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1000文字小説 作者:折坂勇生
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11/82

11・あまりに凄い年代物


 夏休み。
 僕と妹の琴梨は、おじいちゃんの家に遊びにきていた。
 周り中が田んぼと山の、なーんにもない田舎だ。
「ちぇっ、なーんもないわ」
 おじいちゃんの家の倉庫も、これっという物がなーんもなかった。
 僕たちは価値がありそうな骨董品を探している。
 この田舎に近々、お宝を鑑定するテレビ番組がやってくる。それで僕たちが、値打ちのありそうなお宝を探している所だ。
 おじいちゃんの屋敷は、何度も改装しているけど100年を超えているので、探せば凄いのが見つかるはず……なんだけど、ガラクタばっかり。
 琴梨は、奥の隙間に入って物色している。ここからだと、クロールのようにばたつかせた細い足しか見えない。
「もう、あれでいいんじゃない?」
 暑さと汗と埃まみれで気持ち悪かった。早く外に出たかったので、直ぐに見つけた壺の事を言った。
「ダメダメ。壺なんかつまんない。きっと何か、すっごいのが眠っているはずなの!」
 琴梨は宝探しに燃えていた。汚いのが嫌いなのに、お金のこととなったら目の色を変えて、夢中になってしまっている。
「うおお、なんかあった!」
 琴梨は女の子にあるまじき雄叫びをあげて、緑色をした古びた箱を持ってきた。
 ふっと息を吹きかけると、ほこりが飛び散ってゲホゲホとむせた。
 僕たちは倉庫を出る。外の涼しい風が幸せを与えてくれる。
「さぁ、お兄ちゃん。開けちゃって」
「なんで、僕なんだよ」
「玉手箱みたいじゃん。お婆ちゃんになんかなりたくないもん」
 じりじりと箱から遠ざかっていく。
「もう、お婆ちゃんじゃん。髪の毛が、埃で真っ白だよ」
「うわぁーっ!」
 お下げの髪をぐしゃぐしゃかき回す。
「じゃあ、開けてみるよ」
 紐をほどいて、そうっと箱を開けていった。
 中にあったのは、
「……なんだ?」
 分からない。
 長くて太くて焦げ茶色の土のような石のような謎の棒だった。
「呪文を使えば金塊に変わるとか?」
 琴梨は謎の棒を手に取って、眺めたり、つついたり、振ったりする。
「なにか見つかったかね?」
 僕たちの所に、おじいちゃんがやってきた。
「ほう、これは?」
 琴梨の持っている、謎の棒に反応した。
「おじいちゃん、これ知ってるの?」
「ははは、これは幼い頃のわしの物だ。あまりに大きかったから、びっくりして、記念に取っておいたんだ」
「なーんだ、おじいちゃんのかぁ」
 と、妹はガッカリする。
「でも、これってなに?」
「ふむ、小学生のわしがした、ウンコじゃよ」
「ぎゃああぁぁぁーーーっ!」


縄文人の化石が発見されるぐらいだから
オチはありえなくは……ありえないですね、うん。
おじいちゃんのがそれほど凄かった、ということで。

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