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おちこぼれエルフは、名探偵をさがしてる〜方舟キーテジ号殺人事件 作者:稲葉孝太郎

事件編

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第4話 見えない殺人者

 船倉に残った霧矢は、木箱の上に腰を下ろし、ぼんやりと天井を眺めていた。左側にはトトが座り、HISTORIKAのアプリで遊んでいる。ブロック崩しのようだ。
 あまりにも退屈な時間。トトと2人っきりならおしゃべりもできるのだろうが、こうも人に囲まれては、霧矢も迂闊に話すことができない。いつトトが口を滑らせるか、分かったものではないからだ。
「あー、暇ですね。もう1回あのカニさんを見に行きませんか?」
 トトが、ゲームを中断して尋ねた。
「別に……」
「でも、事件が起きな……」
 霧矢は、慌ててトトの肩を掴む。
「分かった、分かった。行くよ、行きますよ」
 どうやらこの女は別室に隔離しておいた方が良さそうだ。そう判断した霧矢は、トトを連れてラボへと足を運んだ。
 壁のボタンを押して中へ入ると、先客の姿があった。
「い、一条橋(いちじょうばし)さん!?」
 霧矢の声に振り向いたのは、公子だった。
 公子はシリンダーの前に佇み、おしとやかな姿勢で少年の視線を捉え返す。
「自己紹介のとき、その名前は使いませんでしたけれど?」
「あッ!」
 霧矢は、自分の初歩的なミスに気付いた。
「ご、ごめん、つい……」
「構いませんわ。私たちの関係など、そのうちバレるでしょうし」
 公子はそう言って、異星人の観察を再開する。
「関係? もしかして恋人同士ですか?」
 トトの見当違いな発言に、霧矢は顔を赤らめた。
「違うよ。ただの同級生だよ」
「ただの、ではありません。疎遠な同級生です」
「……はい」
 冷淡な補足に、霧矢の表情も暗くなる。
 とはいえ、彼女の指摘した事実は、少年にも否定のしようがなかった。
 一条橋(いちじょうばし)公子(きみこ)。名前からして分かるように、名家のお嬢様で、霧矢が住む街の有力者の家柄である。そんなお嬢様と庶民の霧矢との間に接点があるわけもなく、言葉を交わしたのも実は今回が初めてなほどだった。
 それとも、自分の顔を覚えていてくれたことに感謝すべきなのだろうか。霧矢の中で、複雑な思いが渦巻く。
「ところで、霧矢さんはどうお考えなの?」
「へ?」
 唐突な質問に、霧矢は間の抜けた声を上げてしまった。
「エイリアンはいるとお考えですか?」
「え? あ、えーと、いないんじゃない?」
 遠坂の解説を鵜呑みにしていた霧矢は、そう答えた。
「僕も、遠坂さんの言ってることは正しいと思うよ」
「そうかしら? あの推理には、致命的な欠陥があるのではなくて?」
「欠陥?」
 霧矢は、何が間違っているのか見当もつかない。
 公子は、少し呆れたように理由を付け加えた。
「仮にエイリアンがいないとしましょう。ならば、私たちの前に派遣された検史官とアドバイザーは、どこへ行ってしまったのかしら?」
「あ……」
 重大な見落としに、霧矢は言葉を失う。なぜ気付かなかったのか、その理由が分からないくらい簡単な落とし穴であった。
 遠坂も気付かなかったのだろうか。霧矢は、首を左右に振る。最初から最後まで、監視を分担するための口実だったのではないかと、少年は推測した。
「篤穂さんたちは、2人が駆け落ちしたと思っているようですけど、それはありえません。とすれば、可能性は2つ……事故死か、他殺か……」
「でも、エイリアンとは限らないんじゃ……この中の誰かに殺された可能性は……?」
「ええ、それも大いにありえますわね」
 少女が自分の意見に賛成してくれたのかどうか、霧矢にはイマイチ自信が持てなかった。
 むしろ、なぜ公子がこれほどまでに捜査に手慣れているのか、そちらの方が気になり始める。
「公子さん、今回で何度目ですか?」
「……さあ、覚えていません」
「そんなにたくさん?」
「霧矢さんは、そうでもないようですね」
 霧矢は、質問を上手くはぐらかされてしまった。
「僕は2回目なんだけど、やっぱりこういうのには向いて……」

  ピロロロン ピロロロン

 一斉に顔を見合わせる3人。この音が意味するところを、彼らは熟知している。
「事件だ!」
 ラボを飛び出した霧矢は、ドクターと危うくぶつかりそうになった。
「おいおい、どうした? 何の音だ?」
「ひ、人がころ……!?」
 霧矢の横っ腹に、鈍い痛みが走った。苦痛に顔を歪め、脇腹を押さえる。
 そんな霧矢を尻目に、公子がさりげなく前へ出た。
「いいえ、何でもありませんわ。ちょっと、皆さんと合わせていたタイマーが鳴ってしまいましたの。そうですわよね、サダコさん」
「ええ、お騒がせ致しました」
 どこからともなく現れたサダコが、眼鏡をくいっと持ち上げて同意した。
 ドクターはやれやれと首を振り、他のメンバーのところへ戻って行く。
「な、なにしてるんですか? さっきのアラームを聞いたでしょう?」
 もう一度殴られないように、霧矢は声を落とす。
「キリヤさん、役割分担ですよ。あちらは拓郎検史官に任せたんです。しばらく様子を見ましょう。ばたばたとすると、私たちが怪しまれますので」
「……ってことは、こっちのメンバーは」
「全員無事です」
 霧矢は、船倉に目を走らせる。
 確かに、8人全員が揃っていた。茜は中央で苛立ったように片足を踏み鳴らし、箕蔵がそれを座ったまま眺めている。ドクターが健在なのは、先ほど証明済みだ。
「トトさん、遠坂さんたちから連絡は?」
「え、えーと……」
 トトはポケットから端末を取り出し、着信を確認する。
「なにも来てませんね……」
「まさか彼女たちが……!?」
「キリヤさん、落ち着いてください。検史官たちが死んだときは、別の警報です」
 そうだった、忘れていたと、霧矢の血圧が下がる。
 しかし、それはこの場の状況を改善してはくれない。
「だったら、いったい誰が……」
 そのとき、船倉の入り口が開いた。
 息を切らしたサクラが、ふらふらと中へ足を踏み入れる。
「た、たいへんです! 甘野さんが! 甘野さんが!」
 茜がサクラに駆け寄り、肩を揺さぶった。
「何があったの!? 言いなさい!」
「あ、甘野さんが殺されて……」
「!?」
 茜はサラクの手を引き、急いで倉庫を飛び出した。その場にいた全員が、堰を切ったように後に続く。
「サクラ! 場所はどこ!?」
「Aの11号室です」
 足のもつれたサクラの腕を放し、茜は全力疾走を始めた。
 霧矢は倒れそうになるサクラを後ろから支え、なんとか茜に追いつこうと努力する。
 だが、人を抱えて出せるスピードには限界があった。見る見るうちに先頭集団との距離が開き、茜が十字路を右に曲がったところで、とうとう姿が見えなくなってしまう。
「キリヤ! サクラはワシに任せろ! 先に行け!」
「は、はい!」
 既に気を失いかけているサクラをドクターに委ね、霧矢はダッシュをかけた。
 幸いなことに、A11なる部屋は、十字路を曲がったすぐのところにあった。
 狭い通路に、人だかりができている。
「遠坂さん!」
 霧矢の声に、女が振り向いた。
「いったい何が!?」
 遠坂が答える前に、篤穂が割り込んで来た。顔が青ざめている。
「ドクターはどうしたの!?」
「ド、ドクターは、サクラさんの介抱を……」
「こっちは重傷なのよ! さっさと連れてきなさい!」
 詰め寄る篤穂と霧矢の間を、遠坂が仲裁する。
「大丈夫、拓郎くんも医者の卵みたいなものだから。それに……」
 遠坂は、A11と書かれた部屋の扉を見やる。
「あの様子じゃ、もう死んでるわ」
「あ、あなた何てこと……!」
 篤穂が遠坂にガンを飛ばした瞬間、軽い空気の抜けるような音を立てて、A11の扉が開いた。
 血染めの白い手袋をした拓郎が姿を現す。
 彼女の表情から、霧矢は全てを悟った。
「……死んでいます。蘇生はできませんでした」
「そ、そんな……」
 悲鳴に似た声を上げたのは、意外にも茜だった。
 茜は他のメンバーを押し退けて中へ入ろうとする。
 しかし、遠坂が彼女の侵入を阻んだ。
「現場の保存が必要よ。まだ入らないで」
「な、何が現場の保存よ!? いったい何があったの!?」
「エイリアンの襲撃、ってところかしら……」
 遠坂が、あっさりと代弁した。
 目を大きく見開いた茜は、篤穂を睨みつけ、右手を振り上げる。
「止めなさい。無駄よ」
 遠坂が茜の腕を掴む。
「放せ! こいつだ! こいつが殺したんだ!」
「……」
 茜の呪詛を、篤穂は黙って耐えている。自分に非があると分かっているのだろうか。霧矢は、少女の胸中を量りかねた。
 そこへ、拓郎が口を挟もうとする。
「ちょっと待ってください。まだエイリアンの仕業と決まったわけでは……」

  ピロロロン ピロロロン

 拓郎の説明を遮る電子音。事情を把握している者たちの顔色が変わる。
「遊花さんは、どこにいらっしゃるのですか?」
 1人欠けていることに気付いたのは、公子だった。
 その声に、篤穂は反対側の扉へと目を向ける。
 A11と印字されたそれは、霧矢たちの視線を拒むように、そっと口を閉じていた。
「遊花!? いるんでしょ!? 開けなさい!」
 両手の拳で扉を打ち付ける茜。その茜を取り囲むメンバーの誰一人として、それに手を貸す者はいない。内側からロックされた金属製の扉は、人間の力ではとても破れそうにないからだ。
 見かねた箕蔵が茜を後ろから羽交い締めにし、扉から引き離す。
 赤らんだ茜の手が、霧矢に小さな同情心を植え付けた。
「外側から解除できないのですか?」
 あくまでも冷静に対処しようとしているのは、遠坂と拓郎、それにサダコの3人だ。拓郎の問い掛けに、メインキャラクターたちは戸惑いを見せるばかりだった。どうやら、船の構造をそこまで把握していないらしい。
「解除する方法はあるはずよ。外部から絶対開けられないなんて、ありえないわ」
 遠坂が、力強くそう言い放った。まるで、自分にそう言い聞かせているかのようだ。
「そうですね……普通は、火事なんかがあったときのために、緊急制御用システムがあるはずなんですけど……」
 サダコのあまりにも平素な口調は、この場の雰囲気と全く噛み合っていない。
 しかし、むしろそのギャップが、パニック状態のメンバーを正気に戻した。
 うなだれていた茜が、さっと顔を上げる。
「そうよ! マザーよ!」
「マザー?」
 霧矢の疑問を撥ね除けるように、茜は通路の奥へと駆け出した。
「おそらく、中央制御システムのことね。追いましょう」
 遠坂が、踵を弾いて後を追う。拓郎もすぐに身を翻した。
「あ! 待って!」
 焦燥感に引っ張られ、霧矢の足が勝手に動いてしまう。
「4人いれば十分よ! 他の人はそこで待ってて!」
 茜の背に追いすがる霧矢は、置いて行かれないギリギリの距離を保ちながら、通路を右に左に駆け回る。
 疲労で膝が崩れそうになった瞬間、ようやく茜が歩を止めた。
「マザー! 開けなさい!」
 茜の声に、赤く彩られた自働ドアが口を開けた。少女はすぐその中へと消え、遠坂と拓郎が後に続く。
 霧矢がそこへ飛び込んだとき、茜は既に中央の巨大なスクリーンの前に腰掛け、キーボードを両手で打ち鳴らしていた。最初、文章を打っているのかと思ったが、どうやらパスワードを入力しているらしい。
 もっと短いものにしろと、霧矢は心の中で悪態をついてしまう。
「マザー! 応答しなさい!」
 茜が薬指をエンターキーにめりこませる。ブンッというスクリーンの起動音が鳴り、すっと画面が明るくなった。
 そこに映し出されたのは、パソコンのスクリーンモードのような、色鮮やかな光の帯。スリープ状態なのかと、霧矢にさらなるストレスがかかる。
〈……パスワード確認。声紋が一致しました。キャプテン・アカネ、何の御用でしょうか?〉
 無機質な女の声が、四方の壁から聞こえてきた。
「A10のロックを解除しなさい!」
〈了解。A10のロックを解除します〉
 マザーは、そこで言葉を切った。
 茜は席を蹴り、部屋を飛び出す。
「マザー、あなた、室内に監視カメラとか持ってない?」
 茜の後を追おうとした霧矢の背中に、遠坂の声が届いた。
 振り返ると、マザーの返答を待つ遠坂の後ろ姿が見える。黒い髪が夜のように流れ、スクリーンの背景に溶け込んでいた。
〈……声紋が確認できませんでした。お名前をどうぞ〉
「遠坂」
〈……船員データベースに該当者なし。あなたの質問には、お答えできません。キャプテン・アカネを通じて、データベースへご登録ください〉
 そう言い残して、画面に光る帯が消えた。
 硬質な静寂。
「融通の利かないコンピューターね」
 遠坂は、くるりと体を反転させる。
 そして、少しばかり目を見開いた。
「あら、キリヤくん、現場に戻らないの? 拓郎くんたちは先に行っちゃったわよ」
「と、遠坂さんこそ……それに、他の人もいるから……」
「そうね、別に2人くらいいなくてもいいわね」
 靴音を響かせ、遠坂は霧矢の横を通り抜ける。
「歩いて帰りましょうか。走り疲れちゃったわ」
「は、はい……」
 殺人現場へ悠長に歩いて帰るという、あまりにも非現実的な提案。いったい何が霧矢に同調の返事をさせたのか、それは少年自身にも分からなかった。
 最初のアラームが鳴ったときも動じなかったサダコと公子ならば、歩こうが走ろうが死人は蘇らないとでも言うのだろう。そんなことを考えながら、霧矢は遠坂と並んで歩く。
「ねえ、茜さんについて、どう思う?」
「え、茜さんですか……?」
 霧矢は、質問の意味を把握しかねた。外見のことだろうか。それとも、暗に彼女が第一容疑者だと仄めかしているのだろうか。
 霧矢には、どちらでもないように思われた。
「印象通り……かなと……」
「あら、私は逆ね。読んだとき、全く別の印象を受けたわ」
 遠坂の発言が、霧矢をくだらない質問へと誘う。
「遠坂さん、このラノベを読んだんですか!?」
「読んでないのに、あらすじを覚えてるわけがないでしょう?」
 当たり前の答え。だが、霧矢には納得がいかない。アラサーの女性が美少女系のラノベに手を出しているというのは、どういう社会現象なのだろうか。まさか日常でも捜査の下調べをしているのかもしれないと、霧矢は好意的に解釈することにした。
「別の印象って……どういう……?」
「ラブマゲドンの最狂キャラ、似非預言者、それが彼女の謳い文句でしょ。まあ、彼女じゃなくて、作者の、だけど」
「え、ええ、その通りじゃないですか。だって今も……」
「今も? 今の彼女が、頭のおかしな終末論者に見えるって言うの?」
 霧矢は、ハッとなった。
 確かに、茜は言動に落ち着きがなく、一日中ヒステリーを起こしているような少女だ。けれども、エイリアンの襲撃に備えて、倉庫での寝泊まりに固執したのは、誰だろうか。うろたえるキャラクターの中で、いち早くマザーコンピューターの助力に思い至ったのは、誰だろうか。
 全て茜なのだ。
「じゃあ、なんで世紀末倶楽部なんて……」
「あら、分からない? ……まあ、ちょっと君は若過ぎるかな」
 年齢とどういう関係があるのか、霧矢には繋がりが見えてこない。
「うふふ、と言っても、私も現役世代じゃないんだけどね。1954年に、放射能で生まれた怪獣を知ってる?」
「……ゴジラですか?」
 ふふ、と遠坂は再び笑みをこぼした。
 子供扱いされているようで、霧矢は面白くない。
「さすがに知ってるのね。そうよ、あの怪獣は、核の恐怖を体現してるの。そして、その恐怖こそ、時代を象徴する恐怖だったのよ。藤子・F・不二雄の『ある日…』って作品は知ってるかしら?」
 霧矢は、首を左右に振った。
 遠坂は、少年にあらすじを説明し始める。
「主人公たちが、自作の映画を鑑賞し合う短編漫画よ。でね、そのうちの1人が、いきなり画面の終わるフィルムを持ってくるの。仲間が理由を訊くと、男はこう言ったわ。『わかりませんか、ある日突然……核戦争が始まって一瞬にして小市民の生活が消滅したという結末です』。サブカルチャーだけじゃない。同じような会話が、安部公房の『方舟さくら丸』っていう小説にも出てくるのよ。『おれ、船長と賭けたのさ、二十四時間以内に原爆が落ちるかどうかって』。そしたら、主人公がこう訂正したわ。『五分以内にだよ』」
 遠坂は、三度(みたび)笑った。最初は、作者と登場人物の妄想じみた危機感を嘲っているようにも見えた。
 しかし、そうではなかった。霧矢は、彼女の笑いがもっと普遍的な、歴史の中でふいに法則のようなものを見つけたときに沸き起こる、人間的な笑いであることに気が付いた。
「作者は頭がおかしかったのかしら? 違うわね。彼らは、昭和を代表するクリエイターたちよ。彼らは、時代の雰囲気を代弁しただけ。そう、理由は分からないけど……平凡な日常生活の裏に隠された問題を表現してしまう人たちが、いつの時代にも現れちゃうのよね」
「……それが、茜さんだと?」
 少年の問いに、遠坂は口元を引き締めた。
 2人の足音だけが、通路に響き渡る。
「……それは分からないわ。一見すると、彼女は古くさいネタを掘り返してるだけに見えるけど……でもね……」
 だんだんと、通路の向こう側が騒がしくなってくる。
 霧矢は、自分たちがA10号室のすぐそばまで来ていることに気が付いた。
「どうなってるの!? 中に入れなさい!」
 扉の前で、茜が叫んでいる。今にも部屋へ押し入りそうな剣幕だが、今回も箕蔵が引き止め役を買って出ていた。
「ダメだ、ダメだ! 入っちゃいかん!」
 部屋の中から聞こえてきたのは、ドクターの声だった。霧矢の位置からは見えないが、急患を迎え入れたときの、断固とした医師の調子を孕んでいる。
 霧矢は人混みを押しのけ、首を扉の境に伸ばす。ドクターと目が合い、キッと視線を掴まれた。
「入っちゃいかんと言っとるだろう!」
 ドクターは、そう言って霧矢に背を向けた。
 次に発せられた言葉が、首を引っ込めようとした霧矢の体を硬直させる。
「それに、もう手遅れだ」
+注意+
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