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SS:タマの散歩

※サトゥー視点ではありません(タマ視点)

 再掲載(新作は18時に投稿予約済みです)

※2/11 誤字修正しました。



「忍者は~ガケ~」


 ご主人様に作ってもらった忍者装束を着て、裏路地や塀の上を駆ける。

 タマは誰にも見つからないの。だって忍者だから。


 橋の上から用水路を覗き込む。


 綺麗な水の底に、小さい海老が見えた。美味しそう。思わず水面に手を伸ばす――。


 はっ!? 


 危ない、危ない。

 用水路は危険が一杯にゃん。ちがった。危険が一杯でゴザル。ゴザンスだっけ~?

 どっちでもいいにゃん。用水路に映った姿を見たけど、やっぱり黒よりピンクが良かった。アリサが忍者装束は黒じゃないと! って言っていたけど、やっぱり、ご主人さまにピンクのを作ってもらおう。


 だって、そっちの方が可愛いもの。


「ガケからガケへ~」


 崖? 影だったかな? どっちでもいっか~

 ぴょんぴょんぴょんっと、屋根の上を駆け抜ける。


『いや、止めて!』

『黙りやがれ、このアマぁ?!』


 悲鳴が聞こえたので、屋根から路地裏を覗き込む。

 むむむぅ。男の人が女の人を押さえつけて服を破ってる! 服を破られたのが悲しいのか、女の人が泣きながら男の人を叩いてる。あ、叩いてる手を掴まれて、地面に押さえつけられちゃった。


 助けなきゃ。


「テンシルー! チシルー! ミラクルン! 謎の忍者タマ参上!」


 あ、名前を言っちゃった。

 まあ、いいや。


 下で何か叫んでいる男の人の頭に飛び乗って、「えいや!」と首投げをして気絶させちゃう。上手くやらないと死んじゃうから注意しろって、シーヤが教えてくれた技なの。サムライならタイジュツもできてようやく一人前なんだって。


 白目を剥いてて気持ち悪いけど、ピクピクしてるから生きてるよね?


「あの、ありがとう?」

「どういたまして~? ニンニンでござる~」


 そう、忍者はニンニンとゴザルが必要だってアリサが言ってた。

 それに、忍者は人助けをしても、すぐに立ち去らないといけないんだって。それがヤミに生きるもののシュクメーなの。


サバラ(・・・)でござる~?」


 煙幕玉を足元に叩き付けて、煙に紛れて屋根の上にじゃ~んぷ。そう言えば、忍者は刀を使ってジャンプするってアリサが言ってたけど、どうやって使うんだろう? 屋根までなら普通にジャンプすればいいのに。


 あ、今度は向こうで、お爺さんが苛められてる。助けに行かなきゃ。

 まっててお爺さん、すぐ助けるからね。


 お屋敷に帰ったら、ご主人様の膝の上でタマの活躍を聞いてもらうの~

 ――でゴザル。


※活動報告 2013/11/06 に掲載したお話です。特に加筆はしていません。


 シーヤ氏は、ボルエナンの里でタマの師匠をしていたエルフさんです。詳しくは九章の登場人物を参照してください。

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