〆S27 夢炎謳歌
■PHASE1■
無限の黒炎に包み込まれた世界
僕はその世界にただ一人佇んでいた
呼び掛けても言葉が返ってくる事はない
炎の煉獄に身を焼かれながら
ただただ僕は焼け焦げていく自分自身を見つめていた
■PHASE2■
やわらかな陽光に目が覚めると、僕はベッドから起き上がった。
変な夢だった。どうやら昨日の昼から今朝にかけて半日以上も眠っていたらしい。
朝起きると既にフェザの姿は無く、シャワールームから何やら鼻唄が聞こえていた。
■PHASE3■
僕等は街に出ると仕事を請け負う気は無かったけれども、とりあえずギルドの掲示板へと足を向けていた。オフ日だって情報は集めておかないといけないからね。
ギルドへ入ると、何人かの人達が一枚の張り紙の前で食い入るように見つめていた。
「なんだろあれ?」
「さあな」
何か、悪い記事じゃなければいいけど。
そう思いながら僕等は張り紙の前へと移動した。
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●A-15,A-20,A-21,A-23,A-25区画における変死報告
Fende ‡(6) A-15、A-20、A-21、A-23、A-25区画において多数の変死者が報告された。報告された死亡人数は計17名に及ぶ。死亡報告時間には一貫性が無く、死亡原因についてもいずれも不明である。ギルドではより詳細な死亡原因の検証を現在進めている。
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張り紙の内容はそれだけだった。
その内容にフェザがまず口を開いた。
「なんだよ、また原因不明の死亡報告かよ」
「フェザこっちの記事も見てよ」
そして、その隣の記事へ視線を移した時、僕等の動きが止まった。
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●A-23区画における死亡報告
Fende ε(5) 7:55頃、A-23区画中央第三通りにて、路地裏のマンホールに居住していたと思われる推定十二歳前後の少女の遺体が発見された。外傷は見当たらず当該する症例も無し。ギルドでは現在詳しい死亡原因について調査を進めている。
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「ちょっと待てよ。なんでこの情報一般公開してるんだ」
「これって僕等が見つけたあの子の事だよね」
ただ張り紙からは悪夢との関連性、その調査依頼の部分についてはすっぽりと抜けていた。
「なるほど」
「え、何が?」
フェザの呟きに僕は思わず聞き返した。
「いや、ギルドもこれだけ大きな事件は一般に隠しきれないって判断したんだろ。あの女だけなら一般公開せずに秘密裏で事件を解決できるとでも思ってたんだ」
フェザの言ってる意味が理解できず、暫しその言葉の意味を考える。
「え、ちょっと待って。じゃあさ。それって、まずこの事件とあの女の子の事件に関連性があるって事?」
「少なくとも、この記事の張り出し方からしてギルドはそう判断してるんじゃないか?」
なるほど、そういう意味か。
フェザの言う事は多分間違っていないんだと思う。
あれだけ、情報が漏れる事を気にしてたギルドがこうして情報を自ら出すって事は、それだけ今切羽詰まってるって事だ。
「この事件……ヤバイな」
フェザが漏らしたその言葉が持つ意味は今度は難なく理解できた。
このギルドの切迫感、そしてこの記事から受ける印象、これは間違いなくただの事件じゃない。何か危険な匂いがする。
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