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隠し扉

ギルドが炎上した日から翌日、真はふわっと欠伸を出しながらふと呟いた。

「…モンスターハウス…」

真はソラのその提案を受け、まだ起きたばかりなのが印象的な目で現在進行形で口にしている朝食を食べながら、考えている様な口ようで言った。

「そう、さっきも説明したように、そのモンスターハウスを見つけ出して、そこに居るモンスターを全滅させれば、かなりの高級なアイテムが山ほど取れるのよ、その中には絶対にあの薬草もあるだろうし、モンスターハウスに的を絞れば、昨日みたいな事にも絶対にならない、良い方法だと思わない?」

眠たそうな真とは正反対に、ソラはハキハキと元気そうであった。

「うん…」

真はあまり覚めていない上にお世辞にもよくはない頭をフル回転させながら考えてみた。

「…別に俺はそこまで反対じゃないけど」

「よし、それなら決定ね!」

ソラが真の言葉を、肯定と判断したのか、嬉しそうにそう言った。

「だけど…まあさ、どうやってそのモンスターハウスを見つけるんだ…その…確かソラの説明からするに、ダンジョン内のどっかにある隠し扉を見つけなくちゃいけなんだろう?そんな一々探している暇も体力もないと思うが」

正直いって無理じゃね?

真はそんな、ふと浮かんできた疑問をソラにぶつけた。

「うん…そこなんだけど…」

ソラは真を見ながら言った。

「何かその…真の世界にそう言うのを何とか出来る道具とか…ない?」

「…」

「…」

あさっぱらから突如出現した沈黙の嵐に真は思った。

なんだそれ…あれか、俺はドラ○もんか…

拝むように真に向かってそう頼むソラの姿を見ながら、真はついついそう思ってしまったのであった。













「うん…」

真は食事を終えベットに寝転びながら、ソラのモンスターハウスを探すための道具とか、何かないのかを考えていた。ちなみにとうのソラは横で本を読んでいる、因みにその本は真が前に召喚した近代兵器大全集①であった。

「う…」

恐らくランダムに、隠し扉と言うのが、ダンジョンの洞窟の壁にあるのであろう、そう言うのは分かる、ファンタジーの小説にもそう言うのが有ったし、例えば、偶然なんだかここの壁可笑しくない?とかで、怪しいと思い、攻撃して見たらそこは空洞で、宝の山だったとかさ…よく聞くけど…

真は苦悩しながらそう思う。

「あ…」

壁の中が空洞かどうかを調べればいいのか?真は一瞬そう思った。

「…」

しかし、しかしである、と真は撤回する。

確かにそんな装置、あるのかもしれないとは思うけど、どんな装置で名前は何で、どんな使い方なのかは見当もつかない。本で調べようにもどんな本にそんな特殊な装置が乗ってるんだ?正直今まで読んだ小説にそんなのが登場してたとしても、覚えているはずがない。

「あ…無理…分からん!!ムリゲー!」

真は頭を抱えながら悲痛な感じにそう叫んだ…

「真…やっぱり無理だったのかな?」

ソラが近代兵器大全集を閉じながら、真に向かってそう言う。

「…なあソラ、その、隠し扉がある壁って言うのは、何か特殊な物質で出来てるとか、そんなん無い?例えば、なんだか特別な素材で出来てるとかそんなん」

真はもはやこれしかないと拝むかのようにソラに向かってそう言った。

「…あるけど」

どさっと、真が転がりそうな驚愕な回答を、ソラはしたのであった。

「マジで」

勿論真はその回答に突っ込む。

「え…どういう奴だそれ?」

真は恐る恐る、もしかしたらこんな質問しても意味がないかもしれないと思いながらも呟いた。

「うん…と、どんなのかと言われても…なんて言うか」

真の質問に、ソラは答えにくそうに答える。

「こう…軽いと言うか…」

「言い表しにくいんなら、なんか現物とかないか?」

ソラが何だか言いにくそうだったので、多分貴重な素材なのかもしれないが、一応言ってみた。

「ああっ!そうね、多分武器屋にあると思うわ」

「…」

ソラのその回答に、以外にそこまで貴重な物でもなさそうなんだなと、真は思ったのであった。












「…」

マミラは焦げ付き、所々壊れやすくなっているシュートラスギルド支店の2階居た。

「ここが、火災地点か…」

そう、マミラの立っている場所は、この火災の原因地点である、ギルド支店長の部屋が有った場所であった。

「…」

ガサガサと…なにか無いのかと調べるマミラであったが、すぐさま探し始めてから十分くらいがたつと、捜索を諦めたのか、また立ちあがり、辺りを見渡した。

「…はぁ」

ギルド支店長であるセルツに関する何かを見つける為に、キーマに許可をもらってこの燃え落ちたギルド支店二階に来たマミラであったが、完璧に黒焦げになった部屋に、めぼしいものなど、一つたりとも存在などしていなかった。



「…セルツよ」

マミラは黒焦げになったギルド支店長の部屋を見ながら言った。

「仇は撃つつもりだ」

マミラはそう宣言し、そして次に何故か小声でこう言った。

「…その後は…また勇者を探す旅に出るか…」

そう呟いた後、マミラは黒焦げになったギルド支店長の部屋を後にしたのであった。









「ん?コートパトルを見せてほしい?」

「はい!私たち、それを探してい居るんですが、ありますかねエカーナさん」

一方此方は真御一行。

真は、ソラから聞いた、特別な素材、コートパトル?とか言う物を調査すべく、武器屋を営んでいるギブソンの元へと、尋ねに行ったのであった。

「あれ?ギブソンさんは」

真は武器屋から、ギブソンではなく、エカーナさんが出て来たのに疑問を感じたのであろうか、ふとそう言った。

「ああ、アイツは部屋に引きこもってるわ、ああっ、大丈夫よ、数時間もすれば出てくると思うから、気にしないでね」

エカーナがそう言う言い訳をしながら言った。

「…そうですか」

ソラがギブソンを心配したのか、空しそうに言った。

「…すみません…なんだか俺」

真が卑屈になりながらついついエカーナにそう言った。

「ああっ、良いさ、お前のせいじゃないんだから、確かに真が犯人を逃がしたって言うのは、ギブソンの奴から聞いてるけど、相手は強かったんでしょ、ならお前が謝る必要はないわ、お前さんが死んじゃった方が、アイツ悲しむと思うしね」

エカーナが真を慰めるようにして言った。

「それで、コートパトルだっけ?」

「ああっそうです、武器屋にあるとよく聞いたので、ここの武器屋にないかと尋ねたんですが、ありますか?」

真がエカーナに向かってそう言った。

「ふふっもちろんあるとも、付いてきな」

エカーナはそう言うと、真とソラを引き連れ、武器屋の奥へと入っていた。




「是がコートパトルだ、取れた後、直ぐに特定の魔術をかければ固くなるから、刃物を磨ぐ素材にちょうどいいのよね、で?これをどうするの?」

エカーナが、コートパトルとおもわしき、普通のダンジョンの壁の色をした、石板っぽい形の物を持ってきた。

「…実はですね」

ソラが真達の要件をエカーナに伝えるためなのか、言った。

「コートパトルって、ダンジョンの隠し扉の壁に使われてるってご存知ですよね」

「ああっそれね、確かにコートパトルはダンジョンの隠し扉の壁にも何故か含まれている素材だ、よく知ってるね」

エカーナは相槌を打つようにソラに向かって言った。

「ええっと、エカーナさんも、ギブソンと同じくらいに、武器について詳しい知識とか持ってるんですか?」

真はエカーナがそう言うので、もしかしたらエカーナにもそう言った知識が有るのかどうか疑問に思ったのか、そう言った。

「ああ、今回もそうだけど、アイツが病気とかになったら私が代わりにこの武器屋を営業するからね、ギブソンの奴ほどじゃないけど、そこらのベテラン冒険者よりかは武器に関する知識はあるわ、まあそれは良いとして、結局はどういう意味なの?」

エカーナがソラが先ほど言った言葉に疑問を抱いたように言った。

「ええっと…」

ソラが話しを一旦まとめるように呟く。

「真の国の道具でね、隠し扉を探すために、このコートパネルを色々調べてみる事にしたの」

ソラがそう言った。







「…やめときな、確かにコートパトルをダンジョンの壁の中から見つけ出す事が簡単に出来るのなら、それは凄い大発見だろうが、このコートパトルは特殊な硬化の魔法をかけると、他の素材より固くなるだけで、色もなにかも通常のダンジョン壁と同じ、コートパトル専用の探索マジックも存在していない、いままで何年も研究されてきたけど、誰一人として発見できなかった、私はやめといた方がいいと思うが」

エカーナがさっそく調べ始めた真に向かってそう言う。

「うん…まあ一応やってみようぜ、否定するだけなら誰でもできるしな」

真が…なんだか初めてカッコいい事を言ったのであった。

「…へ…じゃあ頑張ってみな」

その言葉に感心したのであろうか、エカーナはそう言うと、ぺペッ茶をついで来るとか言う謎の言葉を残しつつ、武器屋の奥に入って行き、見えなくなった。

「うん…」

エカーナが去った後も、真はコートパトルとか言う石板の形をした素材を持ちながら、唸っていた。

(別にダンジョンの壁と何ら変わりないな、重さも柔らかさも、まさしく変らないし、当り前だけど)

真はコートパトルに触りながら、素直にそう思った。

「大丈夫そう?」

ソラが唸っている真を見かねたのか、心配そうにそう言う。

「そんなこと言われてもな…」

精々こう言う土とか成分とかいう分野は、高校の理科の授業で習った程度である真にとって、そんな感じ返答に困ったのも可笑しくない。否むしろペラペラ喋れた方が異常であろう。


「…はぁ」

結局のところ、理科的な知識がほぼ皆無な真が、このコートパトルという物質が、どういう物なのか理解できるはずもなく、ため息を付いた。

「やっぱり、むりじゃね?」

真は堪らずそう呟いた。

「そう…かな?」

ソラが悲しそうに言った。

「ああ、なんか俺は物質の成分とか、全くそれらについての知識がないから、こう言う物質に詳しい本とか調べたりしなくちゃいけないが、正直それらでとりあえず調べたとして、簡単に分かるはずもないし、仮にこの物体の物質を特定したとしても、丁度その物質を特定できる機械とか、そんなんが有れば良いが、正直言ってそんな都合のいい話あるわけがないし、もしかしたら、俺の世界でも発見されていない未知の物質かも知れない、だから、正直むりだぜこりゃ」

真はそう呟いた。

「うん…」

ソラが何だか苦虫を噛んだような顔をした。

「…はぁ…」

真はため息を付きながら、持っている携帯をみつめた。

なんか、現代的な物で反応を確かめてみると言う方法も一応あるな、例えば、弱いレーザーを当てたら、なんだか可笑しな反応を起こしたりとか、そう言う科学的な行為を起して、何らかの反応を示したりしてくれるのなら、素晴らしいんだけどな…まさかそんな筈ないしな。


真はネガティブ気味にそう思ったのであった。

「…」

しかし行動しないよりましか、そう思った真はふと、手に取った携帯で、このコートパトルをフラッシュをしたらどうなるか試してみた。

ぱしゅっ!

「ひっ!」

その音に驚いたのか、ソラが驚いたような声を上げる。

「ああ…もうかめらか…余りなれないのよね…そのふらっしゅとかいう光、なんだか背筋が凍るかというか、て…なんでかめらなんか使ったの?」

ソラが疑問に思ったのだろか、真に向かってそう言った。

「…」

一方真はソラのその質問をちょっとばかり無視し、コートパトルに注目して見た。

「…」

しかし、何ら反応を示さなかったのであった。

「だめだこりゃ」

世の中そんなにうまくいかないと言うは本当だなと、真は思った。

「ねえねえ、真、結局なにがしたかったの?」

ソラが不思議そうに言った。

「いやね、なんか現代的なものをぶつけてさ、なんか反応を示さないかなって思ったんだよ、なにも起きなかったけど」

真は持っていた携帯をポケットに入れながら言う。

「ああ、なるほどね…」

ソラはぽんっあいづちを撃つようにそう言った。

「…」

「…」

遂に手段と言う手段がつきた…と真達は思ったのだろうか、沈黙が二人の間を走り抜けているころ、丁度、エカーナが二人分のお茶?みたいな物を持ってきた。

「ほい、ペッペ茶二杯だよ、あったかいうちに飲んでね」

「ぁ…ありがとうございます」

ソラがエカーナが運んできたぺペッ茶?とか言う物を、お礼を言いながらすーと飲んでいく…どういうも茶なんだ?と真は思いったのであろうか、そのぺペッ茶が入っているとおもわしきコップを覗き込んだ。

「…」

真はそのぺペッ茶が入っているコップを覗き込み、沈黙した。

「…」

なんて言うかあれだ。

「紫色だ」

真は悲痛な叫び声の様にそう言った。


「…うん?どうしたの真、飲まないの?」

さっそくソラが、差し出されたペペッ茶を飲まずに、じっと覗き込んでいるだけの真に見かねたのだろうか、そんな発言をした。

「…いや…ちょっと俺のせか…国のお茶とはずいぶん違うなって」

真は素直に思った事を言った。

「へ…お前さんの国には、こんなお茶ないのかい?面白いね、確かにぺペッ茶はマイナーだけどさ…知らないとはね…」

ほうほうと言う感じに、フクロウみたいにうなずきながら、エカーナは真をみた。

「大丈夫よ真、ちゃんとした普通のお茶よ、味だって、今まで飲んだ事のある真にとって抵抗が少ないこの世界のお茶と同じだし、ちょっと濃いけど…」

そういって、それはまたぺペッ茶を、スーっと飲みこんだのであった。

「…」

別にそれなら良いんじゃないてな感じに意を決して飲む事にしたのであった。

「…スー」

あっ…見た目最悪だけど味はあったかくてお茶みたいな味だし、美味しいわ…真は素直にそう思った。

「で…チョットは何か思いついたかしら?」

エカーナさんがいたずら下にそう言った。

「…」

返す言葉に詰まるのだろうか、ソラはじっと真を見つめていた。おいおい俺に丸投げするなよ、と真は自分に向って視線を向けてくるソラの顔を見ながら、そう思った。

「…なにか見つかったのかい?真さんよ」

エカーナも何かしら察したのか、今までソラと真を両方均等的に見つめていたが、真を見つめ始めたのであった。

「…」

どうしればいいんだ?真は思った。

こんなよくわからん物を効率よく見つけ出すだなんて、どう頑張っても無理じゃね?こう、ぺペッ茶見たいに温かければサーモグラフィーとかで見つけれるかもしれないけど…?


まてよ…と、真は思った。


「…エカーナさん、その、このコートパトル、なんか発見時は温かくありませんか?」

真は運に掛けたようにそう言った。


「おっ、何を言うのかと思ったら、温かいかって?」

エカーナは真の言葉を聞き、面白そうにそう言った。

「そうです…どうですか」

真は真剣にエカーナを見つめた

「…」

その真剣な顔を見てからか、エカーナはうん…てな感じに唸った後、こう言った。

「そりゃまあ、コートパトルって言うのは、さっきも言ったように特定の魔術、この場合特殊発熱魔法かな?このコートパトルは発熱しやすくてね、剣みたいに厚くして叩いて形を整える事が出来るんだ、それも剣ほどの労力も使わないしね、だからこそ使いやすいって感じだ、だからもしかしたら…」

エカーナは言った。


「…もしかしたら取れる以前、つまり壁に埋まっている時点で、コートパトルって言うのは…ダンジョンの魔力によっては、ちょっとくらいは温かくなっているのかも知れないわね」

エカーナはそんな、真にとって素晴らしい、素晴らしい発言をしたのであった。





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