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1000文字小説 作者:折坂勇生
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72/82

72・目覚まし時計

 どうだっていいが近未来。
 俺は最先端テクノロジー技術を使用したと大々的に宣伝しながらも売れ行きは散々な結果となり某ディスカウントストアで激安価額2900円(税込み)という定価の百分の一で投げ売られていた目覚まし時計を7時30分にセッティングした。
「おい!其処で寝ションべンのようにガースカ大口開いて涎を濡らしながらシーツを屈辱させた能無し低能野郎!惰眠を貪ってる時間は終焉を告げたんださっさと覚醒して一日の低賃金かつ重労働に精進させストレスと精神的鬱病を悪化することで円形脱毛症の予兆ぐらいは出してきやがれ!そうなればこの目覚まし時計様が喜んで憐れみと嘲笑をキサマに献呈しようではないか……」
 目覚まし時計は俺を起床させるべく暴言を喚き散らしている。あまりにも酷い痛罵なので、寝起きは最悪、不快感が募ってくる。
「やかましいわ!」
 俺は目覚ましのスイッチを切った。
「ふはははははっ!ボタン一つを押しただけでこの超絶した高等時計様が沈黙するとでも思ったのか!予想通りにお前は馬鹿でクズでどうしようもない脳たりんだな!ゴミ焼却炉に燃焼されたゴミの灰の方がよっぽど世のため人のためだぜ!」
 スイッチを切ったはずだが、喋りまくっている。
「うるさいぞ! なんだこいつは!」
 どのスイッチを押しても、効果はなく、目覚まし時計は俺を罵倒し続ける。
「無駄だ無駄だ無駄無駄ああぁぁぁぁぁ!」
「しかたない。最終手段だ」
 所詮は目覚まし時計だ。壊せば済む話だった。
「ん。なにしてるのかね今世紀最大のミジンコ猿人間くん」
 金属バットを持ってくる。
「覚悟はいいかな。悪舌目覚まし時計くん」
「どうどう、話し合おうじゃないか。吾輩にだって人権はあるんだぞ」
「人ですらないだろうが!」
「なぁ、そこのイカスお兄ちゃん。物は大切にしましょうってキャッチフレーズがあるじゃないか。もったいないキャンペーンだ。吾輩と一緒に地球温暖化を守ろうぜ」
「あんたを壊した方が地球を救えそうだ」
「ご主人さま……わたしをこわさないで……」
 急に女の子の声になった。
「態度を変えても通用しないぞ。つーか、気色わるい」
「ねぇ、いいの? 会社に遅れちゃうよ」
「って、そんな時間か!」
 時刻は8時を回っていた。遅刻してしまう。時計を壊すのは帰ってからにする。
「えへへ、いってらっしゃいませご主人さま♪」
 出掛けようとすると、そう言ってきた。
 ヘンな目覚まし時計と暮らすことになってしまった。
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