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不老不死の魔女とはどうやら私のことらしい 作者:Ellen

1章.混乱の王宮編

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2.路地裏と黒猫

ある日のこと。


「あ〜疲れたぁ!」
私は、久々に家を出た。
「やっぱり2ヶ月ずっとPCとスマホいじってたら体力も無くなってるかぁー」
私はあの日以来、家に引きこもる毎日を送っていた。皮肉にもこの不老不死は、我が家の経済状況を良くさせていた。
父は私が物心つく前に死んでしまったらしく、顔も見たことがない。そして今まで母と2人で暮らしてきたのだが、母の仕事上稼ぎが少なく、病気が発覚するまでは少し厳しい生活を送っていた。

そして今日、久々に家を出てきたという訳だ。
しかし散歩をしている訳でもなくただ歩いていただけなので、軽く迷ってしまっていた。

「はぁ...」

そろそろ疲れたので来た道を戻ろうかと思っていたその時、声が聞こえた。

「何やってんのさ、早く帰らなきゃいけないんじゃないの?シャル。」

「うわっ!!」

急に名前を呼ばれたことと薄暗い路地裏だったということもあり、過剰に驚いてしまった。
すぐさま私は周りを見渡すが、何の姿も見えない。

「どこを見てるんだよ。僕はここだよ?」

再び響いた声の出どころを見ると、そこには美しい毛並みの黒猫が立っていた。

「あなた...何?」

喋る黒猫という傍から見ればファンタジーのようだが、実際に見たらただの不気味な生き物に、私は気づいたら質問を投げかけていた。

「何とは酷いな。見ての通り僕は黒猫だよ?」

「黒猫は喋れないのが普通なんだけどなぁ」

「さあ、どうだろうね?」

私がそう言うと、黒猫は怪しい笑みを浮かべた。

「ありがとうございましたさよなら」

「待って!?ねえ!ふざけた僕が悪かったから話を聞いて!?」

何なんだこの黒猫。喋るし変にテンション高いし正直もう帰りたい。
とりあえず話を適当に聞き流して帰ろう。

「それで何で喋れるのかな?」

「えっとね...まず僕は初めは普通の黒猫だったんだ。けど1回死んじゃってね。その後魔女に生き返らせて貰ったんだけど」

「え!?」

「どうしたんだい?僕が何か変なこと言った?」

「うん。すごく変なこと言ってた。魔女とか生き返ったとか」

「え?別に君らの中では普通だろ?」

「は?」

この黒猫は何を言ってるんだろうか。魔女というファンタジー要素盛りだくさんの単語を出されて「ああ、そうなんですか」と普通に理解出来る人なんているはずがないだろうし。
まあとりあえず聞いてみよう。

「魔女って...どういうこと?」

「どういうことって...君らのことだけど」

私が魔女?何を言っているんだこの黒猫は。
思い当たる節がない訳では無いが、こんな不気味な生き物は早く保健所に預けるのがいいだろう。

その時。

「君も『不老不死』なんだろ?」

「なんで...知ってるの?」

非常に驚いた。この病気は誰にもバレないように気をつけていたはずなのに。なぜこの黒猫は知っているのだろうか。

「悪魔だからね」

黒猫は小さな胸を張って答えた。
魔女?悪魔?いよいよ訳が分からなくなってきた。
すると私の様子で察したのか、黒猫は説明を始めた。

「魔女って言うのはね。簡単に言えば君のような不老不死の人間の事だよ。」

「他にもいるの?私と同じ境遇の人が。」

嬉しかった。私と同じ人がいるということが。もしかしたら友達も出来るかもしれない。

「うん。この世界じゃないけれど」

「別の世界なんてものがあるの?」

「あるよ。説明を続けるけど、魔女は僕ら悪魔に他人の魂を捧げ、対価として魔法を貰う。そして魔女は繰り返して多くの魔法を得るんだ。」

「他人の魂って...人を殺すってこと?」

「当たり前でしょ」

黒猫は続ける。

「魔法って言うのはかなり大きな力だからね。生贄みたいなものがいるんだよ」

ということは、魔法が欲しいなら人を殺せという事か。

「まぁこれで説明は終わったけど。どうする?シャル。このまま引きこもり続けるか、人を殺してまで仲間の元へ行くか。」

まぁ、殺せる人間なんてそういないけどねと、悪魔は笑った。

少なくともこのままでは私は生きていけない。それならば、その別の世界とやらに行くべきか。

「教えてくれる?」

「ん?なにを?」

私は心を決めて、人を殺す方法を聞いた。

「お母さんを...殺す方法」
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