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ぞうきんの手

作者: ぱくどら

 人それぞれにコンプレックスがあると思います。もし、ないなぁと思う人がいるなら、羨ましい限りです。

…私もコンプレックスなんてないなぁと思いたいです。


 多汗症っていう言葉をご存知でしょうか。簡単に言えば、ふつうの人以上に汗をかく症状のことです。

なんだ、ただの汗っかきじゃないかと思います。私も実際汗っかきです。ですが、どうも違うんです。


 暑いなぁと感じないのに、手足腋に汗をかきます。なぜでしょう。普通にパソコンをいじっているときでさえ手の平に汗が出てきます。

緊張した場面に遭遇したときはひどいものです。紙にメモをしていると、その紙が汗のせいでふにゃふにゃになってしまうほどです。

アルバイト先でもそうです。接客のアルバイトをしていたのですが、常時手が湿っている状態でした。


私はこの手が大嫌いです。

漫画を読んでいても、手に汗を握り、夏になりサンダルを履こうにも汗で滑って履けない。電車、バスで立っているときなにかに捕まれば手の跡が残る始末。


まさしく、ぞうきんの手です。


ぞうきんは水分が多かったら絞れますが、残念ながら手ですので絞れない。

今、私のコンプレックスはこの汗です。


今でも手が憎いほど嫌いです。



 こんな私ですが、前に一度、この手のことをカミングアウトしたことがありました。高校のクラブのときのことです。

クラブは弓道で、弓の握りの部分がイヤでも毎日触らなければならず、しだいにその握りが水分を帯びていきました。

握りは水分があるせいで滑り、なかなかうまくいきませんでした。そのことをクラブの先輩同級生に相談をしました。

内心、ものすごく嫌でした。

手に汗が異常に出ると知って、どんな反応をするのだろう。軽蔑した目で見られるのだろうか、などと考えていました。

しかし、皆いたって普通の反応をしました。


 そして、ある一人のクラブの同級生がこう言いました。


『…○○の手って、正直だよね。…別に気にしなくてもいいんじゃない?…あ、汗かいてきたね。意識した?』


 きっと言った本人は覚えていないでしょう。でも私は今でも嬉しくてたまりません。

手に汗をかくことを、正直、と表現した友人のことが今でもすごいと思います。その言葉は今でも私を支えています。


 病院に行っていないので、本当に私が多汗症なのかはわかりませんが、症状や普段の生活を見る限りきっと多汗症だと思います。

今、まったく自分に自信が持てない状況です。自分では手のせいにしているのですが、もしかすると自分でそう思っているだけかもしれません。


こんな風に文章にしたのは、自分の中で整理をつけたいからです。そして、多汗症で悩んでいる人がいるということをわかってほしいからです。

多汗症で悩んでいる方は稀にいらっしゃるそうです。…私の周りにはいませんが。


最後に、私のぞうきんの手へ。

これからも私と付き合っていくことになるけれど、汗はほどほどにしてほしい。私も前向きになるように努力するから。


同級生とは今でも友達です。大きな休みになると会いに行っています。

今大学生なのですが、大学で私が多汗症であるということを知っている友人はいません。

高校と違って、いつも会えると決まっていないからでしょうかね。。

就職することになればいやでもこの手と再び向き合わなければならないと思っています。手ばかりではなく、汗全体ですね。

自意識過剰といえばそうなるのでしょうけど、やはり人の目は怖いです。意識するなと言われて意識しなくなるのであれば、こんなに悩まないと思っています。


どちらにせよ、こんな奴がいるのだと心の隅に覚えていてください。

そして、好きで汗をかいているわけではありません。

あくまで私の意見ですが、もし汗のことを打ち明けた、逆に打ち明けられたのならば、それは打ち明けた人がその人を信頼している、理解してほしいと思っているからだと思います。

実際私も同級生たちに言ってよかったと思っています。心から友達であると言えます。


…出すぎたことを書いてすいません。

自分を変えなければ治らないとわかっているのですが、簡単にはいかないですね。

でも、このエッセイ(?)を書いていると少し気持ちが楽になったので良しとします。

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