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1000文字小説 作者:折坂勇生
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61・不愉快な出来事


 3Dメガネを使ったCG満載のパニック映画を見終えてから、僕と未沙はスターバックスで一息ついていた。
 彼女はキャラメルフラペチーノを、僕はホットコーヒーに、小腹が空いたのでサンドイッチを食べながら、「ストーリーの説明が長すぎるんじゃない」「棒読みの吹き替えが残念」「続きを早く観たい」など映画の話題に花を咲かせていた。
 そろそろ未沙とつきあい始めて半年が経つ。かなりの回数のデートを重ねており、始めの頃のようなぎこちなさは消えて、流れがスムーズになっている。映画の後のお楽しみもスムーズに誘えるようになった。
「あ」
 会話の途中。未沙は急に鞄を見てがさごそした。
「どうした?」
「ん。スマホの電源入れるの忘れてた」
 そう言って、スマートフォンを取り出した。ストラップのアクセサリーで、使いづらいのほどジャラジャラしている。
「やっぱり、LINE来てたー。わぁ、ひょんひょんからだぁ、久しぶり」
 ニコニコとLINEの確認している。相手が書いた長い文章を、必要ないのに声をだして読んでから、返事を打ち始めていった。
 僕が何か話そうとしても、「ちょっと待って」と制止して、真剣になって文章を打っていく。
 不愉快になったので、「俺と別れた時にLINEしたらいいじゃないか」と言うけど、無視された。
 僕のコーヒーカップはとっくに空だ。未沙のフラペチーノは半分以上も残っている。LINEに集中していて減ることはない。
 話すことができない。することもない。彼女の作業が終わるのを待つしかない。
 しょうがないので、僕は立ち上がった。
 未沙が「どこいくの?」という顔を見せたので、「トイレ。ついでにコーヒーおかわりしてくる」と歩いていった。
 席に戻ると、驚いたことに、未沙はスマートフォンでお喋りをしていた。ドリンクは減っていない。僕の顔を一瞥するが、悪気がなさそうに、直ぐに電話に夢中になっていく。
「いまねーデート中なんだー。うんうん、らぶらぶ~。羨ましいでしょ?」
 お代わりしたコーヒー飲みながら、彼女の会話を聞いていると、単なる世間話でしかなかった。彼氏をほったらかしにしてまで、優先するような重要な事は一つも言っていない。
「あはは、やだぁ」
 笑い声。不機嫌になっている僕に気付きもせず、友達との会話を長々と続けていた。
 二杯目のコーヒーを飲み終えて、立ち上がった。
 僕は、コーヒーカップを返却口に返して、未沙をほっといて、スターバックスを出て行った。
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