〜 Temari of Green Gables 〜
転入してきたばかりのテマリを小声で呼び、
シカマルは斜め前の席に座る彼女の髪を引っ張った。
「おい、変な髪型!」
怒ったテマリは立ち上がり、当時のノートである石版を
シカマルの頭に思い切り振り落とす。
それからというもの、二人は出会って早々口を利かないこととなってしまった。
シカマルは、テマリの気を引こうとするもいつも無視され、
彼女を遠くから見つめるだけの年月が過ぎた。
テマリは数々の失敗や極端な妄想癖は未だあるものの、
成績は優秀で、将来は作家や教師になることが夢だった。
喧嘩をしたまま一言も口を利いていないシカマルとは、
勉学の上でもライバルだが、
彼もまた頭が良く、将来は教師の資格を取ることを目指していた。
数年が経ち、地元で採用の教師の数は一人だけということになり、
シカマルは自分は医師になるからと言って、
その座をテマリに譲ることに決めたのだった。
それは、相手がテマリであったからこそ身を引くことができた思い切った決断。
実は彼は長年、彼女に淡い恋心を抱き続けていた。
そんなことをテマリは知らなかったが、
彼女もいつしか彼のことを許せるようになっていく。
お互い素直になれなかった二人は仲直りをし、
ようやく親友になることができた。
その後、シカマルは医師となり、
勧められていた良家の娘との縁組も承諾する。
テマリは祝福するも、内心は複雑な心境だった。
親切にしてくれる彼に、
彼女もまた淡い恋心を抱くようになっていたのだ。
だがそんなある日、シカマルが病床に就いたという知らせが耳に入り、
重い病気に患わされたと聞きつけたテマリは、
急ぎ彼の家へと駆けつけた。
「シカマル!! 大丈夫か!?」
ベッドの上では、衰弱し切った彼が目を開け、
何とかテマリの方を向く。
「ダメ…みたいだ……」
「何を弱気なことを言っている!? 医者が病気に負けてどうするんだ!?」
「もう…無理なんだ。医者にも見放され……婚約も解消した」
「そんな…、そんなに重いのか、お前の病気は!?」
「ああ…、治りそうもない……」
シカマルは無理に笑ってテマリを見つめるが、
テマリの目には涙が滲んでいた。
いつもの強気な彼女の頬に手を伸ばし、
シカマルは苦しげに呟いた。
「オレは重い病気なんだ…。婚約してても思い浮かぶのは……
アンタのことだけだった」
「……え?」
「だからもう限界だったから…婚約は解消した。
オレはやっぱりアンタを……」
テマリの頬を涙が伝った。
「……バカ。だったらはやく元気になれ」
シカマルはテマリの手を掴んで、寝ている自分の方へと引き寄せた。
「オレの病気の治療法は…、テマリ、アンタがそばにいてくれればそれでいい……」
数日後、劇的に回復したシカマルは、
テマリと共に美しい夕焼けの道を歩き出す。
一つに寄り添う二つの影が、
夕日が照らす長い道程にいつまでも長く伸びていた---------
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はい、突発SSの、「Anne of Green Gables」 (赤毛のアン)です。
「金毛のテマリ」はさすがに変なので(笑)、洋題にしてみました。
シカマルも冒頭のようなセリフは言わないと思うのですがね(爆)。
今年は赤毛のアンの出版100周年とかで、
NHK教育でもアンの英語講座の再放送やってますね。
数年前に観た実写版の記憶にある内容で書いたので、
多少違う所あるかもですが、ま、こんな流れで。
面白い&感動(涙)ですよ。是非一度ご覧下さいな。
ちなみにグリーン・ゲイブルズとは、緑の三角屋根などを指すとか。
やっぱりSSは、即思いついて即アップできるから楽でいいわぁ。
10分ほどでできますた。
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