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俺の胸に噛り付いて泣き続ける桜。
俺は心の底から沸き上がって来る愛おしさに身を焼かれる程の熱さを感じていた。
「桜……」
俺は泣きじゃくる桜の顔を右手の人指し指と親指で優しく摘み、そっと上を向かせる。
「えっ、えっ……甲……?」
少し戸惑った様な桜が、泣きじゃくるのを止めて俺の瞳を涙で濡れた瞳で見詰め返す。
そして、ふっと瞳を閉じて可愛らしいピンク色の唇をそっと突き出した。

「桜……」

俺は一瞬迷ったが、ゾクゾクと背筋を這い上がってくる欲望と愛おしさの
ミックスジュースの甘い誘惑に抗え切れず、桜の唇に自分のそれを重ねた。
「ん……」
桜が可愛らしく喘ぎながら、ピクっと華奢な肉体(からだ)を震わせる。
「桜……さくら!!」
俺は唇を重ねたまま、桜の名を連呼しながら桜の甘い口の中に自分の舌を差し込んだ。
「ひゃう!ひょう……だいひゅき」
戸惑いがちに俺を受け入れ、一生懸命、といった感じで絡めて来る桜。
俺と桜は、しばらくそのまま一つに重なっていた。

五時間後、俺達は草津の道の駅で休憩をしながら
観光案内所で開いているホテルを探してもらっていた。
「凄いね、甲。こんなに雪が一杯あるよ!」
すっかり明るさを取り戻した桜は、雪を手に持ってはしゃいでいる。
街中の温泉旅館の予約を取って貰い、はしゃぐ桜を連れて旅館へと向かう。
桜はじっと俺の横顔を熱の篭った瞳で見詰め、頬を桜色に染めて微笑んでいる。
俺は愛らしい桜の笑顔を見詰め返しながら、一つの決意を固めていた。
旅館の宿帳には「兄弟」と記入して部屋へと案内される。
その部屋は、専用の温泉が着いている豪華な部屋だった。
「凄〜い!こんなお部屋初めて見たよ」
桜が露天風呂を見詰め、大きな瞳を丸くしながら叫ぶ。
「ねえ、甲……こんなお部屋、高いんでしょ?」
後ろから桜の肩を抱きしめた俺を見上げ、おずおずと聞いてくるのに
「ああ、でも気にしなくて良いんだ。
 今の俺自身は貧乏サラリーマンだが、もう俺は決めたから」
「……?どういう事なの?」
かなり戸惑った感じに桜が聞き返してくる。
そりゃ、意味不明だろうな、今の言葉じゃ。
「良いんだ、桜。お前は何も心配しなくてもね。
 お前は、俺の事が好きかい?」
俺を見上げる桜を優しく見詰めながら聞く。
「うん!大好き!僕が女の子だったら、甲のお嫁さんになりたいくらい」
俺を見上げた桜が満面の笑みで応えてくれる。
「俺もお前が大好きだよ。
 桜、俺を信じて、俺に全てを任せてくれるかい?」
もう一度、俺は桜の瞳をじっと見詰めながら聞く。
「うん。僕ね、甲の事全部信じるもん」
切ない程の笑顔で応えてくれる桜。
「あん……」
俺は微笑みながら、桜色の唇に自分のそれを重ねた。
「お風呂、入ろ」
しばらくお互いの熱を確かめ有った後、そっと唇を離すと、
桜がとろんとした艶っぽい瞳で俺におねだりする。
俺と桜の間には透明な細い糸が引かれていた。
「ああ、そうだね」
俺は桜の服を脱がせながら、桜の体についている(キズ)
一つ一つ指で優しくなぞり、そして舌で舐め上げる。
「ひぃあっ!あふぅ……」
瑕に指で、そして舌で触れる度に桜の細い肉体はビクン!と跳ねる。
桜を生まれたままの姿にした時、桜の太腿の付け根には
可愛らしくも雄々しさを感じさせるものがヒクヒクと痙攣していた。
「甲、体が熱いよぅ……」
俺は軽い桜の体を抱き上げ、そのまま湯船に一緒に浸かる。
湯は身を焼くように熱いが、俺の体そのものも熱く滾っていたので
それほど気にならなかった。
「桜、お前を全部貰っても良いかい?」
俺は桜の可愛らしい耳たぶを甘く噛み締めながらそっと囁いた。
「ひゃうっ!……うん、甲に、僕をあげる。
 僕、甲のモノになりたいよ」
対面に抱きしめた桜のものと俺のものとが熱い湯の中で絡み合う。
俺は桜を少し持ち上げ、女の子の様な可愛らしい胸の先端に息づく
朱色の突起物の廻りを丁寧に舐め上げ、桜の息遣いが荒くなるのを確認してから
突然突起物を口に含み、前歯で磨り潰す様にカシカシと甘噛みした。
「あは!あ……ん……甲……大好き」
俺の頭を抱えるようにしてひくひくと痙攣する桜。
俺はしばらく桜の肉体の隅々までを、手で、指で、口で、そして舌で味わい、
桜を何度か絶頂に導いてから華奢な肉体を抱き上げて
タオルで拭きもせずにベッドへと寝かせた。
荒い息をつきながら、小さく膨らんだ胸を上下させている桜を見詰めながら
洗面所に置いてある使い捨ての小さな石鹸をパッケージから取り出し、
温泉の湯ではなく洗面所の蛇口から出る通常のお湯でよく濡らして洗面器に溶かす。
「あふ、はあぅ……」
ようやく息が整ってきた桜にキスをしてから、
「桜、力を抜いて」
と言いながら、桜の菊の周りを石鹸水で解す様にマッサージする。
「!」
ピクっと体を震わせ、脅えたような瞳で俺を見詰める桜に
「怖いかい?嫌なら止めるよ」
と優しく言いながら再びキスをする。
「ううん、大丈夫。甲がしたいように、して。
 僕を、甲のモノにして……」
「桜、愛しているよ」
「僕も……ずっと、甲と一緒に居たいよ……」

その夜、俺は桜の花弁を貪り、俺と桜は一つになった。


プルルルルル……ガチャ
「はい、神坂でございます」
「あ、カナさんか。俺だよ」
「まあ、お坊ちゃま!お元気でしたか?お家にお電話してくるなんて、何か有ったのですか?」
カナさんは俺の実家に勤めるメイドさんだ。
俺が実家を出るまでは、俺専属だったのだが、今は実家のメイドを束ねるチーフをしている。
「ああ、親父に、家に戻って跡を継いでも良い、って伝えてくれないか。
 但し、条件が有る」
「まあ!それはお館様が狂喜乱舞致しますわ!
 で、条件ってなんですの?可愛らしいお嫁さんでも連れてお帰りになるとか?」
カナさんは破天荒な型破りメイドさんだが、比類の無い有能さと性格の良さで
親父とお袋、そして俺が最も信頼している女性だ。
だからこそ、実家を離れてもカナさんにだけは時々近況報告をしている。
「うん、まあそんな所かな。
 で、その為に幾つかお願いしたいんだ……」
そして俺はカナさんに、桜の事を全て話した。
「あらあら、さすがお坊ちゃま。する事為す事常識破りでいらっしゃいます事」
カナさんにそれを言われちゃオシマイだなぁ……
俺は苦笑しながら、続けて桜の伯父夫婦との間の決着を着けてくれる様に
カナさんにお願いし、二つ返事で諒承を得た。
ま、カナさんに任せておけば万が一にも間違いは無い。
桜の事も、俺と桜のこれからの事も、な。


そして四月。
俺は会社を辞め、もう離れる事など考えられない程大切な存在となった桜を連れて
数年振りに実家の門を愛車(パンダ)で潜ると、そこは壱面の桜色の世界となっていた。
「わあ!すごいね!こんなに広くて、こんなに桜の木が一杯あるお家なんて初めて!」
実家の庭には数十本の桜の木が立っており、この時期、庭は桜の花弁が絨毯の様に敷き詰められている。
一際大きな、樹齢百年を越える桜の木の下でパンダを停め、俺達は桜色の絨毯を踏みしめた。
はしゃぎながら俺にじゃれつく桜を抱き上げ、
「これから、ここがお前の家になるんだよ、桜」
と言う俺の唇に桜がそっと自分の唇を重ねる。
「甲、大好き……ずっと、一緒にいてね」
「ああ、約束だ」
俺と桜は、満開の桜の木の下で、もう一度唇を重ねた。

そう、俺と桜の、新しい人生が、これから始まる。

桜舞い散る、この場所から、ずっと……




Fin.
Ending image song : 春よ、来い
Artist : Yumi Matsutoya

Special thanks to Ms.Fujikawa And Very Thanks To All.

Presented by Shogo Hazawa


「S・A・K・U・R・A 〜桜〜」
ご愛読頂きましてありがとうございました!

自分が初めて公に発表するBL作品、如何でしたでしょうか?
もちろん、自分はノーマルですが、極稀に驚くほどの美少年に出逢うことが有ると
そういう世界も、まあナシってワケじゃないかなとか思ってしまいます。
また、昨年の春頃に自分の友人の俗に言う「腐女子」
に見せられたとあるBLアニメーションにインスパイアされ、
かなり昔から構想として練っていたものを描いて見ました。
ご意見、ご感想等頂けましたら望外の喜びです。
また、本作品は「小説家になろう」スピンオフ企画
「春エロス2008」参加作品です。
本作品をお気に入り頂けましたら、リンクから投票して頂けると嬉しく思います。

それでは、またお会いできる事を楽しみに…
作者より、全ての読者様に親愛の情と感謝の念を込めて…

2008/4/15 羽沢 将吾
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