Zero of the Beowolf(1/24)PDFで表示縦書き表示RDF


一応作品に忠実にキャラを再現するつもりですが、至らないところがあったらどしどし抗議してくださって結構です。あとOGsのOG2のラストの部分から始まりますが、多少再構成して既にアルフィミィが消滅したことになっていてオリジナルの会話も混ぜており、またここからが本題なのですが、生身における戦闘のキョウスケの描写が原作中にはあまり無かったのでそこいらに関しては独自解釈が大いに入ることになります。ご了承ください。
Zero of the Beowolf
作:T・K



第一章:プロローグ 始まりの光


「必ず帰ってみせる……」
 自らの愛機の中で、男はつぶやく。
 年は二十歳を越えたぐらいだろうか。均整の取れた体を赤いパイロットスーツに包み、茶色の髪の先に金のメッシュを施している。顔は若々しい精悍さに溢れ、たくましい。口は一文字に結ばれ、一見すると無感情な、むっつりとした表情である。しかしその瞳には隠し切れない意志の強さと熱い感情のほとばしりがあった。
 男はある一つのことを一心に、ひたすら念じていた。
 ふと男は首をまわし、周りを見る。男のいる場所はコックピットらしい。機体の外部の様子を知らせる全周囲のモニターがあり、そこには彼の仲間達が乗っている、巨大な、鋼鉄の巨人といえる機体が空間に浮かんでいた。彼らの機体の損傷は激しく、恐らく男の乗っている機体も同様だろう。
 彼らは戦い続けてきた。そしてついに、アインストという異形のモノ達を倒すことに成功したのである。
 だが彼らは今、危機に直面していた。彼らのいるその空間は通常のものではなかった。オレンジ色の宇宙に何か結晶のようなものが漂っており、明らかに通常の、彼らの属していた世界ではない。しかも有り得ないことだが、空間自体が揺れていた。
 そう、まもなくこの空間が崩壊するのである。空間を維持していた、アインストの首魁が倒れたことによって。
 だからこそ男は一つのことを念じていた。浮かんでいる機体の中にいる男の仲間達も、男と同じことを念じているだろう。
 即ち、元の宇宙に、地球へ帰る、ということである。
「キョウスケ……」
 突然男は声を掛けられた。見ればモニターの一部にコックピットに座る人の姿が映し出されている。声の高さ、そして男、キョウスケと同じ赤いパイロットスーツに包んだ体は丸みを帯びていることから、その人物は女性と分かった。
 その女性は豊満な体つきをし、ヘルメットに隠れていて分からないが艶やかに光る金髪をポニーテールでまとめており、顔は形のいい鼻筋と、感情豊かにくりくりと動く大きな青い瞳をもつ美女であった。しかし男には、その瞳には高い知性の光を隠していることが分かっていた。
 キョウスケは念の集中を一旦やめる。
「エクセレンか。……どうした」
 エクセレンと呼ばれた女性は顔をキョウスケの視線からそらし、俯いている。いつもは軽い調子と明るい愛嬌に溢れている彼女が、いまは抑えきれない不安に震えていた。
「んー、ちょっとね。これで終わりかもって思ったら、我慢できなくなっちゃって」
「言うな、そんなことは。やる前からそんなことを言っていたら、成功するものもしなくなる。……それに、言いたいことはそれだけじゃないだろう」
 エクセレンがはっとした様子で顔を上げる。そして、明らかに無理をしていると分かる笑みを浮かべた。
「やっぱり分かっちゃう? ……あの子のことを考えてたの」
「……アルフィミィのことか」
 キョウスケは彼女に似た少女の、いや、少女の形をした異形の仲間の名を口にした。エクセレンが頷く。
「あの子はノイレジセイアの消滅による破滅の運命を逃れることができなかった。でも、私は消滅せずにここにいる」
「……」
「私のヴァイスちゃんもそのままだし、もし通常空間にもどれたとしても私がいたら……」
「それ以上は口にするな」
 淡々とした、しかし彼女の体が震えるほどの怒りがこめられた声。その激しさに、彼女はそれ以上口を開くことができなくなる。
「確かにあいつは破滅の運命から逃れることができなかった。しかし、それがどうした? なぜお前まで消えなくてはならないことになる」
「……」
「もう少し単純に考えろ。お前は破滅の運命にはなかった、それだけだ。他は知らん。そして……」
 そこで一旦、キョウスケは言葉を切った。
「お前はお前のままで、おれの側にいればいい」
「え……」
「それに安心しろ。もしお前の不安が事実になったときは、おれがお前を殺してやる」
「……」
 あまりといえばあまりの台詞である。しかし、エクセレンはしばしの間ぽかんとしたあと、くすくすと笑い始めた。
「……ふふ、キョウスケも言うときはいうもんね。これがほんとの殺し文句ってやつ? ていうか深く物事考えてないだけじゃないの〜?」
 先ほどまでの思いつめた感じがない、軽い口調、そして軽口がその口から出てくる。しかし、ヘルメットの中に浮かんでくる輝く雫はごまかしきれなかった。
 キョウスケはそれに気づかない振りをし、微かな笑みを口に上らせた。
「……それでいい。それでこそおまえだ」
「はいは〜い。そうですね、キョ、ウ、ちゃん!」
 今度こそ、こぼれんばかりの満面の笑みをエクセレンは浮かべた。
「あ〜あ〜、それにしても」
「? どうした」
「今みたいな台詞、これからはいつもしてくれればいいのにな〜。そうすれば欲求不満になることもないってのに」
 少し口を尖らせ、愚痴をもらしてくる。しかし同時にどこかうっとりとした表情をしており、彼女は自分の体を抱きしめてくにゃくにゃと身をよじっていた。……何か変な想像、いや、妄想でもしているのだろう。
「ラブラブオーラ全開でー、みんな目をそらすくらいにー」
「断る」
 にべもない。しかも即答であった。
「え〜、なんでよキョウスケ! せっかくしてくれたのに〜!」
「そんなことに一々付き合っていられるか。それにおれはさっきのあいつらが受ける目にはあいたくない」
 あいつらとはキョウスケの仲間の男女二人のパイロットのことである。普段女の方は男にツンツンしている、要はツンデレと言う奴なのだが、先ほどその二人がこの上なく甘い会話をしていたのだ。
 ……プライベート通信でない状態で、である。つまり全員に丸ぎこえだ。
 これから彼らが受ける目を考えると、同情せずにはいられないキョウスケであった。
 エクセレンがぶーぶーと文句を言ってくる。
「なんだ、いいじゃないそんなの。むしろ見せ付けちゃえーって感じにはならないわけ〜? 周囲にはどうせ知れ渡ってるし、さっきみたいに殺し文句バリバリでー、あとあのときみたいにぎゅっと抱きしめてくれるとか」
「ならんしお前の趣味に付き合うつもりも毛頭無い」
「何よ、キョウスケのいけず! 一回やったんだから二回や三回、もしくはそれ以上やってくれたって罰は当たんないわよ!」
「どういう理屈だ」
 まるで夫婦漫才である。そこに、男の声で通信が入った。
「システムの準備が整った。全員、念を集中させてくれ!」
 即座に緊張に身を硬くする二人である。おちゃらけていても、この切り替えの速さは彼らが歴戦の戦士たる証であった。
「来たな。……やるぞ、エクセレン」
「ええ、もう一度私達がやり直すために。……生きるために!」
 二人は念を集中させた。ただひたすら、元の場所、地球へ帰ることだけを想う。すると、仲間の機体の一機、SRXと呼ばれる巨大な機体が輝きを発し始めた。
(あれが人の意思の光か……!)
 キョウスケは思わず感嘆の吐息をついた。
 その光は美しく、力強かった。
 ある男が言った。人の意思は何者も可能にする力になるのだと。それはT−LINKシステムという人の意思を発現させる特殊な装置を用いなくとも、本質は何も変わらない。そしてその意志の力が集まれば、この空間と地球をつなぐ道を作ることもできるのだと。
 その言葉を信じさせてしまうほどに眩い、強い光であった。
 だんだん光が強くなり、周りが見えなくなってくる。白が視界を覆い尽くしていく。その中にあっても、キョウスケは念じ続けた。だがその中で、
(……? 何だ、これは)
 自分の機体の前には、何か別の光が広がりつつあった。それは、彼とその愛機を包み込んでいく。
 そして人の意思の光は、全てを飲み込んだ。


他のサイトでゼロの使い魔とフロントミッション3のクロスオーバーがやっていたのでそれに触発されてしまいました。強さの調整やアルトを出すことのやばさは重々承知しているのでそれを踏まえた上で何とかやっていきたいと思っています。











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