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あ、俺そういうのいいんで

あ、俺そういうのいいんで

作者: りんごさん

「おい、どこだよ、ここは!!」

「お前ら誰だ!!なにをした」

4時間目の授業の途中、12時を指すほんの少し前、突然教室が赤く、そのあとオレンジ色にビカーーーッて光ったと思ったらこれだ。

どこかの地下室かなにかかな。電気が通っていないのか、ところどころ蝋燭だけが明るい。

クラスメイトは席順のままだったけど、端にいるぶっそうな武器を持ったおっさんたちのせいで中央に身を寄せている。

「だから、ここはどこなんですか!?」

返事かない。見たところここに居るのは兵士で発言すら許されていなさそう。

そこへ、扉の開く音がした。どうやら地下室ではなかったらしい。扉の向こうの窓に空が見える。なんだ、この部屋に電気ないだけか。

二人の男と一人の女性が入ってくる。男の一人は背が低くなんだろ、白い足元まである服を着ている。もう一人はいかにもな兵士だ。その上、露出狂。周りの兵士に比べ鎧の部分が少ない上、見えているのが素肌だ。服はどうした。とくに下。最後の女性は明らかに住む所が違う人だ。歩きからして。

「おい、お前!ここどこだ。なんでこんなとこにいる!どうなってる!!!」

声を荒げ現れたちっさいおっさんの方に詰め寄る、が。

「控えろ!お前らの話は後で聞いてやる」

詰め寄るところを筋肉ダルマに遮られ、さらに突き飛ばされた。

ちっさいおっさんはさらに続ける。

「お前たちは姫さまの天上魔法により、偉大なるリーヒャル様が治めるサトリャ国へ招待されたのだ。まずは有り難く頭を下げ礼を述べよ」

なに言ってんだこいつ。

「え?なに?召喚?」

「ふざけんな!!誰が頼んだよ」

立ち上がり再び近づくも、筋肉ダルマは通さない。

「異世界?召喚?チートきた?」

周りは、少しずつ理解できたやつが現れているようだ。

「申し訳ありません!まずは私の説明を聞いてください」

姫らしい女性が前に出てくる。

周りはザワついている。ん?ステータス?

なにやらそんな単語で何かが起こっているらしい。姫っぽいのがなんか言い始めてるんだけど……

「どうでもいいから、さっさと元の場所に帰せ」

さっきからつっかかってるのは俺じゃない。あいつはそのうちのされるな。そんなことより

「ステータス」

ヨコタ リンドー lv.1

体力:20 導力:17

能力:転移

ん?転移?ってーと行きたい場所を思い浮かべ…

(自分の部屋を思い浮かべる)

て…へ?

「ああ、ここ部屋だ。」

自分の部屋に転移した。って、って、帰ってきてんじゃん。えっと、ま、とりあえず戻るか。

→↓

↑←

「では皆さん、ステータスと唱えてみてください。皆さんにはリーヒャル様の加護が与えられているはずです」

どうやら誰も俺が転移(かえ)ってたことには気づいてないみたいだ。

「まず体力ですがこの世界の人間は年齢と同じ位の値です。鍛えれば上がり、年齢と共に下がって行きます」

「おお!俺は800だ!!」

通りで突き飛ばされても平気なわけだ。

って俺20だぞ。普通じゃん。えと、もう一回、ステータス。

ヨコタ リンドー lv.1

体力:20 導力:16

能力:転移

「あれ?」

MPっぽいこの導力…1しか減らないの?いや、あれ?行って帰ってで2じゃなくて?すぐ回復したとかかな?

「というわけで、皆さん!どうかこの国をよろしくお願いします!」

しまった。何も聞いてなかった。

「今からお前たちを用意した部屋に案内したいところだが、こんなに多く受け入れる予定ではなかった。新兵宿舎を開けて用意しているからしばらくここで待て」

そう言うと三人は出て行った。

「なんで?帰してよぉ。お母さん」

「くそっ!どうすんだよっ!」

泣く女子を慰める女子。理解が追いつかないのか荒れる男子。

理解は俺もさっぱりだけど、やっぱり帰れる余裕で余裕だわ。

「じゃあ、まずここで住むことになるのは仕方ないことだと、皆把握してると思う。そこで、この国に対して処遇改善などの要求をしてみるのはどうだろう」

「なにお前が指揮ってんだよ!」

「いや、能力に“指導者”ってあるからね。交渉は有利になると思うよ」

「だったら私は“交渉人”よ!」

「うるせえ、体力800もあるんだ。俺が力で分からせてやるよ」

「あ、あのぉ…………あの!!」

物騒になる前に伝えないと。

「なんだよ!お前も一緒にのしに行くか?」

「あ、そうじゃなくて…」

「だったら何だ!!!」

「俺、帰れる」

しーーーーん。

「能力、転移で」

「「「「「「「「「「はあああああああああ?」」」」」」」」」」

「なにそれ?え?じゃあ私も一緒に帰れるの?」

「てかなんだそれ?転移っても見える範囲だけとかじないのか?」


「一緒に帰れるかは、やってみないとだけど。ちなみに、家にはさっき一回帰った」

→↓

↑←

そうして、俺たちの異世界騒動は終わった。

いや、ほとんどのやつは終わった。

地球に帰っても能力は残ったままで、ほとんどのやつらは能力を隠したまま上手くやってる。

だけど俺は指導者や交渉人や体力バカ、聖母に代表者なんかに詰め寄られ、週末だけ送り迎えしてます。

俺?俺は家でゆっくり寝てるよ。そういうのいいんで。

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― 新着の感想 ―
[一言] こうゆう子好き
[一言] 凄い転移能力だな~w 主人公さっぱりした性格で良いですね。 でも送り迎えさせてる連中はそのまま異世界に居ろ!と思いました。
[良い点] え?つづきみたい
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