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よくある美少女を助ける話

至極簡単な、武器説明


H&K USP


ドイツの銃器メーカーである、ヘッケラー&コッホ(H&Kとはこれを省略したものである)と呼ばれる会社が開発した自動拳銃である。


別名P8と呼ばれている。


さらに詳しい説明は…各自で検索と言うことで。


 「…」

 「パチッ…パチッ」

 「…まさか、暇つぶしに秋葉に行っただけなのに、今はこうして異世界でたき火を炊いて、カップラーメン食ってるとか…世の中どんなことがあこるか想像もできませんな」

自らが焚いた焚き火に照らされながら、真はもっともらしいことを、5つもある月をみながら、お月見の如くカップラーメンを食べながらそう言った。


 「…カップラーメンて、なんで家で食うより、こうしてキャンプ的な感じで食べる方がうまいんだろう」

そんな永遠の謎を、真は暇つぶし的に呟くのだった。


 ちなみに真がなぜに焚火などを焚いてるのかと言うと、一重に寒かったからである。


 「…気温10度…昼は明らかに20度以上ぐらいはあったはずなのだが…これは寒すぎだろ」

 段ボールの中に、何故かおまけ的に入っていた気温計を見ながら、今までの気温との、あり得ないほどの落差に、ため息をつきながら、そう思うのであった。

 

「…」

携行用のガスコンロで、ヤカンの中身が、ぐつぐつとお湯が沸いている様子を見ながら、真はこれからのことをどうすればいいのか、考えていた。


 「…とりあえずは、当面の目標は、人に会うことだ、幸いこの世界がおそらくファンタジーな世界であることだけは、さっきのゴブリンの件で、証明済みだ」

 可能性としては98%ぐらいかな?真はそんなことを思い、次に元の世界に戻れるかどうかについて考え始めた。


 「…大抵の異世界トリップ物の小説は…かなりの確率で、そこの住民になったり、自ら進んで住民になることを決意したりして、そのまま元の世界に帰らないまま、ファンタジーの世界でハッピーエンド、という感じで終わるから…俺もそうなるかもしれん」


 真は、自らが読んでいた異世界トリップ物の本についての最終的展開を思い出しながらそう思った。

 (…しかし、俺としては、元の世界に帰りたいよな、確かにこの能力は凄まじいほど便利だけど、やっぱり家族も友人もいて、そしてのんびりと平和に暮らしていた今までの日常の方が断然いい、一応、最終目標として、元の世界にいけることを目標として掲げるか…)

真はそう思い、自らの目標は元の世界に帰ることだということを改めて決意し、同時に如何にして帰るかを考えていた。

 (…もしかしたら、この世界には、異世界を渡る魔法とかもあるかもしれない、今はそれに頼るしかないな…)

しかし、浮かんだのはそんな希望的観測な物だけであった。


 「はぁー、もしレベルが上がってそんなの出来るようになったらうれしいんだけど…いや待てよ、レベル?」

真は、そう言えば、もしかしたら自分のレベル、先ほどのゴブリンを倒したことにより、アップしているかもしれないと思い、すぐさま、自らのウインドウを急いで開いてみた。



 山崎 真 十七歳 桜坂高等学校二年生


 レベル2

 種族  人間

 

 HP  15

 MP  0

 魔力  0

 攻撃力 3

 防御力 4

 精神力 1000

 称号  異世界召喚師

 特性  近代兵器操作術 1868年

 祝福  なし

 武術技 なし

 魔法技 なし

 現在地 ハーストリア帝国 ゲベラルの川の畔

 装備  H&K USP(9mm弾モデル)残り弾数14

 道具  ナップザック 食べかけのカップヌードル 木のはし、携行用ガスコンロ 他


次のレベルまであと、 87


残り召喚数 1


「…これは…もしや…」

真は単にレベルが上がったことより、あるものが上がったことに歓喜していた。

 

 「近代兵器操作術が、1867年から、1868年に上がっている!!」

 真は、つい持っていた食べかけのカップヌードルを零し掛けるほど、歓喜したのであった。


 (こっこれは…ものすごい発見だぜ、ホントマジで、もしかしてレベルが1上がるごとに、近代兵器操作術も一年単位で、上がっていくのではないか?)

レベルが1上がったことにより、近代兵器操作術が一年上がったことが証拠だと、真は思った。


「…だとしたら…ホント素晴らしいな!!」

これなら、地道にレベル上げをしていけば、最終的に、現代の兵器を操縦することが可能となれることを、真はそれこそ踊ってみたくなるほど歓喜しながら、確信したのであった。


 









 

 「・・・・・・・・・・・・・」

遠くに、人の声と、焚き火の音が、少女の耳に響いた。

 

  「…焚き火…温かそう…」

 その少女は、あの大けがを負った少女だった。


 「…」


 少女は意識がはっきりしていないのか、半ば無意識と言ってもいい感じに、真が焚く焚き火へと、まるで電灯に集まる虫のごとく、吸いこまれるようにフラフラと、歩いて行った。





 





 「…はい?」

真は目の前で起きた出来事に、完全に、それこそ日本軍のカミカゼの攻撃にショックを受けた米軍のごとく、目の前の出来事が信じきれないような感じに、そう呟いたのであった。


なぜ真がそのようなことを言うのか、それは一重にこういうことであった


「…いきなり森の中から青髪の美少女が現れたかと思ったら、いきなりその少女が俺の目の前で倒れ伏せるって、どんなフラグ?」

そう、真の目の前には、長距離走に力を使い果たしたようにいきなり森から表れたと思ったら、これまたいきなり倒れ伏せた超のつく美少女が居たのであった。しかもただの美少女ではない、来ている服も、何故だかぼろぼろであった。


「…」

とりあえず、真はおそるおそる、一応、なにやら苦しそうだったので、放っておけるはずもなく、このいきなり倒れ伏せた彼女の体を調べてみた…読者の諸君、真は別にやましいことをしたいのではないのだよ、ただ彼女の体を見るだけ…残念ながらやましいな…


 「…げ」

一応、精神を弄られたとしても、このような美少女の体を調べるのはものすごく恥ずかしいのか、顔を赤めらせながら、彼は倒れている彼女を、現状のような伏せている体勢ではなく、キチンとした仰向けの体制で寝かしてみることにした、すると…


 「…随分と生々しい傷跡だな」

真の見つめる足の肘には、彼女のきめ細やかな白い肌にはまったくもって似つかわしくない、今もなお血を流し続けている生々しい傷跡があったのである、しかも長時間ほったらかしにしてあった影響か、膿んでもいる、それにこの怪我ほどでもないが他にも少女の体の所々に切り傷などが多々あった。


 「…こいつは手当するしかないよな」

世界的にもお人好しの日本人、その上大のラノベファンである真は、当然のことながら、少女を助けるために即座に行動するのであった。


  (もったいないが、医療器具を召喚するか…いや医療器具といっても、この一般ピープルな俺にでもできるような治療法だなんて、あんまりないんだけどな…)


 しかし、まあ、そんな一般人にも簡単にできそうな治療でも、やらないよりかはマシである、そう思った真は、さっそく召喚の構え?に入った、



「山崎真が告げる、俺の部屋にある、救急箱を召喚せよ!!」

美少女助けることも手伝ってか、わざわざ仮面ライダーの変身を決めた時のような…そんなポーズを態々しながらそう叫ぶ彼…今の彼の姿は中二病にしか見えないのは作者だけなのだろうか。


しかしまあ、そんな振り付けなど関係なく、きちんと、それこそわが社は宅配を必ず時間ちょうどに完璧に届けてあげます、とか、そんなよくわからない例えのごとく。目の前に真の部屋にあった救急箱が召喚されたのであった。


 「…さて、やりますか」

召喚された救急箱を見ながら、山崎真はそう呟いた。

ちなみに、寝袋が一つしかないと言う悲劇に気付くのは、この少女の治療が終わってからのことであった。





 


 





 5つもある月がだんだんと薄くなり、異世界に、朝日が差し込んでくるのを、真は涙を流しながら、そんな美しい光景を見つめていた。


 結局彼は、こんな怪我を負った美少女をそのまんま石の上で寝かせておけるはずもなく、自らが使う予定であった寝袋を少女に使わせてあげたのであった。

 その反動とも言うべきか、もちろん寝袋は一つしかなく、必然的に彼は固いごつごつとした石の上で寝ることとなったのである。

 しかし勿論のこと、石の上で真が寝られるはずもなく、しょうがないので近くの森の中にあった草木を抜き取り、下に引くことによって石のごつごつした感触を和らげようとしたのだが、焼け石に水とはこのこと、そして日銀の円相場介入のごとく、まったく効果がなかった。

しかしかと言って焚火から離れた寒く、そして暗い森の中で寝れるはずもなく結局真は不幸にも一日中起きていたのであった。


 「…」

それと彼を苦しめる要素がもう一つあった。

それはなにか、簡単なことである…目の前に無防備な超絶美少女が居るからであった。


「…」

しかし、別に目の前に美少女が居たから、自らの男の本能を抑えるのに苦労したからではなく、別に意味の…そのような美少女が居ても、あんまりなにも感じない自分が居たことに真は苦しんでいたのであった。


「…ついに俺は男としての本能まで失ったか…こんな無防備な美少女が目の前にいるのに、近づいても精々顔が赤くなるだけだなんて…」

ひゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まだ夜の寒さを残しているような風が、真を貫いたのであった。

「…」

真は少女の顔を見つめた。

夜の時も、もはや神に愛されまくっているのかと思うほどの造形美で雪のように白く、きめ細やかな顔は、焚火にあやしく照らされ、まるで焚火の明かりそのものが彼女の装飾品かのように彼女を美しく仕立て上げていたが、いまはそれ以上の美しい朝日が、彼女を照らし上げ、ただでさえ美しいのにさらに美しくしてなってしまうと言う悪循環?があり、普通の男なら直視できないか襲っちゃいそうになっちゃうほど美しかったのだが…


「…だめだ、精々クラスのかわいい女の子を見つめている程度にしかならない…」

悲しいことに、精神を弄られてしまった真にはそれ位にしか感じていなかったのであった…それと同時に、こんな如何にもラノベ的展開になっているにもかかわらず、そんな風にしか思わない自分に、真は悲しくなってきたのであった…


「…そうだ、彼女のステータス、まだ見てなかったな」

真はそのことを思い出し、彼女のステータスをこっそり見ることにしてみた、べっべつにやましいことではない、この世界の人間の平均的な身体能力?を見てみるだけだと、真はだれもいないのにそんな言い訳を思っていた。



 ???????? 17歳 ?????


レベル26

種族  人間?

 

 異常状態 身体の破損 

 HP  10/100

 MP  10/1000

 魔力  データがロックされています

 攻撃力 18

 防御力 23

 精神力 12

 称号  データが破損しています

 特性  天才

 祝福  データが破損しています

 武術技 なし

 魔法技 ファイアボール 探索マジック エレキビーム 他

 現在地 ハーストリア帝国 ゲベラルの川の畔

 武装  なし

 装備  ボロボロの白いワンピース、ボロボロの赤いスカート 他

 

 次のレベルまであと、データがロックされています



「…なにこれ?」

真はそんな突込みどころ満載の、わけのわからないステータスを見ながら、そう呟かざる得なかったのであった。






 

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