絡まる糸の果て。縦書き表示RDF


この小説は、銀魂のドリーム小説です。
絡まる糸の果て。
作:空紀


カーツラー!!!


遠くで自分を捜す声。
おそらく真選組一番隊隊長沖田総悟であろう。

その声が、近くを通り過ぎたのか、はたまた向かってくるのか、朦朧とする意識では判断できない。



目の前に居るのは、真選組副長、土方十四郎。





気絶寸前の長いキス。



柔らかい唇と、優しく撫で回す舌。
それは、あまりに甘く、意識を遠のかせる。


遠くで自分を呼ぶ声に我に返るも、キツい煙草の匂いにかき消され、また微睡みの中へと引きずり込まれる。


強く唇を強く吸われ、桂がびっくりした素振りを見せた。
その顔にそそられたのか、土方は激しくなる一方だった。
桂を優しく、強く撫で回す。どれくらい時間が経っただろうか。
湿った唇と荒い呼吸が余韻を残していた。



「なぜだ…なぜ、俺を捕まえんのだ。」

長い沈黙のあと、乱れた呼吸で桂が問う。





「じゃあなぜお前は俺から逃げねぇ??逃げた方がいいじゃないのか??」


そう言った土方の顔は勝ち誇ったかのような笑みを浮かべている。


真選組の土方が自分を追うのは当然のことだ、

自分が逃げないのはなぜだ、
逃げないのは…


なにも言い返せずに、目を反らす。「俺に触れてほしいんだろ??待ってるんだろ??いつも。」



「ちがっ…」

桂は思わず顔を上げる。

「貴様がいつも強引にっ…」

「……」

ろくに反論も出来ないまま、唇は塞がれた。



土方の唇が、声無き声で桂を征服する。

それまで制服のポケットにあったはずの土方の手が、気づけば桂の右耳を覆う。

熱くなる耳。
やがて唇は首筋をなぞり、耳元で荒く、優しく呼吸する。

「好きだ…」

かすれた声でそう耳元で呟くと、暖かい息を漏らしながらゆっくりと耳元から離れていった。
そして桂を正面から見つめる。

その瞳は悲しく、苦しく、自分を見ている。


色々な想いが交差し、二人の間に言葉はない。いつからか、絡まり始めた糸。一度絡まった糸はもうほどけない。
斬るしかないのか。そんな瞳で俺をみるな……


好きだ。という言葉が嘘ではないと思い知らされる。。土方の真っ直ぐな瞳。


何か、会話を……
間が持たない。
だが、いくら考えても、適当な言葉は見つからなかった。

いつもそうやって自分を騙し、相手をはぐらかしてきたが、今回はそうも行かないらしい。

その真っ直ぐな瞳。自分を見つめ、気が遠くなるような現実に打ちのめされ、深く、暗く。
光を失いかけている。

その瞳に吸い込まれるように桂は、土方の頬に触れた。

土方はその手の温もりをしっかりと感じるために、自分の手を上から重ねる。


少し、光りを取り戻しただろうか。
しかし、その瞳はやはりどこか悲しげで、そこには、鬼の副長と恐れられる土方の姿はなかった。
桂は、そのきらきら輝く悲しげな瞳の中に自分を確認すると、ゆっくりと抱き寄せた。


ただ、強く抱きしめるだけ。
息をする事を忘れるほど強く。何故逃げない??
と問われ、言葉に詰まった自分。
それは、紛れもない事実。
そして、心の奥底でずっと待っていた言葉。

認めざる負えない。
俺はなんてバカなんだ。こんな男に…。

頬を赤らめ、桂は思い出したように大きく深呼吸をし、土方の肩に埋もれた。


今だけ忘れよう。
すべてを。。


結ばれてはいけない糸が、絡まったまま解けない。
解こうとすればするほど絡まるそれを、手繰り寄せずにはいられなかったた。



いつもの香りに包まれる。

桂は、いつだったか助けられた日のことを思い出していた。

あの時と同じキツい煙草の匂い。
包まれたその匂いに酔わされ、自分を見失う。

だがコレだけは変わらない。

この煙草の匂いは死ぬほど好きだ。














ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




◆BACK
小説家になろう