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1000文字小説 作者:折坂勇生
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36・鼻をかんだら


 鼻水がだらだらだらだらぶらんぶらんだ。
 かんでもかんでも、だらだらだらだらだらだらだらだら。
 ティッシュ配りのお姉さんからのプレゼントであるポケットティッシュがすっからかんとなって、新しいのを取り出した。
 ちーん! とかんだ。
 すると鼻からへんなのがにゅ~と現れた。
 どこぞのマスコットキャラのような、2つの目と口が1つついた、ねばねばっとした丸っこい物体だ。
「やぁ、ぼくは鼻水の精だよ」
 まるで自分がディ○ニーのキャラクターであると思い込んでいるような可愛らしい顔をして、にこにこと喋っていた。
「いつも、ぼくをかみかみしてくれてありがとう。さっきのひとかみで、実に100000回目の鼻かみだったんだよ」
 そんなの嬉しくない。
「それでどうした? ご褒美でもくれるのか?」
「そうだね。願い事を叶えてあげてもいいんじゃないかって気がしてきたよ」
「億万長者にしてくれ」
 迷うことなく答えた。こういう事は、あれこれ悩むよりも、即答するに限る。
「あははー、そんなの無理だよ。だって僕って鼻水なんだよ」
「可愛い彼女をくれ」
「あげてもいいけど、鼻水からできてるよ?」
「いらん! おまえ何ができるんだ!」
「鼻水の精だから、鼻水を出すのが得意だよ」
「役立たずじゃねぇか。帰れっ、帰れっ」
 俺はシッシッと追い払った。そんなことしてる間に鼻水がでてきた。
「ひっどいなー。鼻水って体内に侵入しようとするウィルスを守るために戦ってるんだよ。少しは誉めてよね」
「誉めねぇよっ! こっちはだらだら出てきて困ってるんだ」
 俺はティッシュでチーンした。
 すると、鼻をかんだティッシュがぬくぬく巨大化していった。
「んなっ! なんだぁ!」
 こっちも鼻水の精と同じく、顔が付いていた。
「オレ様はティッシュの精だ。キサマはオレ様を20000回も使用してくれたな。その記念に参上した。願い事はなんだ、言ってみろ?」
 どうせ、ティッシュに可能な事しか出来ないのだろう。
「むむっ! 僕の天敵だっ」
 鼻水の精が叫んだ。
「キサマは鼻水っ! オレ様にばっちぃのをくっつけてきやがってゆるさんっ!」
「そっちこそ。いつも僕を吸い取ってひどいやっ!」
 火花を散らしている。
「じゃあ。おまえら二人で対決しな」
 どうでもよかったので願い事はそれにした。
「望むところだっ!」
「勝ってやるっ!」
 ファイト!
 鼻水とティッシュの戦いが始まった。
 俺はティッシュで鼻をかみながら、二人のしょうもないプロレスごっこを観戦した。
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