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不老不死の魔女とはどうやら私のことらしい 作者:Ellen

1章.混乱の王宮編

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12.このイベントはスキップできません、『王様はめんどくさい』

とうとうこの日がやってきてしまった。私はまた、民衆の前にいる。この世界に来て2回目の演説だ。
今までは避けられるイベントは全て前国王であるアドルフにまかせてきたのだが、今回はさすがにそうはいかなかった。国民曰く「王なら他人に任せず自分で意志表示しろ」との事だ。
もっともすぎて返す言葉もございません。まあ、前回アドルフが言っていた『戦う王』を主題に原稿を書いてきたので大丈夫だろう。
広場を見下ろす。すると、野次が飛んできた。当然だ。今の私のイメージは、部下に仕事を丸投げする上司のようなものだろうか。しかしよくみると、民衆の中にたこ焼き屋の店主が紛れていた。彼は私が見ていることに気づいたらしく、「頑張れよ」という風に合図を送ってきた。あの人いい人すぎる。また絶対たこ焼きを買いにいこう。
時間のようだ。そうして、演説は始まる。

「まず、今まで全くと言っていいほど王としての仕事をせず皆さんの信用を崩してしまい、申し訳ありませんでした。今から言うことは全て下らない言い訳です、聞き流してもらっても構いません。私は、皆さんに話していないことがあります。」

ふざけるな、辞めろ、などと罵声が飛ぶ。しかし構わずに私は話す。

「私は魔女です」

どよめく民衆。まあ、自分たちのリーダーが異能力者ですと言われれば私でもこんな反応をするだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そうして2回目の演説は終わったのだが、前回のように、大成功とはいかなかった。1度疑われたら、なかなか信用は取り戻せない。人間とはそういうものだ。
ここで信用を取り戻せば、国民からのイメージはかなり良くなるだろう。取り戻すまでが大変だが、それは致し方ない。
これからはアドルフに任せずに全て自分でやることにしよう。しかし、今の私は王様であるにもかかわらずあまりにもこの国のことを知らなさすぎるため、まずは公民の勉強でもしようか。
そんなことを考えていると、レクセリアさんが側にやってきた。

「スタートです。頑張ってくださいね」

そう言って、彼女は包みを私に手渡してきた。包装を解いてみると、それは本だった。
しかし中を見てみても何も書いていない、白紙の本だ。

「日記ですよ」

私が何か悩んでいるのに気づいたのか、レクセリアさんが言う。

「これからは覚えることも多いと思います。だから、メモ替わりでもなんでもいいので、忘れそうなことを書いてみてください。それが役に立てば、嬉しいです」

そう言ってレクセリアさんは微笑む。なんだよこの人めっちゃいい人じゃん。怖いとか言って悪いことしたな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

王宮にて。自分の部屋に戻ると、プリムがいた。知り合ってから、プリムはよく王宮に来るようになったのだ。私が帰ってきたのに気づくと、プリムは顔を輝かせて駆け寄ってきた。

「おお!やっと帰って来たか!遊びに来てやったぞ!よし、何をしようか!」

この幼女、中身42歳じゃなかったっけ。魔女って精神年齢成長しないのかな?私がそんな事を考えていると、プリムは頬をふくらませて言う。

「なんだ、遊びたくないというのか?」

そうだ、いいことを思いついた。

「ねえ」

「どうした?やはり遊びたいか?いいだろう!」

「詠唱省略の特訓に付き合ってくれない?」

「おお、いいぞ!」

あれ?ダメ元で聞いてみたのだが、あっさりOKを貰えた。てっきり「いいだろう。ただし、先に我の気が済むまで遊んで貰おうか!」みたいな事言い出すかと思ったのだが。

「ただし条件がある。先に我の気が済むまで遊んで貰おうか!」

訂正。思った通りだったわ、やっぱ。これから日が暮れるまで連れ回されるのだろうか。とりあえず、早めに気が済んでくれるのを待つしかないか。

「よしヤマト」

「何?」

私はヤマトをプリムに渡す。

「プリム、ちょっとヤマトとじゃれてて」

「なるほど、好きにしていいのだな!」

満面の笑みで言うプリム。

「はあ!?ちょっとシャル、なにしてんの!?」

対してヤマトは、必死で反抗している。ヤマトがプリムの腕の中から抜け出し、逃げだす。

「お?逃げるのか?」

追いかけっこが始まった。ヤマトはかわいそうだが、走り回っていれば私のところに帰ってくる頃には疲れ果てているだろう。
そうしたら特訓に付き合ってもらうとしよう。
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