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第五十二話〜開発の始まった領都を散策しました〜

 さて、現在領都は幾つかの区画に分けて整備されている。

 まずはこの街の目玉である中央水生成施設。当初は蛇龍玉を用いて作る予定だったのだが、例の名状し難き肉塊から手に入れた魂魄結晶というヤバめな品を用いることにした。

 どっちも無尽蔵に魔力を生成する品なのだが、魂魄結晶の方が出力に於いて遥かに優れたためだ。現状で出力の二割ほどしか使っていないのだが、水の生成量は過剰なくらいである。後々余剰出力で様々なことができるように、かなり余裕を持たせた設計にしてある。

 さて、問題は領都内にどうやって水を行き渡らせるかという点だ。

 慣れ親しんだ元の世界の水道と同じように地下に水道管を埋設しようかとも考えたのだが、末端まで滞りなく水を行き渡らせるためにはその広さに応じた水圧が必要となることにすぐに思い至った。

 この圧力をどうやって生み出すか、という点について色々と考えてはみたのだが、今ひとつうまい手を思いつかない。

 最初に考えついたのは、高圧に耐えられそうな球形の頑丈なタンクのようなものを作り、そこに調整可能な弁をつけて内部に水の生成装置を封じる方法だ。

 この状態で水を生成すれば行き場のない水が強烈な圧力を生み出すというわけである。質量保存の法則を始めとした物理法則に真っ向から喧嘩を売ってるが、できるんだから仕方ない。

 とは言え、この方法は容器や弁の耐久性の確保に課題があり、しかも万一破裂などした場合には大惨事が予想されるので速攻でお蔵入りになった。

 次に俺が考えたのは水が高いところから低いところに流れる性質を利用した方式だ。自然流下式というやつだな。最初は給水塔のような高所に水の生成装置を作り、それを空中配管か水道橋で各所に廻らせようと考えた。ただ、あまり高くするとメンテナンス性が問題だ。

 そこで閃いた。これを合わせればどうだろうか?

 高い給水塔を作り、そこに水生成装置を設置。高低差を利用して地下配管に水を通すのだ。うん、これはいけるんじゃないか? なんだっけ、こういうのなんつったっけ。サイフォンの原理だっけか。うろ覚えだぜハッハッハ。

 で、その水の生成施設を中心として上下水道を整備しているところである。これは穴掘りというか、土木工事が得意なアンティール族に頑張ってもらって急ピッチで進んでいる。

 水生成施設の外観は天に向かって聳え立つ真っ黒い塔のような外観だ。土魔法を使ってコツコツと三日かけて俺が作った。俺の膨大な魔力によって極限まで強化と研磨を施され、黒大理石のような艶のある光沢を放っている。ちなみにソーンが普通の鉄の剣で斬りつけたら傷一つつかずに剣の方が欠けた。地盤もしっかり固めてあるので耐震性もバッチリだ。


「おつかれー、頑張ってくれよー」

『『『『了解であります!』』』』


 巨大地下通路を建設しているアンティール族達を労うと、可愛らしい少女の声で沢山の声が返ってくる。うん、相変わらず声だけは可愛いな。見た目が完全にでかいアリだけど。

 アンティール族は例外なく土魔法を使えるため、掘った穴をそのまま土魔法で固めてトンネルを掘ることができる。今は領都の地盤固めと並行して地下通路を張り巡らせて貰っているところだ。

 広めに作った地下通路を領都の地下に張り巡らせて、そこに水道管や下水管を設置していく予定である。そうした方が単に地面に配管を埋めるだけよりもメンテナンスが楽だからだ。

 広めに作っておけば後々上下水道以外のものを通すのにも使えるかもしれないしな。換気口も各所に作らせてあり、そこに浄化と送風の効果のある魔道具を配置している。そんなに魔力のいる術式でもないので、ミスリル製の金属プレートに簡単な魔法刻印を施すだけで済んだ。大きさも精々クレジットカードくらいの大きさなので、コストもそれほどでもない。

 地下通路と配管のメンテナンスは基本的にアンティール族に任せるつもりだが、他の種族の人員も投入する予定だ。何かの事情でアンティール族が俺たちの元から離れた際に、メンテナンスができなくなるんじゃお話にならないからな。


☆★☆


 考え事をして歩いているうちに西側外壁建設現場に辿り着いた。ここも急ピッチで整備が進んでいる区画の一つだ。

 防衛上の観点と精神衛生上の観点の両方から領都に城壁を作ることはすぐに決定された。ミスクロニア王国から築城のプロが呼ばれ、俺の監修の元、この世界で初となる星型城壁の設計が成され、既に着工している。地均しと基礎工事を俺が魔法で片付けたからこそのスピード着工だ。

 星型城壁とは言っても本当の星型ではなく、四角形の四つ角に菱形の突端が付いているような形状だ。城門を設置する東西から攻める場合、正面の辺にあたる部分と両突端から十字砲火をかけられるため、非常に防御力が高い。

 城壁そのものはそんなに高くはなく、その代わりに土や煉瓦を多用して分厚くなっている。これは強力な攻撃魔法を撃ち込まれた場合、背の高い石の城壁だと容易に破壊されて倒壊する恐れがあると考えられるためだ。あと、飛行型の魔物などの航空戦力を考えると高くしてもあまり意味がないしね。まぁ表面は石材にするけど。

 その他にも豊富な水を利用した深い水堀なども作る予定だが、それは後の話だ。

 この建設現場では勤務体制を朝から昼、昼から夕方にかけての二パートに分けて区切っており、それぞれ食事と日当を提供している。朝食を食いにきてそのまま働き、日当をもらって午後からは他の事をするやつもいれば、昼飯をここで食って夕方まで働き、日当を貰って一日を終えるやつもいるようだ。休みも自分の判断で取れるので概ね好評のようである。

 今のところは露骨にサボって飯と金だけせしめるような奴はいないらしい。まぁ自分達の街を守るための外壁だからな。それにそのような事が発覚した場合は厳しく処断することになっている。

 例えば毛皮のある獣人の場合は全身の毛を剃られることになっている。これは獣人にとっては大層不名誉というか恥ずかしいことらしく、ソーンやマルクスといった獣度の高い獣人はガチで震え上がっていた。

 他にもいろいろあるんだが、実際のところ刑法に関してはまだ策定中だ。外壁工事のサボりに対する罰は身内の罰ゲームに近い気もしないでもない。まぁこの辺はおいおい考えていこう。

 とりあえず判断に困る場合は俺に話が来ることになっている。俺のドS度が試されるな。胸が熱くなってきた。


「おーい、石材が足りないって聞いてきたぞー」


 俺が声をかけると、現場監督をしていたケンタウロスの女がこちらにパカパカと蹄の音を立てて駆けてきた。確かこいつはデボラの取り巻きだった奴だったかな。名前はなんだっけ? そういや聞いてない気がする。


「主殿、わざわざご足労いただいて申し訳ありません。石材の集積場にご案内します」


 なんだか妙に恭しい対応をされた。あれぇ? こいつっていっつも俺の事を睨んでくるような感じのキャラじゃなかったっけ。

 俺の困惑した様子に気が付いたのか、ケンタウロスの女が頭を下げた。


「先日までの無礼な態度、誠に申し訳ありませんでした。正直なところ、この土地に連れてこられるまでは主殿の事を疑っておりましたので……今は己の不明を恥じております」

「ああ、うん。気にしないでくれ。今信じてくれてるなら良いから。慎重なのは良いことだと思うぞ」


 そんな話をしながら石材の集積場へと向かい、土魔法を使って大量の石材を生成する。生成するとは言っても別に無から有を生み出しているわけではなく、アンティール族が掘り出してここに集積している土を固めて生成するのだ。

 まぁ、魔法には質量保存の法則とか関係ないから物質を生み出すこともできるんだけどね。元々の材料があったほうが魔力消費は遙かに少ない。

 これで大きな岩を作り、土魔法で手頃なサイズに分断する。後はこれを積み上げ、ある程度積んだところで土魔法で隙間を埋めて固めるわけだ。

 ぶっちゃけて言うと、俺がかかりきりになれば一人で城壁を作ることは容易い。そうしないのは獣人達に労働の場を与え、自立心を維持してもらうためだ。一から十までおんぶに抱っこで俺が全てしてしまえば、獣人達は自立した生活を送れなくなってしまうだろうからな。

 今のところは外壁を始めとした各種施設の建設、という公共事業が領都の住民の主な働き先であるわけだが、いずれはそれも先細りしていく。

 無論自己責任論を振りかざして放置する気は無いが、いずれ住民達には自分で金を稼ぐ方法を獲得してもらわなければならない。例えば樹海の魔物素材や薬草なんかを採集する狩人だとか、それを加工する職人だとか、それを扱う商人だとか、そういった方法をだ。

 無論、技術が無いとできないことも多いだろう。だから俺はミスクロニア王国やカレンディル王国からそういった技術やノウハウを持つ職人や商人を招き、職業訓練なども行うつもりだ。

 既に食事を提供する屋台を始めている住人もいるらしいし、カレンディル王国で拾ってきた商人の元には散髪などに使う理容器具や皮革の加工に使う道具などの注文や問い合わせが入っているそうだ。

 既に自分で自分の食い扶持を稼ぐべく動き始めている目端の効く奴もいるってことだな。


「ふむ、こんなものかな」

「ありがとうございます、主殿」


 文字通り山積みになった石材を適当な形に整え、崩れないように積み直して一息つく。


「他に不満や要望は上がってきていないか? この外壁建設現場のこと以外でも良いから、何か聞いていたら教えてくれ」

「そうですね……私の知る限りでは特にありません。先日開通した水場はかなり好評ですね。働いた後に水浴びができるのがやはり嬉しいようです」

「ああ、井戸で水汲み上げて水浴びするのめんどいもんな」


 とりあえず試験運用として外壁の建設現場や外壁の外にある農地区画、それと本格的な住宅を作るまでの仮設住宅区画に給水管を通したのだ。地下配管ではなく地上に露出した形で出しているので、地下配管の方が通ったら撤去する予定だけど。

 建設現場では豪快に水浴びができる水風呂のようなものと、水飲み場を設置している。かなり大きめに作ったので、プールみたいに泳いで遊んだりしているやつもいるようだ。

 領都には既にトカゲ人間のリザードマンやワニ人間のアリゲーティアン、褐色肌の水棲エルフ――単に水エルフとか海エルフと呼ばれるらしい――など、一部の川の民も移住してきている。

 彼らは水に濡れるのを全く厭わないので、運河の整備に従事してもらっている。

 運河は領都から川の民の領域まで既に開通済みで、彼らには護岸工事や魔物避けの結界柱の設営などをしてもらっているわけだ。

 え? 二週間でなんで運河が出来ているのかって? そりゃお前、純粋魔法レベル4の魔砲で直線上の障害物を薙ぎ払って、見通し良くなった所を土魔法で一気に陥没させて力技で作ったに決まってるじゃないか。

 ついでに排水や下水を貯める溜め池も作ったよ。極大爆破を数発ぶち込んで更地を作ってから運河と同じく土魔法で地面を陥没させてな!

 なんかそれを見てから住人達が俺に敬意というか畏怖の感情を抱いたようだが、あまり気にしないことにしている。ふははは、我を畏れ敬うが良い。

 溜め池の底には蛇龍玉で作った水質浄化装置を設置してある。実はこれ、あまり水を澄ませ過ぎても生き物が住めなくなるから調節が難しい。一応浄化の出力は調整できるようになっているので、その管理を川の民に委託した。

 そのうち下水とかも入ってくるし大丈夫かな、と心配したのだが川に動物の排泄物が流れるのは彼らにとってはある意味当たり前のことらしく、あまり気にしていなかった。

 寧ろ領都から流れてくる水の綺麗さに驚いているそうだ。まぁ超純水みたいなもんだしね、生成してる水は。

 ちなみに運河にはもうすでに水を流している。そんな中で護岸整備なんてできるかのかと思うだろ? その辺はさすが川の民を名乗るだけあって、水魔法を使って護岸整備するところだけ水の流れを変えて上手くやっているようだ。土魔法に適性のある者もそれなりに多いようで、連携して事に当たっているらしい。

 サハギンというか河童達が良い仕事するんだよ。水魔法も得意だし、力持ちなんだよね、あいつら。意外と手先も器用だしな。


「主殿、この街は今後どうなっていくのですか?」


 ケンタウロスの女の唐突な質問に俺は少し考えてから口を開いた。


「んー……そうだなぁ。先ずは住人が生きていけるだけの色々な基盤の整備だな。同時にカレンディル王国とミスクロニア王国を結ぶ街道を整備する。最終的には両国の貿易をここに集約する。きっと両国の全てがここに集まるぞ。人も、物も、金もな。お前らはその全てがある場所で生きていくんだ」

「大丈夫でしょうか?」


 不安げな表情をこちらに向けるケンタウロスの女に俺は笑って見せる。きっと今の俺は不敵な笑みを浮かべているだろう。


「そりゃお前ら次第だろうな。俺はお前らが誰憚ることなく暮らせる場所は作るが、一人一人の面倒を全て見るわけじゃない。最低限、飢えて死んだりするやつが出ないようにはするつもりだが、働きもせず怠惰を貪るようなやつまで養うつもりは無いしな」


 俺の言葉を聞いたケンタウロスの女の表情は晴れない。そりゃそうだ。なんとかなる、大丈夫だ、俺が守ってやる、みたいな言葉を期待してたんだろうしね。


「今のお前たちはあれだ、旅の初心者みたいなもんだ。歩き方も知らない、路銀を稼ぐ術もない。だから、慣れるまでは歩き方を教えてやるし、背負ってもやるし、路銀を稼ぐ方法も教えてやる。だがな、慣れたら自分の足でしっかり歩いてもらうし、路銀も自分で稼いでもらう。外敵からは俺が守ってやるけど、自分で自分の身くらいは守れるようにもなってもらわないとならんな」


 ヒヨッコ以下の駆け出し領主のくせに何を偉そうに、と自分で思いながらも表情には出さずに高説を垂れる。

 実際問題俺が全部面倒を見るのは健全じゃないからなぁ。まぁぶっちゃけると面倒臭くもあるんだけどさ。


「……うん、そうですね。そうあるべきです。我々が子供を育てる時と同じですね」


 今の俺の言葉のどこかに彼女にとって安心できる点があったのか、ふっと表情が安心したかのように安らいだ。旅人に例えたのがケンタウロスの伝統的な子育てのイメージと被ったのかね。


☆★☆


 石材の補充をしたついでに城壁建設の進捗を確認した俺はケンタウロスの女――リサという名前だった――と別れ、中央給水塔の近くまで戻ってきた。

 この辺りは後々行政や経済の中心地となる予定で、冒険者ギルドや商業ギルドの他、役所などもこの地区に置くつもりである。それらが必要になるのはもう少し先の話なので、今は建設予定地の区分けだけを終わらせてある状態だ。


「おう、調子どうよ」

「いらっしゃいませ、オーナー。そうですね、ぼちぼちですよ」


 俺がやってきたのはこの領都で今のところ唯一の商店であるパルミアーノ雑貨店だ。

 立地は西の城門予定地から少し歩いた中央給水塔の近く。将来的に一等地になること間違いなしの場所である。

 そんなこの場所に店を構えているのはベンジャーノ=パルミアーノという人間の商人である。二十六歳、独身男性。背は低めだが決してひ弱ではない。所謂細マッチョというやつだ。濃い茶色の髪の毛を短く切ったツンツン頭で、顔はイケメンとは言えないが愛嬌がある。

 カレンディル王国各地とマウントバスを回っていた行商人で、そろそろ腰を落ち着けて店を持ちたいと思っていたところを商業ギルドのヒューイ経由で俺が拾った。

 これから発展間違いなしの超好立地に店を持たないか? というあからさまに怪しい誘いにホイホイ乗ってきた度胸のあるやつである。本人的には行商人の勘が働いたと言っているが、鑑定眼で見てみると『直感(機)』というスキルを持っていたので、恐らくスキルの恩恵だと思う。

 このスキルは俺のスキル取得一覧にも出てこないんだよね。もしかしたらユニークスキルなのかもしれん。


「売れ筋はやっぱ調理器具か」

「そうですね。狩人から肉や樹海で採取した山菜やキノコなんかを分けてもらって自炊する人が増えてきてるみたいです。調味料とかも売れ筋ですね。後は布と裁縫セットと糸とか、ブラシやハサミなんかが売れ筋ですよ」


 やはり食事関連と衣類関連が売れているらしい。売り上げ明細を斜め読みしてみると嗜好品として酒も売れてるみたいだな。今のところ酔っ払って騒ぎを起こすやつはいないようだが、気をつけないといかんね。


「どうだ、環境は。嫌がらせとかそういう類のことは無いか?」

「いえ、最初は怖がられてるみたいでしたが最近はそういうことも無くなってきてますね。嫌がらせとかも別にないですし、パメラさんとかレリクスさんとかブレイクさんがたまに様子を見にきてくれてますから大丈夫ですよ」

「ほう、あいつらもちゃんと仕事をしているようだな」


 最初に俺と接触した五人の獣人――狼獣人のソーンとブレイク、豹獣人のレリクス、兎獣人のパメラ、牛獣人のマルクス――この内ブレイクとレリクスとパメラの三人は領都内の治安を維持する衛兵としての仕事に就いていた。

 主な業務は喧嘩などのいざこざの仲裁、事件や事故が起こった際の迅速な対処、領都内の見守り、領都周辺に寄ってきた魔物の排除である。勿論メンバーはこの三人だけでなく、デボラの取り巻きその二こと虎獣人のミース(最近名前を知った)や先ほどのケンタウロスの女のリサもそのメンバーである。他にも数名元狩人が衛兵の任に就いている。

 牛獣人のマルクスは畑を耕している方が性にあっているらしく、農業担当に就いている。ソーン? ソーンはもっと愉快な職に就いてもらってるよ。

 俺直属の私兵と言う名の新装備の実験台にな!

 俺が作った自重してたりしてなかったりする様々な新装備の試用をソーンにはしてもらっているのだ。後々設立する領軍の正式装備を模索するための重要な役割である。

 流石にソロでは危ないし、そもそもたった一人では試せる装備も少ないので、アルケニアや川の民、妖精族から選りすぐられた精鋭で俺の私兵は構成されている。

 後々俺以外の人員が作ることも想定して品質はそこそこで抑えている。

 一点物ならともかく、軍などの組織で運用するのであれば製造に極端に高度な技術が必要になるのも、コストが高すぎるのも論外だ。それでいて使用方法も簡便であるべきだし、簡単には壊れない耐久性も必要だろう。

 余裕ができれば使用に専門の知識を必要とする装備を扱う特殊技能兵の育成なども視野に入るが、今はまだその時ではない。まぁ私兵は実験部隊だから色々使わせるけどな。


「売上の傾向に関しては領主館にも報告書を出しておいてくれ」

「わかりました」


 まだ閑散としているパルミアーノ雑貨店を後にする。もう数分もすれば午前中の仕事を終えた領民達が押し寄せてくるだろうからな。金を出しているだけのオーナーは商売の邪魔にならないようにさっさと退散するのだ。

第二稿を書く系の仕事があるのでちょっと短いですがこれで!_(:3」∠)_(踏まれる準備

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