初めましての方、お久しぶりの方諸々を含めまして、どうもヒルトです。
DQ3ネタにFateのアーチャーを放り込みました。
いや。おめ、"キョン子"放っぽって何新しいの投稿してんの? とか思われるのも仕方ないんですけど…あれ、そこそこキリが良いし、
あのまま完結でいいかな〜って…
で、ですので、こりはこりで"キョン子"は別に考えて評価していただけたら、と。
お、怒らないで下さい。分かってるんです…けど、ね。多分、これも船手に入れる辺りまで行けたらなぁとは思うですけど…ね。
まず、書き始めたんで頑張りますので宜しくお願いします(礼
邂逅
「…む?」
いい加減に慣れた世界からの呼び出しに応じ、現界してみたのだが…
「…ただの森、だな」
木々が生い茂るのみで速やかに近くを探ってみるが、特には気配も何もない。
今回は守護者本来の仕事をやらせるために呼ばれた筈なのだが、何処をどう見ても人類が危機に瀕しているようには見えなかった…まさか、
「…手違いか?」
それこそ、まさかだと鼻で笑いつつ、感覚を広げていき辺りを探るのを再開する。と、同時に世界から現状の情報を寄越すよう意識を飛ばす。が、
「判りづらいな……む? ルビス? 魔王? 何だこの情報は?!」
ヒドく虫食いされた情報が送られてきて柄にもなく戸惑う。
滞りなく送られてくるはずの情報はノイズと途切れ途切れの連続でしかなく、あまりに不完全なままに…
「…っな?」
切れた。
「…ど、」
文字通り、世界との繋がりが。
「…どういう、事だっ?」
平静を保とうとするが、世界から何も来る気配はない。
有り得るはずのないこの状況に内心とともに表情も狼狽を隠しきれず狼狽えてしまう。
「…ッチ。くそっ、いったい何がどうなっているのかがサッパリだっ!!」
手違いのような世界の召喚、切れてしまった世界とのつながり…悪態をつくなというほうが無理だった。が、口にして当面の目標は明白になった。
「…情報が要る、な」
正味、事態は全く軽くはないが世界…"座"から外れたなら、外れたで清々したのは否めない。
結局、
全てを、一も欠くことなく助けるなど理想でしかないのだから。
疲れていた…何もかもに、どうしようもなく。
全てを助ける為に世界と契約し、守護者になっても多くの人々を助ける為に一を切り捨てなければいけなかった…なら、
「何の未練も……ん?」
ふと、広げていた感覚が何かを知覚した。
察知した方を見やり、感覚をその一点に集中する。
「…ふむ」
気配は多数…片方、三つは恐らくは人。だが、
「む…?」
残った気配はまさしく異様…そして、研ぎ澄ませた感覚が闘争の気配と放たれている確かな悪意、それに混じった血の臭いに反応する。
「…見過ごすなんて出来ないよな」
地を駆って木の一つへと跳躍、その木の先端に降り立つと視力を強化してその先を視認し、
「……あれは妖魔、魔獣の類かっ?」
その異様に思わず目を見張った。
明らかに生態系に属さない生物が人を襲っていた。
強化した視界はその者達の姿をしっかりと認め、応戦する様を見る。
相手は…水色の固形生物に同じ色の水母属生物、緑色の流体生物、大人程に巨大化したアリクイ、二足歩行の巨大蛙、顔に羽が生えたような怪蝶…そして、人の気配を感じない全身鎧に包んだ人型。
それらが大挙として三人の人間に襲いかかってる…明らかな多勢に無勢。
「…くっ」
感覚が昂る。
明らかに人とは違う存在、明確な害意、何のしがらみも感じさせない…白地な"悪"そのもの。
くすぶり、擦り切れていたモノが鎌首を擡げる…"■■の■■になる"という誓いが。
「…か…ん係、ない」
もう、その誓いは関係ない…ないんだ。だから、
トレース 、オン
「───" 投 影 、開 始 "」
ただ単に襲われている三人に加勢する。
何の感慨も無く、ただ"守護者"として呼ばれた以上、その責務を全うするために。
…
「っ、はあっ…はっ…っああぁああ!!」
襲いかかってきた一体のオオアリクイを一刀に斬り伏せて油断無く、更に後詰めが無いか注意を向ける。
「洒落臭い…いい加減、失せなさいってのよ《バギ》っ!」
その横で仲間の一人…武道家のユニが攻撃魔法を唱え、その武道家とは思えない華奢な手から風の刃を放ち、敵を薙払う。
本来なら武道家という職種は魔法を使えないのだが、彼女は武道家に至るまでにかなりの紆余曲折があり、元は僧侶だったらしいのだが、何故か魔法使いへと転向して果てが今の武道家としての自分に落ち着いた、は本人の弁。
レベルはわたし達より高いのに面白そうの一言で固定パーティーを契約し
「アルス危ない! 《メラ》」
「へっ? ぅわわっ?!」
その声に我に返ると同時に、放たれた拳大の火球に慌ててしゃがみ込んで難を逃れる事に成功し、体当たりを咬まそうとしたフロッガーが焼け飛ぶのを見送る。
「こんな大群に囲まれてるのに余裕綽々ねっ"勇者様"!」
頭ごなしに"勇者"と言われ、反射的にムスッとしながら仰ぐと最後の仲間…魔法使いのアーリアが腰に手を当てて見下ろしていた。
魔法使いのアーリア、小さい頃からの幼なじみ。数少ない、わたしをちゃんと見てくれる親友。
「…アーリアこそ、余裕じゃないのさっ。そっちスライムとか一角ウサギが多いから任せたハズでしょっ?」
「ああ、今は小康状態だから大丈夫…こっちの様子窺ってやがんのよ」
ユニの言葉に目を向けると敵の群れは剣の間合いから大きく外れ、魔法戦の間合いに陣取っていた。
「…漸く、次の大陸に行くってのに」
ロマリアへと至る洞窟は壁で塞がれており、番兵から通行証代わりに"魔法の玉"という爆弾を持ってくるよう提示され、かなりの時間を掛けて漸くの所で爆弾を手に入れて壁を壊し、レーベで一泊休んだあと洞窟へと向かう道中でこの事態に遭遇した。
「逃げ道は…」
「ないわね。しっかし、今日は厄日!? 普段あんまり群れないクセに群れに群れて、何か変な動く甲冑なんかまで居るわ甲冑がスライム擬き喚ぶわ、そいつが《ホイミ》なんか唱えるわで全然数減んないしぃっ!!」
ユニがたまらず、うがぁーと叫ぶ。
確かに彼女の言う通りにこれは変だった。普段群れないとは言え、最低でも二〜三匹は群れる。が、十数匹で群れて襲いかかってくるなんて前例や目撃証言がない。
「…やっぱりあの、甲冑が原因かしら」
「…文献で見た。あれ確か"さまよう鎧"っていう魔物でロマリア近辺には良く出現するって」
「で…ここまで出張って来た、と? あとであの番兵一発殴る」
物騒なユニの言葉は流しつつ、視線を奥へと向ける。
群れの奥に、その"さまよう鎧"は居た。
全身を覆う鉄鎧と顔まで守る鉄兜、そして恐らくは鋼鉄製の長剣…その出で立ちは、このアリアハン周辺に現れる魔物とは一線を喫した威圧感を放っていた。
それが原因か、当てられている他の魔物達はかなり殺気立っている。今になって、
「はあ…」
壁を壊した後、番兵に翌日に来ると言った時のあまり良い顔をしなかった理由が判った。
「…正直、早く何とかしないとマズいわね。長期戦はこっちが不利になる」
「ユニ、アーリア。精神力は持ちそう?」
「もう《ギラ》や《バギ》みたいな範囲魔法は無理っ」
状況は、
「そうね。《メラ》に変えれば多少、ほんの少しだけ多目には撃てるかしら」
芳しくない。
こっちもあと《ホイミ》を数回分…攻撃魔法に回したいがユニが範囲魔法を使えるだけに率先して回復役に回ったのだが、
「…分が悪い」
「最悪、囲みの薄い所から逃げるしかない…ごめん、わたしの判断ミスでこん」
「ちょい待ち、さまよう鎧の様子が変よ」
「ぇ?」
言われてから、いつの間にか目線が地面に下がっていた事に今更気付き、慌てて視線を上げると"さまよう鎧"がその兜を見上げ、横を向い
「っ!?」
「「っ?!」」
突如として走る悪寒。
二人も同様に感じたらしく、未だに魔物は目の前にいて緊張状態だというのに"さまよう鎧"が見上げる方向に意識を向け、
フリーズアウト
「───" 停 止 解 凍 "」
予期していない第三者の声と共に…赤い衣を身に纏い宙を舞う青年を。そして、
ソードバレル フルオープン
「───" 全 投 影 連 続 層 射 "」
その言葉が何の宣言かは判らない…が、結果として目を疑うような大量の槍や刀剣の群れをその視界に捉えていた。
「「…」」
「滅茶苦茶だな」
ユニが言う通り、圧倒…いや、これはもう一方的な蹂躙と言っても良かった。
大地に突き刺さっていく剣、細剣、長剣、大剣、短槍、長槍、斧槍…大凡、突き刺すという目的に特化した武器が何の躊躇いも無く目の前で敵を貫いていく。
「ぁ…」
唖然としている中で視界が何かに塞がれる。
木の高さから大地に立つその合間がヒドく長く感じたが、自分達のすぐ前に着地した青年…目の前の惨状を創り出した張本人はまるで魔物から守る壁のように背を向けて前を見据えていた。
「…」
「「…」」
黙して語らないその背中…それはまるで、もう記憶の隅にしか残っていない父の背中の面影と重なる。
「…ぇ、と」
「ばかアルスっ、ぶっ殺されるってばっ!」
「うんうん」
元・僧侶とは思えないユニの言葉にアーリアが首肯してる。けど、そんな存在には思えなかった。
「…怪我は無いか?」
前を見据えたまま、重みのある声色にこちらを気遣うものが含まれているのを感じた。
「…ぉ、お、御陰様で特にはっわ?!」
と、礼を述べようとした瞬間、何かを振りかぶり抜いた姿勢で止まる。その数瞬、
「あ」
遠くの方に聞こえてくる、大きな金属音と数回の小さな金属音。
「…これで此処にいた魔物は殲滅出来たな」
その言葉で先の音は"さまよう鎧"の断末魔なのだと気付いた。
圧倒的な存在感…それは即ち、自分達とは比べ物にならない程のレベルだと察する。
「…改めて訊くが、怪我は無いか?」
「は、はい! ゆ、ユニもアーリアもどう?」
「《ホイミ》」
「ありがと、ユニ。今、無傷になったわ」
言ってアーリアがこちらに治した手を振り、
「あぁ〜もぉ精神力は空っ欠ー。微風も出ないわ」
肩を下ろすユニが盛大に溜め息を着いた。
「大丈夫です!」
「…」
「…? あの…」
向き直ると何故か唖然とこちらを見やっている、絶対的強者の青年。
彼はしばらくこっち…ユニの手? を見た後、何か疲れた表情で空を見やったかと思うと、次には何か諦めにも似た微苦笑を浮かべて自分達を見やる…
「…実は"此処"に来たばかりでな、色々と訊きたい事があるんだが、いいかな?」
「ぇ、えと…」
驚いた。
こちらを見やるその表情はすぐ前に広がる状況を創った人とは思えない程にあまりの差があった。
改めてその青年を見やる…こうも近いとヒドく見仰がなければいけない背はスゴく高く、三人の中で一番背が高くても頭二つ程は足りないかもしれない。
浅黒い肌に白髪はこの辺りでは人目を惹き、鉄色の瞳は歴戦の戦士のそれでルイーダの酒場に屯う冒険者など歯牙にも掛けない、経験値の高さが見えて目を離せなかった。
「…ぇと」
緊張する…まるで王様と話すような感じだ。
「ぁ」
「御名をお聞きしても宜しいでしょうかっ!?」
何とか、何かを言おうとした所でアーリアが言葉を重ねてきた。
「「アーリア?」」
ユニも戸惑い、名を訊かれた彼も戸惑っている。
「名…か。どうしたものか、な」
可笑しい。
アーリアは異性に対して人見知りしたはず。全く積極的ではないはずなのにこの、急な意気込みようはなんなのだろう?
「…ふむ、名…そうだな」
「は、はい、是非!」
「とりあえ、ず……っ?」
「どうしましたっ?!」
「今度は何よーっ?」
ユニが状況が目まぐるし過ぎてついて行けてない…かく言う、自分もだけど。
彼は突然、言葉に詰まったかと思うと片膝を着いてしまい、地に両手を着いてしまう。
「……は? 何、をっ…ちょっと待てっ!」
戸惑い、声を荒らげ空を見上げかと思えば…
「っぬ、ぐっ…ぐ…っっ」
何か、耐えるように胸を抑える。
「あ、あれ?」
目の前で彼の存在感が目に見えて弱くなり、今まで感じた事のなかった圧迫感は薄れていき、威圧感も小さくなっていく。
目を凝らすと、彼の身体に何重もの鎖らしきものがその身に巻き付いていくのが見えた…ような気がした。
「……訊き、たい」
息も絶え絶え、としか言えない。
ついさっきまでの圧倒的な存在感が形をひそめさせる程の"何か"だ、当たり前だ。
「な、何でしょう?」
「精霊ルビスとやらに聞き覚えはあるか?」
…精霊ルビス?
聴いた事がない…この世界は神様を信仰しているが精霊と言う名でルビスというのは聞いたことない名だ。
それを彼に伝えると、
「…ッチ。事はそう、単純ではないか。はあ…どうやら、"この世界"は私…の、"力"がお気に召さない…ら、し…い」
と、何だか憎々しげに言ってのけた。
どういう事だろうかと訝しむ内、
「…チッ……地、獄に堕ちろ、ルビス…」
そんな物騒な言葉を吐き捨てながら、彼は横に倒れて気絶してしまった。
「…」
「「…」」
わたし達三人に訪れる沈黙。
「…えと。ど、どうしようか?」
「勿論、彼を放ってはいけないわ!」
沈黙を破ったユニの問いにそう言ってのけるアーリア。
見ず知らずの彼に何でそこまでご執心?
「まぁ、アーリアに賛成かなぁ。助けてもらったし」
これで二票。
「…じゃあ、わたしも三票目を入れるしかないね」
とりあえず、この場に長居は無用…と、言いたいが彼を運ぶには女三人には酷過ぎる。
軽装で"何故か"何も持っていないらしい、彼はその身だけでも重そうなのが見て取れる。なら、
「勿体無いけど、虎の子のキメラの翼でアリアハンに戻るしかないわね」
「ぇ、何アルスお持ち帰り? わたしも泊まる!」
意味は分からないけど、アーリアにはとりあえず早まらないでほしい。
「ルイーダさんトコに部屋借りて様子を見るのよ」
「えー…お金掛からない?」
「それは交渉次第だと思う」
荷物らしい荷物がない…なら、予想が当たっていれば、
「…この人、冒険の書持ってないかも」
「「えっ」」
「ちょっ、この人、"あれ"でモグリだっての?」
あの強さを目の当たりにしたら信じられないが、
「だから、この人みたいな強い冒険者を登録させればルイーダさんのトコも箔が付く」
「なるほど…それが交渉の手札ね」
「確かに、冒険者なら肌身離さずに持っているはずの冒険の書…持ってる気配ないかも。うん、アルスの案いいかも」
ユニが納得し、アーリアが肯定した。
あとは行動するのみ。
「…とりあえず、行こ。あまりここに長居しないほうがいいだろうし」
二人に向き直ると互いに頷き合う。
「んじゃまっ、ヨイショっと重っ!」
「ぁ、わたしもっ、んしょ!」
ユニが倒れる彼に肩を差し入れ、持ち上げるのを見てアーリアが反対側を支えた…んだげど、二人が彼を支えるも明らかに寸足らずで膝が地面に着きかけてるのはこの際、気付かなかった事にする。
「じゃあ、二人とも掴まっててね」
二人が掴まるのを確認するとキメラの翼を掲げる。
地から足が浮くのを感じると同時にその場から勢い良く離れ、目的地であるアリアハンへと飛んだ。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。