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どりーむパークのパンダさんはたいへんお疲れのようです。 作者:ちはや れいめい(千岩 黎明)
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8/27

森でなく、げーむせんたーでクマさんに出会いました。

 10月に入ってから、寒い日が増えてきました。
 パンダは着ぐるみですから、フェイクファーボデーであったかですよ。抱きつくなら今です。
 景品の宣伝だからと、最近アライグマのしょるだーばっくを提げてます。
 今日は『げすと』が来るとテンチョーが言っていたから、嫌な予感がしつつ事務所に行きます。

「あら。来たわね、パンダさん」

 なんとテンチョーだけでなく、もちやのサトさんもいます。
 さらにはウサギさん……じゃない、見たことないピンクのクマさんがいます。
 なんか爪がとんがっててかっちょいいです。
 なんとなく景品の『とりみんぐ』だか『くりーにんぐ』だか、長い名前のクマさんに似てます。
 パンダは5文字以上の横文字を覚えるのが苦手なので、うろ覚えです。

「パンダくん。こちらヌイ○ルーミーさん」
(わかりました。ぐるーみんぐさんですね。ヨロシクです)

 やっぱり先週入荷したクマさんでした。
 テンチョーが今日のお仕事内容を説明する。

「今日パンダくんはビラ配りしなくていいから」
(え、じゃあなにするんですか)

 ビラ配りがメインのお仕事なのに。
 困っていると、ぐるーみんぐさんがパンダの肩に爪を乗せた。

(なんですか?)

 パンダが首を傾げると、ぐるーみんぐさんが勢いよく素振りした。パンダの頭にヒットして、頭がぐるぐるします。

(なにするんですか。ぼくはぱんちんぐマシンではないですよ)

 ウサギさんがヒーローまにあなら、くりーにんぐさんはプロレスまにあでしょうか。勢いでズレた頭を直しつつ、お辞儀する。

 ズビシ!

 後頭部になにか降ってきました。
 ろーでぃんぐさんは腕を掲げて雄叫びをあげんばかりのポーズをとる。
 テンチョーが笑いながら説明してくれました。

「ヌイ○ルーミーさんは獰猛なクマという設定のキャラ着ぐるみでね。殴られる役が必要なんだ。だからパンダくん。サンドバッグ役を頼むよ」
(笑顔でそんなおっかないこと言わないでくださいいい!)

 親指たてて歯をキラッと光らせたって、言ってる中身は「黙って殴られろ」です。
 事務所の扉に手をかけ、走る。

(逃走!)

 森でクマさんに出会ったら死んだフリでしたか。
 どりーむパークで出会ったときの対処法なんて、逃げる以外知りません。

「逃げたらあんまんが超獄辛麻婆まんになるよ」

 背中にテンチョーの爽やかな声が届き、足が止まる。
 もしかして、ときどきあんまんが豚マヨまんやエビチリまんになってるのはテンチョーがわざとやってるんですか。
 怖くて確認できません。

「今出勤してるのハナさんだけなのにね。パンダくんはハナさんに殴られろって言える?」
(……ぼくでいいです)

 女の子にそんなこと頼めません。
 そんなわけで、アライグマのカバンでビラ配りのはずがサンドバッグ役をするはめになり、パンダの心の声は今日も届かないのだった。
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