表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

とうかえでの坂道

作者: 中仙堂

小さな坂道が有りました。

いろいろな人が通ります。

おじさんが通ります。

おばさんも通ります。

子どもたちも通ります。

あらあら、

かわいいうば車。

そう、赤ちゃんも通ります。

「にゃ~」

にゃ~も通ります。


坂道には、

たくさんの〝とうかえで〟がならんでいました。

大きな〝とうかえで〟のとなりに

子どもの〝とうかえで〟が

ならんでいました。


大きな〝とうかえで〟と

子どもの〝とうかえで〟の前には

楽器やさんがありました。

大きなウインドウの中には

トランペット

たいこ

バイオリン

ハーモニカ

フルート

そうそう、

大きなピアノがありました。


ときどきお店で女の子が

たのしそうにピアノをひいていました。

あの曲はなんでしょう。

そうですねショパンの

「子犬のワルツ」でした。


するとどこからか

かわいい子犬たちが

かけてきました。

「わんわん、きゃんきゃん。」

くるくるまわりながら

たのしそうです。


その日は

おじさんがバイオリンを

ひいていました。

すると、まだ秋なのに

しんしんと 雪がふってきました。

おじさんがひいていた曲は

ヨハン・ゼバスティアン・バッハの

「Gせんじょうのアリア」

という曲でした。


子どもの〝とうかえで〟の葉っぱは

まっ赤に いろづいていました。


もうきせつは冬でした。

〝とうかえで〟の子どもは

今では葉っぱが落ちて

とてもさむそうです。


お店のまどには

クリスマスツリーが

かざられて

たくさんのハンドベルが ならびました。


きょうは子どもたちが

クリスマスの音楽をかなでます。

なんの曲だったでしょうか。

子どもたちが えんそうしたのは

「きよし この夜」でした。


長くてさむい冬です。

でも〝とうかえで〟の子どもは元気です。

きっと 音楽がだいすきなんですね。


もうすぐみんなの まっている

あたたかい春が やってきます。


ある日、

お店のまえに

あたらしい楽器がやってきました。


なんでしょう。

それはシンセサイザーでした。

お兄さんがひきはじめました。

ビバルディの

四季しき:春」でした。


やってきたぞ

春だ 春だ。

春が やってきた。


小鳥たちも〝とうかえで〟の上で

うたっています。

「ピピピピ、チチチチ。」

おや〝とうかえで〟の子どもたちも

よろこんでいます。

枝にはたくさんの「芽」がでてきました。


小さな坂道には

いろんな人が やってきます。

おじいちゃんも

おばあちゃんも

ゆうびんやさんも

おまわりさんも。

ボクも

ワタシも


やがて〝とうかえで〟たちは

たくさんの葉っぱに

つつまれます。


そうです みんなのだいすきな夏が

また やってくるんです。

しろいにゅうどうぐもが、

ちいさな坂道の上に

もくもくと あらわれます。




















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ