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  けいおん! 蓼食う虫も好き好き?  作者:初投稿で短くて面白く無くてスミマセンな臆病狸
さてはて、唯のギター編はいります!
しかし色々と面倒・・・もとい、書く技量が無い・・・・もとい、ああもうどうとでもとってください!
1・・・2・・・3・・・
どうぞ!
けいおん! 16th
律のケーキもどうにか食い終わり、唯も、そして澪、ムギと続いて、やっと出発となった。


律たちには先に店の先で待って置くように伝えて今俺はロッカールームで着替えてる最中だ。

・・・
店長が居るのかな・・・・?
とりあえず突然脱ぎだされても困るだろう、一応女性だし。

響「店長ー」
辺りを見回しつつ声に出す。

呼応してきたのは消え入りそうな猫の鳴き声。
その方向には、さっき酒を飲んでたのと同じように座っている店長と―――、

体中の毛が逆立ち、赤い血を身にまとっている膝の上の猫。

響「・・・・どうしたんですか・・・・、そいつ。」
見たくないものだ、とは言えど、直視した後なので目を背けるのは猫に、そして店長に不快な思いをさせるだろう・・・・。

不知火「・・・開店した直後にね、この子、裏口に入ってきて残飯処理を手伝ってくれてたの・・・・・・」
残飯処理・・・・・、言い方があると思うが・・・・、この言い方は酔っているせいではないと思った。つまり、ほんとにそうなんだろう。
切なそうに、哀れむかのように、優しく毛並みを治そうとするその腕の主は、酔っ払っているならおかしく笑っているはずなのだから。

響「その怪我は・・・・・?」
不知火「ケンカ、かしらね。私が休憩しようとして、ここに来たときに倒れてたの。裏口の横の、郵便物ポストから入ったみたいね、最近ここに来なくてやつれてたから入れたのかも。」

燕尾服のボタンを外しているこの手が止まる。
やるせないとでも言うのだろうか、どうにも不快で気分が悪くなる。

突然、猫を撫でていたその手がピタリと止まった。

響「どうしたんですか?」


不知火『・・・・・・・・・。』


聞こえたその言葉によって、望まれない死を聴かされた。
「息を引き取った、みたいね」

響「・・・ぁ・・・・・っと、」
気づけなかった、その息の弱々しさに。
それが、情けない。
何かできたかもしれないのに・・・・、

・・・・・・・・・・・・やっぱり俺は、『無力』なのだろうか・・・・・・・・・。

守れたものを守れなくて、何かできたかもしれないものを何もしなかった、それどころか、気付きもしなかった。
響「っ・・・・・」

頭の上から声が聞こえた気がした。
違う、俺が首をもたげてるんだ。

不知火「このところ、ピリピリしてる空気が多くてね、何かあったのかと思っただけ。」
その言い方は、俺に「何かあった?」って言ったことを暗示していた。

響「なんでもないですよ、特に。」
不知火「そう。・・・・怪我、気をつけて・・・いえ、お大事に。」
言い換えてその腰を上げる。
響「どこ行くんです?」

不知火「ついてくる?」

その声のトーンで、店長が行動を示した。

・・・・埋めに行くんだ、そんな悲しそうな声、顔で。
不知火「3週間、楽しかったわ。」

ぼそりと呟かれたその言葉を最後に俺は着替えを済ませた。
そして目を背け、逃げ出すかのようにカウンターに差し掛かったところで、
不知火「響、暗い顔して女の子に心配させるんじゃないわよ?あとこれ、賃上げの分ね。」

振り返ってお札を一枚差し出したその人は入り混じった表情でそう言って、裏口を出た。
笑顔と、涙の、相反する感情が入り混じったその顔で。



外に出ると、4人が輪になって談笑していた。
響「おし、行くぞ。」
真っ先に振り向いた律が手を掲げる。
律「おぉぅーーーーーーーー!!!」
いつものように続いて唯が
唯「おーーーーー!」
ムギは微々たる物だが頬を赤らめて
ムギ「おおお~~~!」
何とも頼りない声だ。

そして俺も、さっきの出来事を隠すように
響「おぉーーーーーーーっ!!!」

店長が、不知火が最後に言った言葉だ。
・・・・空元気出していきましょう!






~~~~~~~~~~~~~10gia~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

唯「すごーい!ギターがいっぱーい!」
響「LST-X買ったとこよりぜんぜんデけえ・・・・・・」

ここに来る機会はそうそうあるもんじゃないし、ぐるりと店内を見回しておく。

ストラト、ストラト、テレキャス、レスポ、SG、リバヘ、エクスプローラー、フライングV、空洞ギター、セミアコ、セミソリ・・・・
・・・・・数が・・・・種類すらも数えられません!!

と、ふいに俺の目に留まったそのギター。
どうやら唯も同時にツインネックを見つけたらしい。

・・・・これがツインネックってわかってるのか・・・?。

確認のため唯の顔を覗くが・・・・・
唯「む?・・・・・?」
絶対理解してないコイツ、多分手が4本ある変な人とか想像・・・してたり・・・・。

律「唯ー、どれが良いか決めた?」
唯「はっ・・・」
響「あ。・・・」

しまった、唯だけならまだしも、俺まで我に返った。
唯が何を想像しているか考えすぎたな。


とりあえず一般的なギター一式が並べられているところを見つけ、俺たちはそこに集中した。
唯「むむむ・・・・何か選ぶ基準とかあるのかな?」
答えようかと口を開くが・・・・

澪「もちろんあるよ。」
澪に先を越された。
まぁ・・・いいや。俺の考える基準とあっているか、答えあわせといこうじゃないか。

澪「ギターって音色はもちろん、重さやネックの形や太さまで色々あるんだ。」
細かいことを言えば材質とか。
澪「だから女の子はネックが細くて軽いやつを・・・」
唯は初心者だからデザイン重視も悪くは無いぞ。うん。

唯「あ、このギターかわいい~♪」

澪「聞いちゃいねえーーー!!」
せめて澪の説明聞いてからルックスで選ぼうな・・・・・


唯が座った真正面には、ギブソンのレスポールスタンダード・・かな?あの色は、・・・チェリーバーストか・・・?
正直言って、色はサンバーストやらチェリーバーストやら、いまいち分ってない。
ていうか、値段が・・・・
律「でもこのギター、25万円もするぞ?」
唯「あ、ホントだ。・・・はぁ、流石にこれは手が出ないやぁ・・・・」
響「ドンマイだな。」

さて、と、お目当ての品を探しますか。
響「じゃ、唯の方を頼んだ。」
澪「ん?どこか行くのか?」
律「アンプだろ?」
俺が答えるよりも早く律が答えた。

澪「付いてっても良いかな?」
響「?別に良いぜ?」
律「あらあら澪ちゃんたら・・・」
澪「りり、律っ!」
とてとてと付いてきているのは分るが顔が赤いかどうかは分らないのは残念だ。
・・・・こいつの紅い顔って・・・・なんて言うか、様になる。


響「ここら一帯だな。」
さっきのギター売り場の大体右斜め後ろ?にアンプが並べてあった。

澪「どんなのが良いんだ?」
付いてきてたのは分るが何時の間に横に並んだんだ?
背はちょっとだけ俺の方が高いがその「ちょっと」しかないのが悔しい。
・・・・、それはお・い・と・い・て。

響「もう決めてんだけどな。安いし、大きいアンプは部活で使うから、ヘッドフォンアンプを―――――ってあれ?」
右、無い。
左、無い。
もう一度右、無い。
もう一度左、無いっすよ?

響「無い・・・・。」
澪「ホントだな。」
これだけデカいから有ると思ったんだが・・・・。安物は置いてませんってか。

響「はぁ~~~、しゃあ無い、戻るか。」
来た方向に足を向けたそのとき―――
澪「あっ!響!ちょっと待って!」
響「・・・ん?」

澪「あっ、あのさ、ちょっと聞きたいんだけど・・・・」
響「何をだ?」
澪「前、バイトあるって、部活来ようとしなかった時あったよね・・・。それで」
ああ、確かああ言ったから、・・・・・・今はこういえば良いのか。
響「『信頼できるようになってるなら話して欲しい』・・・か?」
澪「・・・」
暫らく俺をまっすぐ見つめていたその目が頷いた。

響「信頼・・・はできてると思うけど、めんどいんだよなぁ・・・・何だってそんなに知りたいんだ?」
澪「・・・・・」

多分紅くなるだろうとは分っているが、冗談めかして言う。
響「嫁にでも来んのか?」
澪「なっ、ちっがう・・・・・・!///」
完全に真っ赤だ。ま、予想の範囲内だな。

響「で?なんでだ?」
澪「なんとなくじゃ、だめか・・・・?」
響「ははは・・・、まあそれでも良いぜ?」
澪「・・・・抵抗無いんだな。」
このことを話すことにだろうか。
響「ま、澪一人ならな。」


深く溜息をついた。
そして―――――――
響「・・・・あの時、俺は泣いてた。それは分るよな?」
澪「うん。」
響「で、それが何でかって言うと、・・・なんだろう、寂しい・・・・かなぁ・・・・・?」
澪「曖昧だな・・・・。」
響「わ、忘れちまったんだよ・・・・・。」
多分・・・。

澪「何で寂しかったんだ?」
響「あーー、あれかな・・・・。俺がいない空間で、皆が楽しそうにしてるのを見たから・・・かな?もしかすると、結局俺は誰かに必要とされたいだけかもしれない。」
澪「だから・・・寂しかった?」
響「多分、な。」
勝手、そして自己中心的な気もする。
そこに俺は居なくても、澪たちは楽しそうだ

澪「もう一つ良いか?」
響「あー、良いけど、律が変な探りいれたら困るし、手短に頼むぞ。」
一度頷いてから澪は口を開いた。

澪「家族構成なんだけど・・・・」
・・・マジで手短に済むな。
響「親が1人に姉1人、妹が一人にエトセトラでもう一人の保護者。」
・・・・・『あんなの』を親と認めるものか・・・・。

澪「エトセトラ?」
響「家族とは認めない、俺にとって利用価値しかない付属品だ。」
言い切ってやった。『親父』『お父さん』が呼称方法の『母さんじゃない方の保護者』に言うかのように。

澪「そ、ありがと・・・。じゃ、戻ろう?」
響「おう。」
・・・・・気のせいか・・・・?
何で澪は胸を撫で下ろした?



さっきのギター売り場に戻るとそこにはムギの姿だけ無かった。
澪「あれ?ムギは?」
律「なんかちょっと待っててって・・・・」

丁度そのとき、ムギが戻ってきた。

ムギ「あ、響くん、澪ちゃん。」
澪「あ、ムギ」
響「おう、どうしたんだ?」

ムギ「ええちょっと。それで・・・唯ちゃん。」
くるり、とムギが唯に向き直った。


ムギ「このギター、5万円で売ってくれるって♪」
満面の笑みでそんな・・・・
響「は・・はああぁぁぁぁぁぁ!?!?」
律「ちょっマジで?!」
唯「何!?何やったの!?」
どうやら俺以外も驚きを隠せないようだ。



何はともあれ、このギターを買えることになった唯。
って、試奏しなくて良いのかな・・・?
あ、ルックスで選んだから良いか。

「あ、ありがとうございましたーーー!!!!!!」
店員が恐る恐る、というより異常にきびきびした動きで頭を下げた。
これは、やはり・・・・
響「ここ、ムギの系列だったり・・・・?」
耳打ちでこっそり聞いてみる。
ムギ「はい♪」
満面の笑みのまま、ムギが予想を肯定してくれた。

澪「あ、ちょっと待ってて。」
レジに背を向けた俺たちだが、その中から澪がもう一度レジに戻って行った。
律「どうしたんだ?澪のやつ・・・・」
響「うーーん・・・・ピック・・・とか・・・?」
律「いや、澪は指弾き・・・だったっけ?」
唯「幼馴染やないんかい。」

響「じゃぁ、違うか・・・・。」
ギグバッグを不釣合いに担いだ唯が首をかしげた。

唯「ゆびひき?」
響「ああ、ベースの弾き方でな・・・・・」

俺が唯にさらっと説明してる間に、澪が戻ってきた。
響「何だったんだ?」

澪「ん?なんでもないよ、特に♪」
最後の♪が気になるぞ・・・・。

と思うがとりあえずここは流しておく。
響「そうか、さて、ギターも買ったことだし、」
律「お開きだな!!」
・・・しまった、中学からの癖で指揮りかけた・・・・。すまん、律。

唯「そうだね、私、今日から毎日練習するよ!」
響「取りあえずはじゃかじゃか弾きまくるこったな。」
ああ、俺もギターを買って貰った時、こんな顔してたんだろうな。満面の笑みを浮かべたこの顔を。

響「分らないことあったら、メールして来い、メアドは中学ん時のまんまだ、・・・細かい技巧までは説明できる自信ないがな。」
唯「うん、ありがとー響くん♪」
・・・・コイツの兵器は、この笑顔はどうも照れくさい。
響「な、なに、ちょっとだけ俺の方がリードしてるからな、早く上手くなれよ!」
律「お?響、顔が赤いぞ?」
響「そこ!目ざとく発見するな!」
澪「否定はしないんだな・・・・。」
響「ぁ・・・いゃ、まあぁ・・・・」
痛いとこ突きやがって・・・


そして、俺達と唯は駅へ向かう分岐点から別の方向に歩き始めた。
唯「じゃあぁね~~♪」
実に楽しそうな唯が何度目か手を振り上げる。
律「おぉー!じゃあなー!」
それに何度目かの呼応をする律。

やっとこさ、唯が見えなくなったころ・・・・
響「さてと、」
ムギ「あれ?響くんはあっちじゃないんですか?」
響「俺の家な、駅と学校の真ん中近くにあるし、まぁ、ついでだから送ってやるよ。」
律「もしかして響・・・・」

律の目がおかしい、まるで、憧れのような・・・・
律「ハーレム好きなのかっ!?」
そんな考えをぶち壊すように俺の拳が律の頭を打ち落とす。
響「誰がだ阿呆っ!!!」
知らず知らずのうちに歩き出したムギと澪。
それに追いつくように殴り殴られた俺らも多少足早に歩いた。


―――――――――駅前―――――――――
響「さて、ここら辺で俺はオイトマするぜ。」
律「ああ、じゃあな」
ムギ「帰りに気をつけて。」
響「俺のセリフだ。」
澪「あ、じゃあ、」

と、澪が肩にかけていた鞄の中に手を探りいれ、取り出したのは――。
響「え?」

差し出された。
それに。
驚いた。

響「ヘッドフォンアンプ・・・・」
澪「レジの横で見つけたから・・・・。」
響「おまっ、ちょ、高かったろ?ちょっと待て、金渡すから・・・・」
ポケットから財布を取り出そうとしたその手を澪が静止する。
そして逆の手でもう一度差し出す。
澪「いいから、受け取って?」
良く見ると、やっぱり顔が赤い。いや、人のこと言えないな。

響「でもなあ・・・・何もしてないし、それなのに貰うってのはなんつーか・・・俺のポリシー的なものに反するって言うか・・・・」
・・・・等価交換?錬金術・・・ではないな。
澪「じゃぁ、今日の話のお礼。」
そこで空気を察してくれたのか、ムギが律を連れて改札をくぐった。

響「いや、それにこれって、代償高いって・・・。」
俺としては、自分が大嫌いでどうでも良いからあんな風に話せたのだ。正直、他人事に近い。

澪「・・・いいから受け取って・・・」
相当恥ずかしくなってきたのか、多少強引に押し付けてくる。
そりゃ、駅前という人の良く通るここで、男女が二人っきりで会話しているのだ。注目を集めてしまうのも無理は無い。

響「うーん・・・」
なんだが、ホントに情けないというか申し訳ないというか・・・・。
もはや澪は意地になってきているみたいだ。

澪「じゃぁ、響の誕生日、いつ?」
響「は!?なんでそうなるんだよ?」
澪「良いから、答えて。」
そう言えば今が6月上旬で日にちが〔 月  日〕ってーことは、あれ?
響「誕生日、明日だ・・・・・」

突破口を見出したらしい、つまりこれを・・・・
澪「じゃぁ、誕生日プレゼント!」
笑顔で押し付けてくる。
響「え、まぁ、だったら折角だし・・・・」
澪「はいじゃあこれは響のもの!決定ー!」
明るく笑顔で言う澪が、可愛げに思えた。
・・・・これまで生きてきた教訓から、もう恋に発展することは、発展させることは無い。それを自負していると安心する。

響「ありがとな。・・・律たち、待ってるぞ?」
澪「うん。話、ありがと。」
その3つを言い残して澪は改札を通った。
澪「じゃぁ、また月曜日!」
響「おう!サンキューな!」
手を振る澪。
それを返して律たちの下に走り去っていくその後姿を眺めていた。

・・・恋はしない。
俺の中学で作り上げた一つの理念に基づいて。

とりあえず、アンプを腰辺りに下げた鞄に入れ駅を離れた。


澪は
あの話を
律たちに
するのだろうか?


したところでどうってことないが・・・。
それとは別に、また、澪と『カコ』について話すと胸のうちのもやもやが広がっていく気がする。
不快感を増やすように。


――――――――――――――――――電車内――――――――――――――――――――

ガタンゴトン・・・

律「ヤケににやけてるな、澪?」
澪「えっ!?そんなこと無いよ?」
といいつつも、その頬尻は常に上がっている。
ムギ「そういえば澪ちゃん、『今日の話』って?」

先ほどの会話をあの距離で傍受できない人はよほど耳が悪い人だ。
ムギには十分聞こえていた。
澪「・・・・。それは・・・響のことだから・・・本人が居ないところでは言えないよ・・・・。」
真顔になって、少し沈んだ表情をする澪。
律「ちぇー、隠し事かよー」
子供のように頬を膨らませてみせる律。

澪「また、月曜日にでも聞けば良いんじゃないか?」
ムギ「そうね、気になるしね・・・・」
考え込んでいるような表情を見せるムギとは裏腹に、響の過去へと妄想を膨らませつつある律。
律『俺は、もう人を愛さないって誓ったんだ・・・・』
顔に指を立てて呟く律。
澪「誰の真似だっ」
すかさず突っ込みを入れる澪。

この二人の漫才がムギの顔を元に戻した。
ムギ(いつも楽しそう・・・私も、こんな風な『普通』を送って生きたいな・・・・)


それぞれの思いを乗せて、電車は離れていった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




響「よおっしゃー!練習すっぞーー!!!」

澪に貰ったアンプを早速つないで、その日、響は遅くまで練習していた。



響「あ、やべえ、もうこんな時間・・・」
見れば時計は1時を指していた。
(バイトがやばいから今日は終わるか・・・)


ギターをせっせとバッグに直し、ベッドにもぐった。


・・・・・・反射だろうか、眠っても居ないのに夢が蘇った。
響「寝させてくれ・・・・・」
一人、嘆くように呟いて、目を瞑っていた。

そして、彼の意識は泥沼へと沈んだ。


「響・・・・これ、で・・・母さんたち守れ・・・・・」
「お父さん!!」
・・・・・?
おかしい、いつもと違う記憶、夢
同じなのは木刀を受け取った視線の主の手が小さいことだが―――、俺の幼稚園のときより大きいな。

「お父さん!」
「おとうさん!」
「とーーさぁん!!」
「シゲちゃん!!!」

口々に呼ばれるその人の呼称名。
寝たままのその人は、家族4人に知らしめるかのように、その場で大きな深呼吸、そして息を引き取った。

これは、俺じゃないな・・・・・俺が『お父さん』なんて呼ぶ人間はこの世界に存在しない。
居るわけが無いんだ・・・・・・

・・・次の記憶・・・・・?

誰だろう・・・・?
肩に立てかけているあれは・・・木刀だろうか?
それを握り締めてずっと呟いている。

・・・・『お父さん』?

ああ、この子、さっきの夢の子か、続きなんだな。


ふと、その声が止まった。虚ろに、無機質のようになったその瞳が上を向く。

『お母さん』

あれ?この人・・・俺の母さん・・・・三野津 輪廻?


あるわけ無いけど・・・・・もしかして、この子・・・・・・・

突然その子がその場にへたり込み、泣きじゃくりだした。

煩い。五月蝿い。五月蠅い。

耳も塞げない、目も閉じれない。
一体どうしたって・・・・・?

・・・・・・・?泣き声が止んだ。今度は・・・笑い声・・・・・?

でも、嬉しそうじゃない。狂ったような、乾いた笑い声。

あ・・・・どこ行くんだ、母さんから離れるのか・・・・・?
いや、違う、母さんの後ろに、誰か居る。

・・・・・・・・!!

俺の・・・・・『もう一人の保護者』・・・・・!?

・・・・・・・・・場面が切り替わる。
これは、夕闇の中の・・・・昔良く遊んだ公園?

あ、また変わった・・・・・・。

!!!!
あの記憶・・・!
また少女を虐待してる記憶・・・・!!!

止めなきゃ、この腕を、止めなきゃ、その足を、止めなきゃ・・・・・俺を・・・・・・!!

・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何だって、止まらないんだ・・・・・・!!!!!

畜生・・・・!!

返り血がとんだ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


響「やめろおおおおおおおおぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!!!!!!!!!」

・・・・。


もう・・・・・嫌だ。たくさんだ・・・・・!



・・・・・・・・朝か、
眩しい太陽さんよ、この俺を常日頃照らしてくれないか?
眠れないようにずっと眩しく。
不眠症になっても、寝不足で・・・・死んだって良いから。


ははは、俺、病んでるな、中2病だな。


世話しなく、バイトの時間はやってきて・・・・・るな。

あと、10時まで10分。
間に合うか・・・・?
10分で丁度か・・・・。

急いで支度を済ませ、俺はバイトに向かった。

今からは『公私』の『公』だ。
夢も全部忘れて、与えられたことに集中しろよ、三野津響!
頭の中で叫んでネクタイを締めた。

・・・・・・・・・・お得意様来る日だよな・・・・・・。

さてはて、?いかがでしたか?

ところでお気に入りに登録してくださっている方!ありがとうございます!
感無量です!
もう、してくれている人が居ると分ったときには椅子から飛び上がったほどでございます!
本当に感謝です!!



ではまた次話で!!!


+注意+
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