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遊戯曲
作:夜鳥




好きだと思った 好きだと言った
好きだと伝えた 思いを胸に

ありがとう でも ごめん 
『好きな人が居るんだ』


好きだと伝えた 想いは途切れ
描いた夢は 無惨に千切れ
焦燥感に溢れる心 想いは枯れて
自分勝手な妄想で 明るい未来を予測した

好きと言えば 好きと返す
好きと思えば 相手も思う
そんな妄想が浮かんでばかり
現実で想像 虚無で妄想
現実にはあり得ない夢 即ち妄想

暗い暗い現実の中
そればかりが輝いて見えた



自らに酔いしれ 浮かれるピエロ
向けられる拍手は自分へと思い違い
自分が作り上げたものなのだと 勘違い
現実の自らに向く大半は 失笑と嘲笑
とぼけた仮面を被りに被り 笑われてなお笑いを作る
それが嘲りも蔑みでも その身に笑いが生めるなら
妄想の中で向くのは 喝采と歓声
被る仮面の演技の上に 人々は思わず息をのむ
一輪車での綱渡り 火の輪くぐりに 猛獣使い
命綱のない 危険なショーでもご覧の通り
道化の姿をとくとご覧あれ
 
 
欲しいもの 望むもの
手に入れられる そこは夢想

欲しいもの 望めども
渇望するほど傷は深く抉り込む
血が流れても 涙流れても
気づかずに夢の中の喝采を受ける

素晴しい 素晴しい
もっと もっと と伸びる手に答え
さらに上の喝采を 手に入る豪を と
もっと もっと危険になる
夢に生きるから危うく
夢に生きるから手に入る


欲しいもの 望むもの
現実では手に入らない 高み
望み描く夢の中
そこでは永久に手に入らないことなど 百も承知

それでも被る 道化師の仮面
たとえ受ける喝采が妄想とは違っても

現実より甘い蜜 飽きれば毒が欲しくなる


夢想の世界に生き行く果ては 作られた模倣の現実
同じ筋をなぞれども 手に入るものなど皆無
現実に想像 虚無の上で妄想

作られた話など 終わりのない戯曲と同じ
 
踊るピエロは終幕を知らず
糸が切れるまで 踊り狂う














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