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今日受験が終わりました^ω^!
そろそろ話も佳境になっていますが、今まで密かに見ていた下さった方々お待たせしました!
更新頑張りますね★

では
REAL GAME
作:野澤 ちか



〜第8章〜第1話


小鳥の囀りや木漏れ日が、こんなに虚しいものだと感じた事は無かった。

水面に反射する光がキラキラと輝いて、まるで夢の様だと現実逃避したくなる。

美し過ぎるその光景は眩しくて、僕には不釣り合いだ。

乾いた笑みを零し、衝動的に木の幹を殴りつける。

「・・・痛」

葉が幾枚か揺れ落ちるのを、痛めた拳をさすりながら見つめていた。

「何で助かってるんだろ・・・」

それでも僕は生きている。

生きている限り朝は平等に訪れるんだ。

「──これを以て、第5回戦を終了したいと思います。それから、只今の全会場の皆様のゲーム結果をお知らせしておききます。第1・2は0名、第3・4は5名、第5・6は0名、第7・8は4名、第9・10は1名。計10名が第6回戦に出場となっております」

半分も聞き流していた報告が途切れたかと思えば──ゲーム開始前の場所に立っていた。

それでようやく、あぁ、終わったんだ、と他人事の様に理解する。

自分の反応が遅れているのは、どこか感覚が鈍っているからなのだろうか。

その考えすらぼやけて、数秒後には消えていった。

「賢治」

声のする方に振り返る。

僕と目を合わした瞬間──彼の穏やかな瞳は僅かに揺れたように見えた。

「朝食を用意が出来ていますので、席に着いて下さい。6回戦のゲーム説明は、昼食の際にさせて頂きます」

次の言葉を待たず、彼の横を通り過ぎて席に着く。

アリアは暫くの後、静かに僕の隣の席に腰掛けたが、それ以上彼が何か言う事はなかった。

この沈黙が──何時もなら自然な事だと思えるのに、今に限って居心地悪く感じるのはきっと『何時も』の状態ではないからだろう。

そして隣にいる彼は既に、この異常を敏感に感じとっているに違いない。

僕が鈍った思考力を使ってどれだけ普通さを装おうと思ったって、人間である限りそれが無駄である事は明確なのだ。

友人を人一人殺して──それで平然としていられるのは天性の殺人者か知能、或いは心が病んでる者だけだ。

僕には確かに欠落してる部分があるかも知れない。だが僕に僅かでも良心や良識が残っているとするなら、これ以上この場所に居たくないと思うのは当然ではないだろうか。

味さえも感じれない朝食を惰性で詰め込む事は、今の僕には拷問に等しい。

頭が鈍って鈍って、いっそ何にも感じれなかったら

せめてあの夜の記憶を、今だけでも消し去る事が出来たら楽なのに

だけど、止まらないフラッシュバックの如きモノクロの映像が頭の中で流され続けるんだ。

──彼の歪む顔が何時までも僕の脳裏にへばりついて。

思いっきり叫んで髪の毛をかきむしりたい衝動に歯止めをかけているのは、もう無意識に近い只の悪あがきだ。

「けんちゃ・・・」

終止符を自分で打ちたくない。

最後に振り返って、相手が棄てるのを見届けなければ駄目なんだ。

「・・・何?」

冷酷で利己的でそのくせ自分の傷みに酷く敏感で、誰かの不幸の上に成り立とうとする。

僕は本当はそんな人間だった。

だけどそれを知られるのが不味いと理解して──いつからか全く違う自分であろうとして

・・・これは今までの代償だ。

「ナツキ」は、僕の今までの行為に対する警告だったに過ぎない。

それを履き違えたまま自分の独りよがりで自己解決していた時点で──僕の歩む道は決まっていたんだ。

「・・・・・・」

僕達の所に駆け寄って、顔を綻ばせていた彼女の表情が固まった。

言いかけた言葉を呑み込んで、躊躇いがちにその場に立ち尽くしている。

2人の位置関係から必然的に上目がちに彼女を見る。

彼女は緊張した様に黙り続けていた。

ガタッ

「きゃ・・・」

不意に近づこうと椅子から腰を上げれば──小さく怯えた声を出す。

「ぁ・・・え? 何でだろ?」

手で口元を隠し、驚いた素振りを見せる桜雪にそれ以上何か言う気になれず、僕はそのまま食堂を後にした。

人気の無い廊下に靴の鳴る音だけが主張する。

この瞬間の僕は、ぼんやりとした頭で何を思っていたのだろう。

敢えて言うなら安堵だろうか?

何も知らない筈の2人が何かしらの戸惑いや拒絶を示してくれた事に、心のどこかで安心していたのかも知れない。

それが何故かはよく分からないが、兎に角自分の事は放って欲しかった。

否、むしろ向こうが避けるか嫌うかしてくれなければ、駄目なんだ。

今の僕は、赤信号か分からない道路を転々と走行している様なものだから。

「けんちゃん!」

だから

誰も僕に近付かないでくれ。

「・・・わっ、凄い顔色悪いよ!? てゆか、目の焦点が定まって・・・」

「桜雪」

「ん?」

このフラッシュバックが永遠に続く代償なら、僕はそれを自分なりに受け入れなければいけない。

僕が苦しまなければ彼だって報われないんだ。

だけどもしそのせいで2人に危害が及ぶなら、これ以上一緒にはいられない。

「鬱陶しいから構わないでくれ」

「・・・へ」

どうか君が、アリアが次の犠牲とならない様に。

放心状態の彼女に再び背を向け、自分の部屋に入る。

この虚しさを何と呼べばいいか、僕には分からない。

だが今こうやって、平凡に暮らしていこうと、そんな人生を求めた自分の愚か加減を嫌って程思い知らされている。

──春の穏やかな日差しが懐かしい。

ドアを背にもたれ掛かりながら、ここに来る日の朝に見た桜並木を思い返して瞼を閉じる。

記憶の中で、僕は優しく彼女を見つめていたのに。

端から端から狂っていくんだ。












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