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スライムになった私は母親らしいです 作者:Yuyu*@栃木好
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02 冒険者はじめます

 人間や亜人の連合軍――人類軍と呼ばれるそれと、魔族や魔物の連合軍である魔王軍の戦争が始まって数年がたった今、冒険者の需要はかなり高まっている。
 それは戦争の兵や裏作業などについてもということもあるけれど、国が対応してくれない問題を解決する役目としての側面が大きい。元ご主人様が冒険者に簡単に慣れたのも、その需要故にだったりする。
 そんな極端な2つに分かれている最中で、魔族と人類の共存を目指す小国が大陸の外れに存在した。そこは私が連れて行かれたダンジョンから一番近い国・ユニアラート。
 とはいえ、そう簡単にもいかないらしく、国内での喧嘩はしょっちゅうと聞いたことがある。元ご主人様は準備もろくにせず宿に泊まっただけで、ダンジョンに向かったから詳しく国を見ることはできてないから、知識だけだけど。

 私は小国の入り口にたどり着く。この国は門番は立っているものの昼間は1番大きな正門は開放されていて誰でも入ることができる――人型だったり、人のように自己やモラルを持てる種族なら魔族も含めて……だから、私も特に何も言われずに国に入れる。
 でも、お金がないということに今気がついた。
 これじゃあ、宿を取るどころかご飯も食べられそうにない。
 私は体を半回転して正門までもどる。そして、門番として立っていることに飽きたような1人に話しかける。

「すいません」
「うん、なんだ?」
「冒険者ギルドってどこですか?」
「冒険者ギルドならこの大通りを進んでいくと噴水がある。そこにたどりついたらそのまま左の道に進むとある。道を除けば大きな看板が目立つから噴水まで行けばすぐわかるだろう」
「ありがとうございます」
「いやいや……しかし、その目は君は魔族かな?」
「一応」

 厳密には多分魔物の部類だと思うけど。

「それなら、少し気をつけたほうがいい。この国は共存を目指しているとは言え、冒険者には流れの者も数多くいるからな。魔族をあまり良く思ってない人間もいる」
「……わかりました。ありがとうございます」
「礼儀正しくて、おれは好きだけどな。がんばりなさい!」

 門番さんに見送られて再び大通りを進んでいく。
 暫く進むと言われたとおりに大きな噴水がある広場にでた。正門に向けた道の他に3つの通りへの道がある。
 言われたとおりに正門からまっすぐ噴水に進む方向を前として左の道へと進む。

 ――それはすぐに現れた。

 2階だての大きな建物で、一応見覚えのある建物。入り口には冒険者ギルドの文字がでかでかとかかれて、エンブレムが掘られている。
 扉を開けて中に入ると様々な冒険者で賑わっているが、そこそこに私と同じように魔族の特徴を持った人達がいる。わかりやすい人から、普通の人にしか見えない人まで多種多様だ。
 だからこそ、人間や亜人の一部の人からの視線も感じ取れるけど――元ご主人様に連れ回されたときの視線に比べれば気にならない。
 ひとまずは周りの視線を無視して受付と思われるカウンターへと向かう。

「あら、いらっしゃい。今日はどういったご用件ですか?」
「冒険者登録をしたいんですが」

 この大陸の冒険者は登録制になっていて、大陸の様々な場所にあるギルドで登録して、エンブレムの入った資格証をもらうだけで認定される。
 これをとればよっぽどの問題はひと目で分かる人以外は、冒険者になれるわけです。

「名前をお願いします」
「えっと……リティス」
「ファミリーネームは……」
「必要ですか?」
「規則ですので」
「アミリシア」
「リティス・アミリシア様ですね。それでは少々お待ち下さい」

 受付の人はそう言って、カウンターの奥の部屋に入っていく――数分後、戻ってきて受付カウンターの上に魔石を加工したと思われる四角い道具を持ってくる。

「利き手の甲をだしていただけますか」

 私は言われたとおりに右手をだす。するとその道具を私の甲に少し押すようにされた。石が離れると、私の手には冒険者ギルドのエンブレムと同じ紋様が浮かび上がって、すぐに見えなくなった。

「魔力に反応させて見せることができます。それぞれご本人様の魔力での反応となり、こちらの魔石で、魔力をギルドで登録したことが記録されました。これで、リティス様を冒険者と認定いたします」
「わかりました」
「では、簡単にこのギルドの説明をさせていただきます。この国は人魔共存の国となっておりますが、冒険者は旅職とも言われる職です。ある程度の分けた区間が存在します。入り口から向かって右のフロアは人間やエルフ・ドワーフなどの亜人の方の人類スペース、反対の左が魔族の方や魔物の方のスペースで中心のフロアは共通スペースとなっております。階段を登った2階も同じとなっておりまして、依頼は簡単なものは1階、危険度の高いものは2階の受付横にある掲示板にあります。その他、飲食の注文などは、それぞれの階にある売店をお使いください」
「わかりました。ありがとうございます」
「それでは、これからよろしくお願いいたします」

 挨拶を終えてから少しギルド内を見渡してみる。共有スペースにもそこそこ人はいるから、一応わかりやすい問題はギルド内では起こってないのかも。
 私はひとまず1階の掲示板を見て、誰でもできて魔族の人でも大丈夫と丁寧に書かれていた依頼を受付に持っていって、早速仕事にでかけることにした。
 それでもやっぱり人がいっぱいいる所は少し怖いし、お金ないから。
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