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不老不死の魔女とはどうやら私のことらしい 作者:Ellen

2章.初陣、喪失

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18.おやつは銀貨3枚まで!?『消え去った村』

征伐隊用の集会室。そこには今、私を含め9人と1匹がいる。カネルヴァを中心に机を囲んで、作戦会議が始まろうとしていた。

「郊外の地方都市に、テロリスト集団が現れたそうだ。魔女も3人ほど確認されている。とりあえず3人ずつで3ペアに別れて配置するから、適当にペアを組んでくれ」

レイがそう言った瞬間、ゾーラとレイチェルが私の腕を掴んできた。

「よっしゃ決まり!」

気づくと、いつの間にか全てのペアができていた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

① シャルル・ゾーラ・レイチェル

② プリム・宇佐危・レイ

③カネルヴァ・サラ・オリヴィア

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「それでは、配置を決める。俺達は南から、ゾーラ達は西から、カネルヴァ達は東から進軍してくれ。以上、これで会議は終了だ。」

「そんな適当でいいの?」

「適当の意味を知っているか?適当とは度合いがちょうど良いことという意味だ。これでいいんだよ。」

「そうかな...」

「楽だからいいんだよ。それとも、うちの参謀を疑うのかな?」

サラが横から私を肘でつつきながら言う。

「うちの参謀は優秀だからねー?心配はいらないよー?」

「『戦闘面で』優秀なんですがね...」

「まあまあアオぴょん、そんな細かいことは気にしなくていいじゃん?」

「シャルルの前でその呼び方しないでくれないかな!?彼女にまでそう呼ばれたらめっちゃ傷つくんですけど!?」

「まあまあアオぴょん、落ち着いて」

「ああもうシャルルまで...ふふっ、もういいや...」

私がからかうと、アオぴょんは部屋の隅でブツブツと独り言を言い始めた。さすがに可哀想だからそろそろやめておこうかな。

「さて、準備をしようか。おやつは銀貨3枚までだよ。終わったら遠征に行こうか」

カネルヴァがそう言って、皆は一斉に立ち上がる。

「おーやつー♪おーやつー♪何を買おうかにゃー♪」

「姉さん、何を買うつもり?」

「あら、決まってるじゃない。フルーツと焼き菓子よ。」

オリヴィアってこんなキャラだったのか。すごいにゃんにゃん言ってる。というか、なんで皆こういう時は皆行動が早いんだろう。サラなんて、角を発光させながら高速移動している。
学校の席替えとか好きそうだな。

「さあおやつを買いに行くぞっ!」

プリムに腕を掴まれ、私は街へ行く。

結局おやつは焼き菓子を買うことにして、遠征へと向かう。私達は馬車(?)に乗って、目的地を目指す。

「すごい今更なんだけど、『魔女』って男の人もいるの?」

本当に今更だが、このメンバーで数少ない男性のレイは『魔女』なのか気になっていた。

「居るよ。男性の『魔女』は、『魔女』と呼ばれる人たちのおよそ3分の1程だ。『魔女』と呼ばれるようになったのは、一番最初の事例が女性だったからだ。」

カネルヴァが快く答えてくれる。博識だったりしそうだな。

「もう一個質問。この乗り物を引いてる生物って何?」

今私が乗っている馬車っぽいものは、モ○ハンのアプトノスに少し似ている竜(?)が引いている。ヤマトは気持ちよさそうに寝ているが、正直あまり乗り心地が良くない。

「家庭用の小竜って言うんだけどねー、天恵を受けていて、尻尾を触っておくと天恵の効果であまり揺れを感じなくする便利な生き物だよー。馬の上位互換って言うと分かりやすいかなー」

それを早く言って欲しかったのだが。私は急いで小竜の尻尾を撫で、揺れを無くす。

「それ馬の存在意義無くなってない?」

「一応あるにはあるよー。馬刺しとか馬刺しとか馬刺しとかーー」

全部食べ物じゃん。

「そう言えばアオぴょんっていつ日本からここに転移して来たの?」

「やめてくれませんかねその呼び方」

彼の頬を一筋の涙が伝う。しかしすぐに気を取り直してアオぴょんは答える。

「2本って何が?」

「国の日本だけど?」

「はい?」

「英語でJapan、2020年にオリンピック開催が決定した国の事」

まさか私が日本人だと気づいていないのだろうか。こんなに流暢に日本語を話せる人なんてそうそういないのだが。

「ああなるほどそういう事か...」

と、納得したようにアオぴょんは頷く。

「じゃあこれは持ってるかな?」

そう言って私はスマホを見せる。

「iPhone7!?なんで持ってんの!?」

「ふっふーん」

「僕6plusしか持ってないんだけど...」

6plusということは、彼がこっちに来たのも割と最近なのだろう。アオぴょんはスマホを出し、電源をつける。

「けど流石にこっちじゃ使えないでしょ?」

「と、思うよね?」

彼は画面を見て驚く。どうやらこっちに来てから1度も使っていないらしい。

「なんで通じるんだ...」

「ファンタジーって凄いよねー」

「あのさー、二人共さっきからなんの話をしているのかにゃ?」

オリヴィアがとまどいながら聞いてくる。少し話し過ぎただろうか。私はアオぴょんとラインを交換して、言う。

「なんかあったら連絡してね」

スマホ便利。
しばらくして、小竜が止まった。

「目的地に着きました」

運転手が言った。
私達は降りて周りを見渡すが、目を疑う光景が広がっていた。

「村が、無いねー」

見渡す限りそこには、焼け野原が広がっていた。
全てが灰になって、消えている。
しかしそこには一人だけ人間がいて、彼は私達を視認すると、空を飛んで逃げ去って行った。
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