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第2章
ド派手な外見
でかい。
皇宮を見た感想はまず、これに尽きる。
大国のお城、っていうからドイツとかイギリスみたいなお城を想像してたわけ。
でも、違う。
タージマハルみたいな、オリエンタルちっくな巨大なお城。
お城の中は大理石とは違う感じのつやつやした床に、細かい模様が織り込まれた絨毯が真ん中に敷かれてる。この絨毯、アマリア様が持ち込んだやつなんだろうな。
壁には高そうな壷や絵が飾られてて、時々カラフルな花も活けられてるし、天井には小さなシャンデリアっぽいのが等間隔に設置してある。
広いし高そうだし、細かいのが多いし、掃除が大変そうだなって思ったのは庶民の性ってやつね。
そんな事思いながら通された部屋は広い皇宮入り口からは少し離れてる。
きっと後宮って呼ばれる部分なんだろうな。
部屋にはゴージャスな装飾品やフカフカのソファがあって、正直落ち着かない。
ミュスカは侍女としての仕事があるからこの部屋にはいない。
今頃届いた荷物と格闘してるんだろうな。
しっかし、こんな広くて豪華な部屋に一人きりなんて、寂しすぎる。初対面でも話し相手くらいは欲しいなぁ。
……って思ってたら、ノックと共におじさんが入ってきた。
この際、おじさんでも話し相手になってくれるなら構わないな。

「数日ぶりですな、姫君。ようこそおいでくださいました」

ええと、何だっけ。
バフ、じゃない、バレフリーさんだっけ?
聞くのもなんだから、いかにも覚えてますっていう感じで応対しよう。

「立派なお城で感激しました」

当たり障りのない言葉と言うと、おじさんは滅茶苦茶嬉しそうに笑った。

「お気に召されたようで安心しました。姫君のお住まいになられる南宮には花が咲き乱れておりますので、そちらもお気に召されると思いますぞ」

私が住むとこは南宮っていうのか。

「バフラーデ、入るぞ」

偉そうな感じの声がして、赤い物体が目の前に現れた。

「そなたが異世界の者か。ほう、見た目はあまり変わらんのだな」

慇懃無礼って言葉はコイツの為にあるんだろう、って思うほどの上目線。
宰相のおじさんを呼び捨てにして礼をとらせてるあたりから察するに、王族とかかな?
お父さんのお店にあった最高級ヴィンテージ赤ワインみたいな深紅のロン毛は、地球上では不自然な配色だけど、ケバケバしくない深紅が綺麗。
瞳は金色に輝くビー玉を嵌めこんだみたいな黄金色。
しかも、顔はハリウッドスター級の超イケメン!
この星にはイケメンしかおらんのか?

「殿下、姫君に対して失礼ですぞ」

殿下? やっぱり王族か?

「姫君。こちらにおられる御方がレイヴィス皇太子殿下であらせられます。殿下、ジースト公御養女アンジュ様でございます」

うわ、やっぱりこのイケメン君が皇太子で私の旦那になるのか。

「アンジュ様には南宮に入っていただきます。婚儀は一ヶ月後となっておりますので――」

「ああ、分かった分かった。もういいから、そなたはさっさと執務に戻れ」

何なんだ、コイツ。
いくら自分が偉いからって、年上の人にそんな態度はないだろっ! って言いたいけど、我慢我慢。
この国では身分意識が強いってミュスカが言ってたから、きっとコレが普通なんだろうな。
……ムカツクけど。

「全く……。承知いたしました、私は執務に戻ります。では、殿下。姫君とご親交をお深めください。姫君、困った事がおありでしたら何なりとお申し付け下さい」

ええ~っ!
おじさん、行っちゃうの!?
この見た目がド派手なイケメンと何話せって言うのよ!
私の心の声が聞こえるはずもなく、おじさんは部屋から出て行ってしまった。

「さて。何から話すか――」

イケメン君のつぶやきが聞こえた。
同じ事考えてたと思ったら、何だか笑えた。

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