〆S11 悲報
■PHASE1■
今朝はいつもと変わらない朝だった。
何も変わらない。
そう思っていた。
ギルドに張り出された一枚の張り紙を見るまでは。
掲示板に張り出された一枚の張り紙。。
それを見た時、僕の中で何かが砕けた。
――二十四人目の被害者――
――連続首斬り殺人事件についに二十四人目の被害者が出た。一番街A−25区画、大通りから路地に入るゴミ捨て場で被害者は発見された。被害者の少年は――
文字はあまり目に入らなかった。
僕の目は紙面に載せられている、その白黒の写真しか見つめていなかった。
被害者の少年
それは紛れも無く
あのネジを集めていた少年だった
それから、どれだけの時間が過ぎたのか。
――暫く一人にして欲しいんだ――
フェザにはそう言った。
■PHASE2■
どうして、あの子が死ななければならなかったのか
あんな幼い罪も無い子がどうして
生まれてきた事が罪だとでも言うのか
彼は死ぬために生きてたとでも言うのか
彼は……
彼は必死に生きてたじゃないか
あんな擦り傷だらけの手一杯にネジを溜めて
彼は死ぬために生きてきたんじゃない
少なくとも、彼は
ただ生きようと精一杯だったんだ
■PHASE3■
「もういいのか?」
ギルドのロビーのソファーに腰掛けていたフェザはそう語り掛けてきた。
僕は無言で、フェザの向かいに腰掛けた。
下層では、日常的に死が付き纏う。いちいち気にしてたらそれこそ身が持たない。
ましてや、名前も知らない、ただ一度触れ合った事のある少年に涙を流すなんて。
フェザが冷たいわけじゃない。何も言わないのが、彼なりの気遣いなんだ。
「あの時の影……覚えてるか」
フェザは唐突に切り出した。
影か。勿論覚えてる。三日前の夜に見たあの二つの影。一つは子供の影。もう一つは……
「事件が起きたのと丁度同じ区画だよな」
フェザの言いたい事は分かっていた。あの日見たあの影。
あれが、もしあの少年だったなら
「通報しよう。あいつが殺した犯人なら、重要な手掛かりになる」
僕の言葉にフェザは頷いてくれた。
犯人探しなんてそんな大それた事をするつもりは無い。
ただ僕達が見た事を伝える事で少しでもあの少年の死が報われれば。
そんな気持ちだった。
僕らはあの日見た全てをギルドに話した。
ギルドは有力な目撃情報として、僕達の話を聞き入れてくれた。
――連続首斬り魔の正体は『道化師』との目撃情報有り――
そうギルドに張り紙が出されたのは日が沈んだ頃だった。
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