔が向けられる。

「行かないよ、ボクは…。君の笑顔を一生見ていたいから」

まるで告白のようなその言葉に、いのの顔が赤くなる。
どこからか心地よい風が吹いてきて、
少女の長い白金の髪を滑るように柔らかに流れていった。
心の中で、何かの風向きが変わったように感じた。
それが何なのか、今の彼女には未だわからない……。


「おーい、お前ら何やってんだぁー? 置いていっちまうぞー」

遠くからシカマルの声が聞こえ、同時に掴んでいた手を、
チョウジがパッと振りほどく。

「なーによあいつ。 見えていないようで、ちゃんと見てるんじゃない」

そう言って呆れるとチョウジの目と合い、お互い吹き出した。

「ちょっと待ってよー!」

いのは、チョウジの手を取って走り出す。







            − お わ り −






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突発的に書くから突発小話(小説)。

シカテマと思いきや、シカテマチョウいの。
・・・と思いきや、実はチョウいの?

カンテマ書きたくなってきた・・・とか言っといて、こう来たか(笑)。

今回は、風=シカマルにしてみました。
千の風になって・・・にならないことを祈ります(ぎゃ!)。













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