超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴS.O.B.(13/20)PDFで表示縦書き表示RDF


超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴS.O.B.
作:RC



第十三話 神からの褒美


「君たちの活躍は、ただ素晴らしいばかりだ。」
 その頃、世界征服をたくらむ悪の組織『ザ・ルーラー』の本拠地的建物の中では、その首領であるレイク・ザーズという悪党を灰色の怪物が囲んでいた。
「いく月か前、君たちはこの大陸を訪れ、初めは近寄りがたい存在だったが次第に『人間』として暮らし始めた。その内、私に侍従しザ・ルーラー、すなわち私に奉公をしてくれるようになった…そのおかげで、この組織を大きくすることができたのだ。世界征服の鍵も掴め、じきにそれは実行されるだろう。」
 そう言うと、彼は指を鳴らした。その音に応じて、一人のブロッケン・モンスターが無駄にでかい機械を扉から出してきた。
「大洪水計画…誰だかはよく知らないが、過去に『世紀の大洪水』を引き起こした人物がいた。そして、私は運よくその計画書を手に入れたのだ。物質を製作するための、精巧な実験器具も技術のある君たちが作ってくれた。あとは、材料を入れるのみ…再びの悲劇は、私の理想と化すのだ。ハハハハハハハハ…」

「人間がいただと!?そんなはずが…」
「嘘ではございません。」
 驚きの真実を聞いたセロファンだが、まだそれを信じられない。
「話の伝わりが遅すぎて申し訳ないのですが…つい数ヶ月前のことだそうです。新たな土地を目指そうと船に乗ったある者が、結果西の方角にある大陸に到着しました。しかしそこには…やつらがいたのです。」
「…どうなっているのだ…みんな死んだはずだぞ!!」
「そう言われましても…こういうのも失礼ですが、場所が場所なのでいくらセロファン様でもこの世界では、知っていないのは仕方のないことだと思います。話によると、ノアという謎の男が大洪水を予測したのか、箱舟をつくってそれで生き延びたそうです。船にはノア自身の他に知り合いなどの数名、そしていくつかの動物を乗せました。その後人類はノアたち数少ない生存者によって繁殖し、その生息範囲も少々拡大。同時に多少の文明が発達しているようで…。」
 セロファンは床にひざまずいた。
「じゃあ…嘘だったのか…」
 彼は小さく呟く。
「神よ…お主は言ったな…人類は滅亡したと…だから私に100年の寿命を与え、元に戻そうとした…。しかし、人類は完全に消え去った訳ではなかったのだ…この…私の…苦悩は…」
 気が付くと、彼の視界はどんどんぼやけていった。前回のセロファンの予想が当たり、例の時間が来たのだ。
「これで…終わらせて…たまる…か…!!」



「神よ…あなたは間違っていたのだ!!」
 再び冥界に来た悪党にして科学者のセロファン・フリーザン。彼は神にそう叫んでいた。
「人間は生き延びていたのだ…それなのに、あなたは私に使命を下した。たしかに、それに賛成したのは他でもない私だが…この魂の老い、そして数々の苦悩をどう対処してくださるのですか!!」
 神は手を目にあて、悩んだ。
「それは悪い事をした…しかし、この広い空間でたった数人の人間を発見することの難しさを理解してくれ。」
 その言葉にも不満のあるセロファンは、なおも神を見つめ続ける。神は、このままでは最高の位にある者としてまずいと、何かをしようと思った。その時天空から目に入ったのが、セロファンに言われてつい先ほど見つけた人間の集落。数割は完全な人間ではなく『怪物』だろうが、その中で一人の男の姿が目に入った。しかしこれは、神の思考に大きく影響したのだった。
「…つまり…貴様は、人間が現存しているのに関わらず…新たな生命体、それも人間と同等のものを創り上げたのだな?」
 セロファンはうなずいた。
「そうか…よし、ならば褒美をやろう。」
「褒美?」
「そうだな…不老不死の体だ。不死身とは違うが、健康的に過ごせば老衰によって死ぬ事はなく、また体がこれ以上衰える事もない。永遠に生き続けられるのだ。」
「永遠…に?」
「ただし、条件というものがある。先ほどの私の言葉から分かるとおり、人間と怪物、この二つがたとえ一つだけでも共存していなければならない。どちらかが死に至った場合、不老不死の体は無くなり老いて死ぬはずだ。両者の死は…以前言ったのと同じ。」
「無になるのか…では…仮にそれを決行したとしたら、この老いた状態からの『不老不死』か?」
「不満ならば、別の方法を考えよう。私としては、一番の解決方法なのだがな。」
 いきなりの重大な選択に、一分ばかり彼は考える。神が自ら言ってくれたことなので、みすみすチャンスを逃すのはもったいないところ。そして…。
「よし…それを受け取ろう。しかし、そんなことが出来るのか?」
「ああ、出来るとも。今だけはな。一石二鳥、だ。」
「…?」
 その時言った神の最後の語句が気になったが、彼は神の質問に対し二つ返事でイエスと言ったのだった。

 一方、ある男のところには不幸が訪れようとしていた。そう、あの男のところに。



「うっ…どういうことだ…」
「レイク様、どうなさったのですか?」
 第二の大洪水計画を始動させようとした時に、その男には原因不明の出来事が。
「分からない…ただ…体が突然…」
 レイクは突如体に異常をきたし、倒れこんだ。
「そんなはずがない…私は健康で…悪党で…」
「レイク様…」
「…夢を成し遂げる男なのだよ…!!それなのに…なぜこのようなことが…」
 彼は目を閉じた。
「無念だ…こんなことが…あっていいはずがない…私は必ず…また…理想へ近づくぞ…!!」
 その瞬間、レイクは謎の死を遂げたのであった。

「セロファン様…セロファン様!?」
「うっ…」
 突然、一度死んだはずの怪物の創世者は息を引き返した。
「セロファン様、どうなさったのですか!?つい一時間ほど前、確かにセロファン様は息絶えたはずなのですが…」
 自分の言っている事がおかしいとは思いつつも、側近の怪物は説明をした。
「ああ…話をすると長くなる。要するに、私は甦ったのだ。それも不老不死の体でな。」
「…よく分からないのですが…不老不死、ですか?作り話ではなく?」
「この私の存在そのもの現実だ。分かるだろう?」
「はぁ…。」
 訳も分からず、怪物は事態を伝えるために去っていった。

「どうしたんだ、レイク様は?」
 レイク・ザーズ親衛隊なる三体のブロッケン・モンスターがようやく事件を駆けつけて、ここに来ていた。
「なんというかその…死んだのです。」
「…死んだ!?そんな馬鹿な。あんなに元気だったのに…」
「私としても、なぜ今に続いているのか理解できません。ただ…レイク様は死にました。」
「そうか…くそ…」
 自分たちが親衛隊ということもあり、三体は悲しみを覚える。
「こうなったら…レイク様の信念を貫き通すべく、計画の実行を…」
「ダメです。物質のことを知っているのはレイク様のみ…計画書は償却されたのですぞ。」












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