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俺だけが神速の異世界で 作者:apple_pie
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武器と家

ベルとパーティを組んだ俺はギルドで少し飯を食べた後に、武器を作ってもらうため加工屋に向かっていた。その道中、改めてベルと自己紹介を交わした。

誠「ベルって種族は何にしたんだ?」

ベル「盗賊ですよ。」

誠「へー…。…盗賊ってどんな感じ?」

ベル「特徴と言えば倒した敵からアイテムとジルを奪えることですかね。」

誠「じゃあ普通に敵を倒すより得するのか?」

ベル「そうです。でも火力が出ないので何とも言えませんね…。」

誠「なるほどな…。」

ベル「…そういえば名前を聞いてませんでした。」

誠「あ、そうだったな。俺は速水誠。呼び方は…何でもいいよ。」

ベル「誠さん…ですか。人族なんて珍しいですね。」

誠「そう言うベルも人族だろ?」

ベル「私は獣人族ですよ。」

ベルはそう言いながら黒髪の頭から猫のような耳を出した。俺は驚いてしまい、つい無意識にその耳を触ってしまっていた。ベルの顔が赤くなっているのに気づかずに。

ベル「…あ、あの…!くすぐったいです…。」

誠「えっ!?そうなのっ!?ご、ごめん!」

ベル「つ、次から気をつけてくださいね…。」

誠「き、気をつけます…。…でも何で普段は隠してるんだ?」

ベル「まあ…弱点ですからね。」

誠「なるほどな…でも、せっかく可愛いのに勿体ないな…。」

ベル「なっ…!?か、可愛い…ですか…!?」

誠「似合ってると思うぞ?」

ベルは暫く顔を真っ赤にしながら黙ってしまった。やっぱり可愛い。パーティ組んで正解だったと思っている。本当に。

ベル「……あっ!そ、そろそろ着きますよ!」

誠「本当だ。あっという間だったな。」

ベル「そ、そうですね…。」

加工屋に入るとタンクトップのおじさんが大きなハンマーを持って立っていた。いかにも加工屋って感じの雰囲気だった。ていうかここ暑いな。

加工屋のおじさん「…見ねえ顔だな。何の用だ?」

誠「え、えっと武器を作ってほしいんですけど…。」

俺は言いながらポーチから青と黒のクリスタルを取りだし、加工屋のおじさんの方に差し出した。するとおじさんは驚いた顔をして奪い取るように俺のクリスタルを手に取った。

加工屋のおじさん「お前、あのクリスタルウルフを倒したんか!?」

誠「まあ、倒した…のかな。」

加工屋のおじさん「見た目に合わず、すげえ奴だな!」

このおじさん、正直に物事を言いすぎなんじゃないか?確かに駆け出し冒険者な俺は装備もろくに揃ってない。でももう少しオブラートに包んでくれてもいいんじゃないかい?

加工屋のおじさん「…で、どんな武器にしたいんだ?」

誠「剣を黒と青で一本ずつ欲しいんですけど…。」

加工屋のおじさん「分かった。じゃあ暫くかかるから隣の宿屋にでも泊まってな。」

誠「分かりました。」

俺とベルは加工屋から出て宿屋に向かった。ドアを開け、おばさんに20ジルを渡し、ベルと指定された部屋に入った。

誠「ふう…。今日は疲れたな…。」

ベル「……。」

俺は真っ先にベッドに入ったのに、ベルは入り口に立ったまま動かなくなってしまっていた。別に何かしようって訳じゃないぞ…。俺はそんなにケダモノに見えるのか…?

誠「…俺は何もしないぞ?」

ベル「わ、わかってますっ!…でも…緊張するっていうか…。」

誠「なるほど…じゃあ俺は椅子で寝るかな。」

ベル「そ、そんな!悪いですよっ!」

誠「平気平気。俺寝落ちとかでよく椅子で寝たりしてるから。」

ベル「ね、ねおち…?」

誠「まあ、気にしないでゆっくり寝なさい。」

ベル「わ、わかりました…。」

俺は椅子で、ベルはベッドでゆっくりと寝た。快眠とまではいかなかったが、俺は健やかに朝という名の昼を迎えることができた。いい天気だ。

ベル「やっと起きましたか…。加工屋のおじさんが怒ってましたよ…。」

誠「…まじ?」

ベル「まじです…。」

誠「…急ごう。」

俺とベルは支度を済ませた後、急いで加工屋に向かった。ドアを開けるとおじさんが眉間にシワをよせて立っていた。

加工屋のおじさん「いつまで待たせる気だっ!」

誠「す、すみませんっ!」

加工屋のおじさん「ったく、ほらよ。」

おじさんは黒と青の同じ形状の剣を俺に渡した。俺はその剣を腰の右に青、左に黒の剣を装備し鏡の前に立った。

誠「かっこいい…!なあベル!どう思う!?」

ベル「フフッ。似合ってますよ。」

加工屋のおじさん「ああ、それと彼女さん。これ。」

ベル「え?私?…って彼女じゃないですっ!」

加工屋のおじさんの手には黒い刃のナイフが握られていた。俺の武器を作るときに材料が余ったらしく、ついでで作ってくれたらしい。

ベル「い、いいんですか!?」

加工屋のおじさん「おうよ!なんせ余りもんだ、気にするこたねえ。」

ベル「あ、ありがとうございます!」

誠「…あ、そういえばお金払ってなかったですね。いくらですか?」

加工屋のおじさん「ん?ああ、…ざっと1億ジルってとこか?」

流石に高い。まあ俺の所持金は30億ジルですけど?今の俺からしたら1億ジルなんて余裕だぜ?
俺はおじさんに1億ジルを渡して外に出た。

誠「…さて、ベル。ここで問題です。」

ベル「凄い突然ですね…。」

誠「生きていく上で必要なものってなんだと思う?」

ベル「生きていく上で…ですか…。」

誠「はい時間切れー。」

ベル「えぇっ!?」

誠「正解は衣、食、住。つまり着るもの、食うもの、住むところ、だ。」

ベル「それがどうしたんですか?」

誠「まず着るものだけど、正直、異世界にそういう概念は必要ないと思う。」

ベル「必要なものなんじゃなかったんですか…?」

誠「次は食うものだが、これもギルドの飯でなんとかできる。」

ベル「確かにそうですね。」

誠「最後に住むところだが…宿屋じゃ毎日ジルを失うことになる。」

ベル「そうなりますね。」

誠「だから家を買おうと思う。これから増えるかもしれないパーティのために!」

ベル「うわっ!?」

俺はベルの手を取り、あちこちを走り回り、いい物件がないか探し回った。すると、かなり大きくて綺麗なのに安い物件があった。

誠「なあベル!ここいいと思わないか!?」

ベル「…ハア…ハア…。ち、ちょっと…は、速すぎますよ…。」

誠「あっ、ごめん!つい夢中になっちゃって。」

ベル「…ふう…。でも、いい物件だと思いますよ…。」

誠「だよな!」

玄関のドアには「買いたいヤツは名乗りやがれ!」と書かれた紙が貼られていた。俺は嫌々名前を書こうとペンを手に持った。がその時、

?「待ちやがれ!」

声の方を見ると金髪の女が俺の方に指を突きだしていた。
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