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どりーむパークのパンダさんはたいへんお疲れのようです。 作者:ちはや れいめい(千岩 黎明)
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14/27

新生パンダの初陣 *

(るんるんるーん)

 ハロウィンが終わり、今日パンダはメダルコーナーの飾り付けをクリスマスしようするお仕事をしています。
 スロット、パチンコといった定番のものから16のステーションがある巨大なメダルマシンまでいろいろ。
 最近釣り竿型のこんとろーらーがついたつりメダルゲームも導入されました。
 壁に貼ってあったかぼちゃとこうもりのフェルト布をはがして、代わりにりーすともみの木をくっつけます。

「おーいパンダ。このゲームどうやって遊ぶんだ?」

 いつもスロットで遊んでいるお兄さんです。オレンジのとさか頭と両耳にピアスがたくさんです。
 お兄さんが赤いメダルカップを片手に声をかけてきます。

(ふふふ。今日からは量産型パンダじゃないですよ。どりーむパークの平和を守る、アンパンダーです!)

 アンパンダーは、先週のあんけーとでつけてもらったパンダの名前です。
 胸を張ってセイヤくんに作ってもらった左胸の名札を示す。
 お兄さんはパンダと名札を見比べ、げらげら笑う。

「ははは。いーじゃん。空飛ぶパンダのヒーローみたいで。飛べないパンダはただのパンダってか?」
(空飛ぶパンダはまずいないですよ)

 せっかくカッコいい名前なのに飛行機の赤い豚呼ばわりです。

「アンパンー。このゲームやり方教えてくれよ。救いのヒーローだろ」
(いいとも)

 略し方が変です。でも突っ込めません。
 気を取り直してくりすますの箱をはじっこに片づけて、釣り竿をとります。
 メダル投入口にどりーむパーク専用パンダしるえっとのメダルを一枚入れる。
 正方形の釣り堀を模した画面があって、4辺に2個ずつ釣り竿がついています。丸いスタートボタンを押して竿を振り上げて投げる。
 すると竿のせんさーが反応して画面の中に釣り糸が落ちます。
 画面の中を泳いでいる魚の横に1とか20とか数字がついていて、うまくつり上げられたらその数字の分だけメダルがもらえます。

(さんま、さんまが来ました!)

 3がついたさんまが泳いできて、パンダの投げた餌に食いつきました。
 竿こんとろーらーが激しくふるえます。
 ばいぶ機能つき。手がぶるぶるしてます。

「うお! すっげーリアル! いいなこのゲーム!」
(あ、後少しです)
「アンパンちゃんがんばれー!」

 がんばって竿についたりーるを回します。いつの間にか回りに集まっていた小さい子たちからも黄色い声援が届きます。
 ぷつ、といい音がして竿が軽くなりました。

(そんな……食い逃げです……!)

 その場にひざをついてうなだれる。
 隣の釣り場では一回みただけで要領を得たお兄さんがまぐろやクジラを釣っています。

(ぐすん。まだまだヒーローになれません)

 さんまに逃げられるようでは、しょっかーすら倒せません。
 パンダの中で、釣りゲーム制覇という新たな目標が生まれた瞬間であった。



 ――その頃ウサギは。



 おれっちは舞い散る紅葉や銀杏の葉を見ながらどっぷり硫黄の香りの湯に浸かる。
 ピンクの布地が重くなる。
 湯気のたつ赤っぽい湯から腕を出し、頭に乗せたタオルを直す。
 どこからかやって来た野うさぎに心で語りかける。

(いいか、野うさぎよ。おれっちは量産型ウサギから進化した。“うさうさ”だ。もううさたんだのウサピョンだの女々しい呼ばれ方をしなくてよくなるんだ。わかるか)

 野うさぎは小首をかしげ、おれっちの横に座る。
 夕焼けもきれいだし、うるさいサトはいないし最高の気分……。

挿絵(By みてみん)

「ちょっと、うさうさちゃん! 今日は休みじゃないわよ。早くフロアに出なさい!」

 後頭部に強い衝撃を受けて顔をあげると、般若の形相のサトがピコピコはんまーを持って立っていた。

(ななな、なぜここに!)

 あわてて辺りを見回すと、そこは山奥の秘湯ではなくもちやの休憩室だった。積まれた書類や見本用おもちゃの空き箱が昨日のままだ。

(そんな、夢オチなんて……)

 手渡されるのはプリ○ュアの衣装。風呂用タオルと手桶ではない。温泉が夢だとわかったとたん、余計疲れるのだった。
前回はパンダアンケートに投書をいただきありがとうございます。
抽選の結果、パンダくんの名前は「アンパンダー」、ウサギさんは「うさうさ」に決まりました。
当選した方もそうでなかった方も、参加してくださったことに感謝します。
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