超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴS.O.B.(2/20)PDFで表示縦書き表示RDF


超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴS.O.B.
作:RC



第二話 あの頃はよかった


「君の?じゃあ、君はもしや…」
「僕はセロファン。科学者のセロファン・フリーザンさ。」
 この言葉を聞き、彼はなんともいえない気分になった。
(この青年が…私なのか?たしかに、誰かに似ているとは思っていたが…いや、ともかく、そんな事より重要な事実がある。私は…超古代文明へとタイムスリップしてしまったのだ。)
「それにしてもあんた、この辺では見かけない服装だね。」
「…それがだな…」
 セロファンはまだあまり理解していない。すると、自分と同じ名を語る青年は、突然興奮しながら言い出した。
「も、もしかして…時空を越えてやってきた?」
「え?」
 青年はセロファンの答えも聞かず、全力疾走で研究所内へと移動した。

「あぁぁ、駄目か…」
 セロファンが着いて行くと、先ほど彼がいた機械の前で青年はうつむいていた。
「ねぇ、お爺さん…あんた、この機械の近くから出てきた?」
「…あ、ああ。おかげで今でも不思議な気分だ。」
「その時…他に何か物が落ちてこなかった?」
 セロファンは首を振った。
「…計画失敗だ。」
 彼はこの青年の姿を見て、なにかを思い出した。
(そうか…あの時だ。若かった私は世界征服という夢に目覚めてから、どうにかしてその方法を見つけようと必死に努力していた。その一つが、これだった。)
 その時の彼の考えは、こうだった。
 まず、次元を操作する方法を考え、それを可能にする機械を作成する。機械には自分の小遣いで買っためいっぱいのエネルギー(電源)を流し、空間を歪め、その結果異次元を発生させるのだ。
(これが上手く言った暁には、世界全体に巨大な異次元の穴を発生させ、全人類を別の世界へと飛ばすはずだった。だが、実験の結果からすれば失敗。できる穴が小さすぎた。今の自分ではこれ以上のエネルギーを手に入れるのは不可能ということで、この方法は諦めた。)
「もし僕の理論が正しいのなら、穴の大きさに合わせて、空間に漂っていたものも落ちてくるはずだ。でも、あんた一人しか来なかった。あぁ…金の無駄遣いだったな。」
 青年は怒りながら言った。
「出て行ってくれ…あんたに用は無くなったんだ!!」

 

「まったく…とんでもない世界にやってきたものだ。」
 セロファンは街の中で腰を掛けていた。用意もなしに突然ここにやってきたため、居場所がないという事は言うまでもない。
「今も昔も、私の考える事は同じだった。人の心は風のように変わりやすい、とは言うが…捨てきれない野望だってある。現代人には、この『夢を諦めない』という思考が足りないのだ。」
 ぶつぶつと彼は独り言を呟いた。
「そして、たしか今から4年後…私は努力の末、夢をかなえる方法を見つけ出した。それこそ…奇跡を信じた結果だ。」
 
既にこの時彼は、なぜ今に至るのかだいたいの見当がついていた。
(ゴッド・ガギグゲゴの射威認虞・紅羅ッ写亞は、サイエンサーをなにもかも消滅させると供に、その物体が占めていた空間がなくなるのを防ぐために、同時に『新たな空間をはめ込む』という作業をする。どうにかして失敗を成功へと結びつけようとする私だからこそ思いついた、さっきの実験の応用だ。これが上手くいくはずだったのだが…)
 セロファンは半分後悔しながら考えた。この半分というのは、この世界も悪くは無い、という感情もあったからだ。
(数千年も経ってからテストもせずに発射したため、うまく作動しなかった。消えた空間と創られた空間がうまく合わず、ズレが生じたのだ。それによって空間が一時的に崩れ、時空にも乱れが生じた。そして出来たのが、あの不気味な空間だった。私の考えとしては、あの空間には穴が開いた回数だけ穴が存在する。200X年の某都市、機械が動いていた時の私の研究所、それぞれに通じている。もし、もう一度あの空間へ行く事ができたなら…私は帰ることが出来る。)
 しかし、それは不可能に近い望みだった。
(無理だ…エネルギーがないせいで研究所の機械を再度動かす事はできない。他に空間を歪ませる方法はなし…戻る方法はないものか…。)
 そうは思うセロファンだったが、さっきも述べたようにこの世界で再び人生を送るのも気に食わないわけではなかった。過去を思い出しても、決して住みにくくはない。むしろ現在の某都市より快適なはずだ。
(そうか、未来を変えるのはややこしい事になるからよすにしても…ここで世界征服を進める私を手伝うのも、それはそれとしていい生き方だ。あと150年もすれば、ガギグゲゴの開発だってあるんだ。…ん?ガギグゲゴ?…ああ、あの手があった!!)
 セロファンは方法を思いついた。
(このまま生きて、もう一人の私がゴッド・ガギグゲゴを開発すれば、それを使って未来へ帰ることが出来るはずだ!)
 セロファンは、心の底から光が差し込めてくるのを感じたのであった。



「またあんたか。さっき言ったことを忘れたのか?」
 計画を建てたセロファンは、再び研究所へ来ていた。
「私は時空を越えてやってきたのだ。元の世界に帰る権利があるはずだ。」
「状況を分かってんの?機械が動かなきゃどうしようもない。」
「別に機械を使えとは言っていないだろ。」
「じゃあ、どうするんだい?」
 セロファンは答えた。
「ただ一つ、私にまともな生活をさせてくれればいいんだ。」
「なんだって?生活費を分けてくれ、と言っているのか?」
「そんなところだ。これを受けてくれるのなら、手伝いだってなんでもやろう。」
「爺さん、あんた言っている事が無茶苦茶だよ。普通に生きると元に戻れるのかい?そんな簡単な話…」
 そこで年長のセロファンは年少のセロファンを静止し、こう言った。
「すべては…結果なのだよ。」
「…あ、あんた、その言葉は…」
「君の口癖だろ?」
「なんで知っているんだ?」
「君の事はなんでも知っているさ。生年月日、年齢、出身地、この研究所を建てた理由、なにもかもだ。一つ教えてやるが、君の夢は当分叶いそうに無い。」
「僕の欲しているものを侮辱するなら、出て行ってくれ。」
「待て待て、これは単なる助言だ。正しいとは限らない。大事なのは、ひたすら夢を追い続ける事だ。そうだろ?」
 自分の考えている事をピッタリと言い当てる男を、青年は少々気持ち悪く思った。そして結論を出す。
「…分かったよ。寝泊りぐらいはさせてやる。だが、これだけは言っておく。」
 青年は断定するようにはっきりと言った。
「僕のする事に口出しはするな。」
「ああ、しないとも。私は人生がほしいだけだ。」
「人生?」
「今は詳しく言えないが、後になるときっと分かるはずだ。」
「…勝手にしてくれ。」
 話が済み青年は場所を移動しようとしたが、ふと何かを思いついた。
「そういえば、名前聞いていなかったな。なんて言うんだ?」
「私の名は…バンクーバ・ハンバーガー。響きが気に入ったら偽名にでも使ってくれ。」












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