俺とお前
グループ小説の『二人称』小説です。二人称小説で検索すると他の作者の作品が見れます。
そういえば、お前とはいつも一緒だった。
遊ぶ時も飯食う時も寝る時。
いつも一緒だった。
あの頃のお前は何かあるといつも泣いていた。
お母さんが居ないだけで泣いたり大好きなおもちゃが無くて泣いたりしていた。
俺はいつもそんなお前の頬を舐めて慰めた。
すると、お前はすぐに笑顔になる。
その笑顔が俺好きだ。
お前知らないだろうけど、
お前より俺の方が年上なんだ。
お前より長く居たんだ。
それなのに、お前はどんどん大きくなっていつのまにか俺だけおいてきぼり。
ちょっと前では、
「クロ!もっと早く!」
と言って俺の背に跨がっていたくせに。
今のお前乗せれない。
そういえば、お前『女』だったな。
乱暴でガサツで喧しいから忘れてたけど。
いつだったか覚えてないけど、『クロ、あたし好きな人が出来たの。でもどうすれば良いか分からないの。』
俺に抱き着き、泣いた時は、さすがの俺も泣きそうだった。
気付いてないだろうけど、俺は、お前が好きだ。
初めはお前の事子分として見てた。
でも、気付いたら俺がお前の子分になっていた。
いつも一緒に居たからそれが当たり前の様に感じる。
お前の側、心地良くて。
ずっと一緒に居られると思っていた。それがお前と別れる日が来るなんて……。
「お父さん。お母さん。長い間育てて下さりありがとうございます。」
お前、泣きながら頭を下げていた。
お前の隣には俺の知らない人間の男がいた。
一緒に頭を下げていた。
お前と同様にお父さんもお母さんも泣いていた。
寂しそうで嬉しそうに笑ってる。
俺は伏せながらお前の事見ていた。
泣き虫のお前。
いつも泣いているお前。
今もやっぱり泣いている。
けど、今までの泣き顔の中で一番綺麗に思う。
しばらくしてお前は俺の頭を撫でにやってきた。
「クロ、クロも今までありがとう…大好きだよ。」
そう言ってお前は俺を抱きしめる。
俺はお前の使う『言葉』を使えない。
せいぜい、お前の頬を舐める事しか出来ない。
ずっと一緒だったお前と俺。
過ごした分だけの思い出がある。
春の花が咲き乱れる公園を駆け回った事。夏の夜にやった線香花火にびっくりした俺を指差して笑った事。
お前との思い出あり過ぎて語り切れない。
けど、溢れてくる。
お前との日々。
俺の隣にお前が居なくなるのサビシイ……
スゴク、サビシイ……
けど、一緒に過ごした分だけの思い出とキズナがある。
だから、俺お前が居なくても平気。
お前の幸せずっと祈ってる。泣き虫のお前がずっと笑顔で居られる様に……。
fin
ここまで読んで下さりありがとうございます。二人称がイマイチ理解できずに、うまく表現出来たかわかりませんが書いててとても楽しかったです。どうでもいい事ですが物語りの主人公クロはシベリアンハスキーの仏頂面ワンちゃんです(笑)乳児向けの絵本(タイトルは忘れちゃいましたが…(^^ゞ)を題材にして書きました。いつもより主人公の気持ちになりきれ、書きあがった時ちょっと切なくなっちゃいました。(笑)企画小説は色々勉強になりますね。なるべく時間がある時は参加したいと思います。では最後までお付き合い下さりありがとうございます(^^)
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