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デスマーチからはじまる異世界狂想曲 作者:愛七ひろ
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14-3.迷宮都市にて(2)

※2015/9/13 誤字修正しました。
※2015/9/6 一部修正しました。

 サトゥーです。「事件や陰謀は連鎖する」と知能無双系物語の主人公が言っていました。物語で読む分には良いですが、実際に巻き込まれる立場になると、連鎖に楔を打ちたくなります。





 ――新たな魔王か。

 オレは先ほど聞いた「パリオン神国のザーザリス法皇が魔王」という情報をメモ帳に書き込む。

「子爵様、話を続けても宜しいですか?」

 メモを眺めながら考察していると、女情報屋がおずおずと切り出した。
 オレに確認してくるなんて、マイペースなこの人にしては珍しい。

「――続き?」
「はい、大陸西部の話は先ほどの件で終わりですが、他に二件ほど情報があります」

 あれ? この人が担当しているのは大陸西部の情報のはずじゃなかったっけ?

 そう思いつつも先を促すと、彼女が話を続ける。

「一つはサガ帝国との緩衝地帯にある小国の一つ、ヨウォーク王国の迷宮内で魔族の目撃証言があったそうです。こちらは国営の冒険者ギルドが情報を握りつぶしたようで、国王やその近辺にも話がとどいていないようです」

 ――おい。

 その国の国王も知らないような情報をなぜお前が知っている。

 オレのそんな内心を察してか、女情報屋がニヤリと笑って話を続ける。

「レーテル様はお金の使い方がお上手ですから」

 なるほど、レーテル・アシネン侯爵夫人がヨウォーク王国に潜入させていたか、飼いならしていた人物が魔族を目撃した本人だったのだろう。

「子爵様には言うまでもない事と思いますが、迷宮内で魔族が出没するのは魔王が迷宮の主ダンジョンマスターである可能性が高いという事です。くれぐれも子爵様、ヨウォーク王国に近寄られませんようにお願いします」

 彼女の言葉に微妙な所にアクセントがあった気がする。
 なんとなく、オレとナナシの関係性にカマを掛けられていそうだ。

「ああ、勿論だ」
「子爵様は本当に顔に出ませんね~」

 無表情スキル先生のお陰です。





「そして、もう一つ。今度は大陸東方のイタチ人族の帝国とシガ王国の緩衝地帯にある小国群での噂話です」

 ふむ、今度は東方か。
 侯爵夫人の目や耳が広すぎる。
 ダテに門閥貴族の有力者をやっていないね。

「イタチがまた何かやり出したのか?」
「いいえ、一〇年前に騎乗型ゴーレムを戦争に使い出した時ほどの事は何も」

 予想の斜め上の情報がサラっと出てきた。

 ゴーレム戦車とかゴーレム馬とかかな?
 まさか、有人ロボみたいなメカメカしいヤツじゃないよね?

 これは一度、見物にいかないといけない。
 オレは観光予定表の欄外に、赤字でメモを書き込む。

「イタチ人族の帝国が虎人と蜥蜴人族の王国を滅ぼして、版図を広げた事はご存知でしょうか?」
「ああ、知っている」
「その亡国の残党達が緩衝地帯の小国に流民として住み着くだけでなく、最近では小国の街や都市を占領する者まで出始めているそうなのです」

 軒を貸して母屋を取られるパターンか普通に侵略したのか、どちらだろうか?
 公都に寄った後の最初の訪問予定エリアなのに、観光に行ったら屍山血河が待っているようなのは遠慮したい。

「ここまでは『魔王の季節』以外では珍しくも無い話なのですが、そんな街の一つで侵略者の治療を拒否した神官が惨殺される事件が発生したそうなのです」

 神様の実在する世界で神官を惨殺するなんて、命知らずなヤツがいたもんだ。

「これも占領地ではままある事なのですが、その翌日に、侵略者達の大多数が塩の柱に変えられてしまっていたのです」

 塩の柱か……元の世界の聖書にでも出てきそうな天罰だ。

「その塩の柱を恐々と見つめる街の人達の前に白い服の美丈夫が現れて『これは天罰である』と告げたそうです。何者かと問う街の人に、その男は――」

 女情報屋はそこで一呼吸置いて、オレの反応を見る。
 さっさと先を言え、という意思を視線に篭めると、女情報屋は詰まらなさそうに肩を竦めてから、話を続けた。

「――自分がザイクーオン神の使徒だと名乗ったそうです」

 神の使徒か……。
 これまでも名前だけは何度か聞いた事があるが、ついに本物の「神の使徒」もしくは「神の使徒」を騙る偽者が現れたらしい。

「まあ、十中八九、偽者ですけどね」

 女情報屋が溜息をついて首を横に振る。

「根拠はあるのか?」
「はい、他の神ならともかく、ザイクーオン神の使徒と名乗る時点で偽者確定です」

 それで説明が付いたとばかりに女情報屋が口を閉ざす。

「すまないが、宗教関係は詳しくない。理由を教えてくれないか?」
「宗教ではなく神の事情です。ザイクーオン神は30年ほど前に竜神の勘気に触れて殺されてしまっています。現にザイクーオン神殿の神官達は神聖魔法が使えませんから、まだザイクーオン神は復活していないはずです」

 なるほど、神聖魔法の源は神様そのものなのか。
 ちなみに「竜神の勘気に触れて」の所はザイクーオン神殿に頼まれた他の神殿の神託の巫女達が、神に尋ねて教えて貰ったそうだ。

 こっちの神様は意外なほど、簡単に死んだり復活したりしているらしい。

 竜神を殺したと告白した時に、アーゼさんが「ただ殺しただけなら問題ありません」と言った軽さがようやく理解できた。
 彼女の寿命から考えたら、「ちょっと風邪を引いて寝込んでいる」程度の感覚なのだろう。

「そいつが偽者だとして、どうやって侵略者を塩の柱にしたんだ?」

 少なくともオレの知る魔法にはない。

「禁呪にあるかもしれませんが、そんなものが無くてもシガ三十三杖級の土魔法使いならば他の方法で簡単に実現できます」

 断言する彼女に、先を促す。

「土魔法で塩を操作して本物そっくりの塩像を作る事は可能です。後は侵略者達を土魔法で地下深くに埋めてしまえば、天罰の完成です」

 少し強引な推理だが、確かに可能だ。

 その男が「神の使徒」を名乗ったのが少し気にかかるが、やった事といえば殺された神官の報復くらいだし、放置で問題ないだろう。

 女情報屋の推測が正しいかは判らないが、もし本物だったとしてもオレの観光を邪魔しようとしたり、「文明の抑制」をしたりする為に現れたので無いならば関わる気はない。
 勝手に魔族や魔王を始末してくれるなら、世間の被害もオレの手間も減るというものだ。





 ニセ使徒はともかく、ヨウォーク王国の迷宮の魔族と魔王疑惑法皇の調査は早めに行っておいた方が良いだろう。
 迷宮都市の用事が終わったら、移動拠点作りも兼ねてすぐにでも確認しに行こうと思う。

 侯爵夫人の晩餐が終わり、オレはこっそりとアポを取っていた年上の友人のお宅へとお邪魔していた。

「さて、こんな夜分に来訪とはいかなる用件かな? 妻も同席させて欲しいと事前に頼まれていたから、おおよその見当は付いているが、君からはっきりと聞かせて欲しい」

 オレが深夜の挨拶をするのももどかしく、そう切り出したのはデュケリ准男爵だ。
 彼の横に奥さんがいるのはオレの要望どおりだが、夫妻に挟まれてドレス姿を披露しているメリーアン嬢の存在が謎だ。

 まあ、家族の問題だし、追い払う必要も無いだろう。

「では、単刀直入に行きます」

 オレがそう告げると、メリーアンがゴクリと喉を鳴らした。
 少しはしたないが、わざわざオレが指摘するほどのマナー違反ではない。

 オレは傍らに置いた魔法の鞄から、桐箱を取り出してデュケリ准男爵に差し出す。

「これをお納めください。使用前に鑑定をお忘れなく」
「これは? 結納かね?」

 ――は?

 デュケリ准男爵が桐箱を開けながら問いかけてきた。

 おかしい……事前に万能薬の件で話があると手紙で伝えたはずなんだが……もしかして、お使いに出したロリメイドが手紙を届けそこなったのだろうか?

 いや、人を疑うのは良くない。

「あなた! こ、これを!」

 准男爵夫人がか細い声で、桐箱の中に納められた万能薬・・・の小瓶を指差す。
 正確に言うと、彼女はシガ国語で「万能薬」と書かれた小瓶のラベルを指差している。

 准男爵家嫡男のゴブリン病を治す薬だ。

「万能薬だと?! どうやって、こんな貴重な物を?」
「出入りの商人が仕入れてくれたのです」

 本当は自作だ。物知りな初代ユイカにレシピを教えて貰ったのだが、エリクサーを下級の魔法薬で百倍に希釈するだけの簡単レシピだった。
 普通は素材のエリクサー自体が入手不能なので、迷宮のレアドロップ品としてしか出回らない。

「ペンドラゴン卿! こ、この万能薬は譲っていただけると思って良いのですな?」

 さすがに、ここで見せびらかすだけっていうのは鬼畜過ぎるでしょ。

「ええ、勿論です。ご子息の治療にお使いください」
「感謝するペンドラゴン卿。この対価は何十年かかろうと支払ってみせる」

 デュケリ准男爵が骨ばった手で、オレを机越しに抱きしめて礼を告げた。

 喜んでもらえて何よりだ。
 でも、何十年は言いすぎだと思う。

 それはともかく、勝手に用意した品で金を毟り取る気はない。

「いえ、御代は結構です」
「では、やはり結納の品であったか! ならば娘を――」
「――いえ、婚約者は殿下お一人で十分です」

 少し失礼にあたるが、オレは素早く准男爵の言葉を遮った。

 王女を言い訳にするのがオールマイティーすぎる。
 あまり、使いすぎるとそのままゴールインが確定してしまうので、加減を間違えないようにしよう。

「そう、でしたな――。ペンドラゴン卿が娘と懇意にしてくださっていたので、つい勘違いをしてしまったようだ」

 微妙にお通夜な雰囲気だ。
 そんなに娘を子爵家の嫁にしたかったのだろうか?

 メリーアンは探索者になって身を立てたいみたいだし、ヘタに縁談が進まなくて良かったと思うんだが、両親と同じように落ち込んでいる様子だ。
 もしかしたら、断わられた事で乙女のプライドが傷ついたのかもしれない。

 お詫びの印にゼナさんの皮鎧マーク1と同型の物を贈るとしよう。
 あの鎧ならお洒落だし、普通の皮鎧に見せかけた防御力特化装備だから、怪我をして見合いできなくなる事もないはずだ。

 なお、デュケリ准男爵が万能薬の対価をどうしても渡したいと言うので、彼の人脈を少し貸してもらう事にした。

 人脈と言っても貴族関係ではなく、迷宮都市の職人関係だ。
 その中でも現役を引退した子供好きの老人を紹介してもらい、孤児院や炊き出し広場で積み木作りや篭編みなんかの子供が遊んで学べる催しを定期的に開こうと思っている。

 少しでも手に職がついたら、炊き出しを腹をすかせて待ったりする必要もなくなるだろうし、危険な迷宮に挑む以外の選択肢もできるだろうからね。


 翌朝、デュケリ准男爵からご子息の快癒を祝うパーティーの招待状が届いた。

 残念ながら、開催が五日後なので、迷宮都市にいない事になっているオレは不参加確定だ。
 それはともかく、ゴブリン病に冒されている貴族子弟は多いようなので、エチゴヤ商会で高額商品として売り出して貰おう。
 知人でもない金持ち相手から搾取するのに遠慮はいらないだろう。





 デュケリ准男爵へのお祝いの手紙を書いた後、セーリュー伯爵領の文官や武官を連れて、昨日約束した相手に挨拶に向かった。
 事前に根回ししておいたので、問題なく契約は完了した。

 ゼナ隊の三名にはメリーアンに贈ったのと同クラスの装備品を与えておいた。
 これでゼナさんも安心だろう。

 屋敷に戻ると、メイド達や孤児院の子供達の内の何人かが、飛空艇を飽きる事無く見上げていた。

「乗ってみるかい?」
「子爵様!」
「のってみたい!」
「のるます!」

 出発は昼過ぎなので、そんな提案をしてみた所、人が殺到してしまった。

「おふねだー」
「おちないかな?」
「だいじょぶ」

「並べ~」
「ちゃんと並ぶのです」
「幼生体よ、わたしに続けと号令を掛けます」

 幼児達をタマとポチが整列させ、ナナが飛空艇へと先導する。
 飛空艇には転落防止用の「理力網」を付与してあるので、幼児達が上部甲板から身を乗り出しても大丈夫だろう。

 人数が多かったので、迷宮都市を一周する遊覧飛行が終わったら、次の子達と交代させるようにナナに指示して、オレは屋敷の中に戻った。

「ご主人様、リストの子達は応接間に集めてあるわよ」
「ああ、ありがとう。説明はしておいてくれたかい?」
「あったぼーよ!」

 オレは頼もしい返事をするアリサを連れて応接間へと足を踏み入れた。
 部屋の中の子供達は、就活の学生のような緊張感に包まれている。

「そんなに緊張しなくていいよ。アリサから聞いていると思うけど、君達の内、希望者を王立学院の幼年学舎で学ばせようと思う。もちろん、学費や滞在中の生活費はペンドラゴン家から与える。幼年学舎を卒業した後、上級の学校へ進むだけの成績を残したものは以後の援助もするつもりだ」

 ここにはアリサやミーアの指導で魔法を使えるようになった3名と、孤児院やメイドの中で文字の読み書きや四則演算をマスターした9名が集まっている。

 たった数ヶ月でこれだけの成果を上げたこの子達にご褒美として、王都留学を提案してみたのだ。

「子爵様! 俺はアリサやミーア様みたいな魔法使いになりたい! 王都の学校に行くのと迷宮でぺんどらの兄ちゃん達と頑張るのじゃどっちが近道なのかな?」

 スカートめくりに魔法を使っていた少年が、場の雰囲気にも飲まれずに質問してきた。

「短期間で魔法の腕を上げるなら迷宮に潜るのが近道だ。ただし、アリサやミーアのような並以上の魔法使いになりたいなら、王立学院で基礎をきちんと学んでから迷宮に潜った方が良いと思う」

 ゲームみたいに攻撃魔法を使うだけの魔法使いなら、迷宮でレベル上げする方が良いが、戦闘以外で魔法を活かすなら、魔法の仕組みや呪文の読み方をきちんと学んだ方が良い。

「判った! 俺は王立学院に行く!」
「私も行きます」
「おいらも!」

 スカートめくり少年が力強く宣言すると、他の子達も次々に意思を表明していった。

 彼らは半月後の駅馬車で王都へと向かって貰う。
 幼年学舎の受け入れは年始なのだが、一定以上の成績を示せば初年度生への編入が可能なので問題ない。
 それに、ミーアの推薦状を付ければ、エルフスキーな学長がなんとかしてくれると思う。

 子供達を帰らせた後、ミテルナ女史と屋敷のロリメイドの内、年長の三名を部屋に呼ぶ。

「旦那様、お呼びとの事ですが――」
「少し長くなるから、椅子に座って欲しい」

 ミテルナ女史に椅子を勧める。
 固辞するミテルナ女史に「このまま話すと首が痛いんだ」と告げて座らせる事に成功した。

 オレは彼女達に、メイドの何名かを王都屋敷に派遣して、より高度なメイド技術を習得させたい旨を告げた。

「もちろん、ミテルナの教え方に文句があるわけじゃないから誤解しないで欲しい。何も知らない子供達を短期間でメイドとして育成する手際には十分満足している」

 ミテルナ女史が固い表情だったので、そんなフォローを入れておく。
 実際、ロリメイド本人達のやる気だけでは、ここまでの成長を遂げさせるのは不可能だったはずだ。

 だが、図らずも上級貴族になってしまった以上、その使用人にもより洗練された技術が求められるようになるのだ。

「――旦那様のお話はよく判りました。この三名ならば王都に送り出しても修行に耐えうると思います」
「「「メイド長!」」」

 ロリメイド達がうるうるとした視線をミテルナ女史に向ける。

「ミテルナは王都に行ってくれないのかい?」
「はい、旦那様がお許しくださるなら、私はこちらで王都へ送り出す子達を育てる役目を担いたいと考えております」

 なるほど、自分のスキルアップではなく、教育者のポジションで支えてくれようとしているのか。

 なかなか得がたい人材だ。
 彼女の給料に育成手当てとかを付けよう。

「頼りにしてるよ、ミテルナ」
「はい、旦那様のご期待に沿えるよう粉骨砕身で尽くす所存です」

 ――ほどほどにね。





 こうして迷宮都市での用事を済ませたオレ達は料理大会が開催される公都に向けて出発した。
 迷宮都市班の子達も、ルルの応援という名目で公都まで行き、大会終了後に陸路で迷宮都市に帰る事になっている・・・・・・・

 実際は孤島宮殿を基点に迷宮へ出入りし、陸路で帰還した時間が経過したら迷宮都市近辺にユニット配置で送り届けようと考えている。

「ご主人様は料理大会に出ないんだっけ?」
「オレは特別審査員に選ばれているからね」

 なんでも、「ペンドラゴン杯」という名前らしい。
 これなら「奇跡の料理人杯」とかの方がマシだった。

「それなら遠慮は要らないわね! ご主人様のハートを鷲掴みにするような料理を考えるわよ!」
「ま、待ってアリサ! そんなに引っ張らないで!」
「あじみ~?」
「ポチも味見に協力するのです!」

 アリサとルルに続いてタマとポチもルル専用厨房へと駆けていった。

「ご主人様、皆様の準備が整いました」
「マスター、私も朱色の鎧が欲しいと懇願します」

 リビングに武装を終えたリザとナナが姿を現した。
 二人に続いて、セーラ、ゼナさん、カリナ嬢、王女の順で、朱色のヒヒイロカネ製の鎧に身を包んだ美女や美少女達が姿を現した。
 この鎧は自動フィッティング機能搭載なので、魅惑のサイズ測定は行っていない。

「サトゥーさん、お待たせしました」
「こ、こんな立派な鎧を私なんかが着て良いのでしょうか?」
「胸元が圧迫されて息苦しいのですわ」
「まるで物語に出てくる騎士様のようですね」

 四人のお嬢さん達に「とてもよくお似合いですよ」と褒め言葉を贈ったあと、育成予定地へと送り込む。
 エチゴヤ商会の幹部達をレベル30まで引き上げた、パワーレベリング場所だ。

「常設ゲートでこことつなげておくから、レベルアップ酔いで倒れたら、こちらの宮殿で休ませるようにしてくれ」
「畏まりました」
「イエス、マスター」

 オレはリザとナナに指示を出し、背後から聞こえてくる阿鼻叫喚の悲鳴に耳を塞ぎ、出かける準備を始める。

 なお、ミーアは宮殿に隣接して作った音楽堂で、世界最大級のパイプオルガンを弾いて楽しんでいるはずだ。
 孤児院の子供達の情操教育用に、楽器の配布をしてみるのもいいかもね。

 オレは魔法欄から「装着イクイップ:クロ」の魔法を選んで、クロへと変身する。
 このオリジナル魔法は着替えやマスクの装着だけでなく、オレの交流欄の名前や称号などの各種情報まで自動的にセットしてくれる。
 うっかり者のオレにはなかなか重宝する便利魔法だ。

 さて、着替えも済んだし、二件の魔王容疑の確認に向かうとしよう!

※次回更新は 9/13(日) の予定です。

※2015/9/6 デュケリ准男爵に対価を要求するように修正しました。

※2015/9/1 活動報告に「デスマ5巻なろう特典SS」をアップしました。未読の方は良かったらご覧ください。
+注意+
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