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どりーむパークのパンダさんはたいへんお疲れのようです。 作者:ちはや れいめい(千岩 黎明)
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10/27

パンダ逃走中

「あ、パンダがいるー」
「ええ? なんでこんなところにパンダ?」

 道行く皆さまがパンダを見ています。
 指を差さないでください。
 今日のパンダがいるのはどりーむパークではありません。
 1階ふろあです。
 いつも聞こえるテーマソングは遥か彼方です。
 テンチョーが意地悪して獄辛まんばかり出すのがいけないんです。
 パンダにばかり辛い仕事を押し付けるのが悪いんです。
 テンチョーが謝るまで帰りません。
 置き手紙も残しました。
 家出といっても、パンダはほぼどりーむパークから出たことがありません。
 しょっぴんぐセンターの外は知りません。
 気がついたら、おもちゃのもちやに来ていました。
 ウサギがピョコピョコもちやさん、とのどかな感じのテーマソングが流れています。

(ぐすん。ウサギさんならこの辛さ、わかってくれるでしょうか)

 話くらいは聞いてくれそうです。
 パンダたちはおしゃべりできないので筆談ですが。
 ウサギさんも何かあったのか、とりみんぐさんが来て以降片方の耳がぺしょんと折れてます。

「あら? どうしたのパンダくん。なにかお届け物の仕事かしら」

 もちやの店主、サトさんが大きなファイルにペンを走らせながら聞いてきます。家出中とは口がさけても言えません。
 もしかしてテンチョーに連絡して、パンダの居場所を教えてしまうでしょうか。逃げちゃおうか迷います。
 サトさんはちょっと考え、口許に人差し指を当てて上を見た。

「うーん。ということは、パンダくんのところに行ったんじゃ無かったのね。どこに行ったのかしら」
(え? 誰がですか)

 話が飲み込めません。
 パンダが身振り手振りで聞くと、サトさんはファイルの一番上から紙を出して見せてくれました。

“あでぃおす、あみーご。ウサギ”

 ……なんでスペイン語なんですか。
 さらば友よって。
 誰かツッコミを。いえ、説明をお願いします。
 ウサギさんは普段の筆談で、えどっこ気質だと思っていました。どこで学んだんでしょう。
 突然のことで混乱しましたが、ようはウサギさんも家出したんですね。
 いつもかわいいお洋服を着せてもらえて、なにが不満だったんでしょうか。

「まあ、何はともあれパンダくん。手が空いているなら手伝ってくれない? ウサギさんの代わりにプリ○ュアの服を着て風船を配って欲しいの」

 あれよというまに大きなリボンがついた、ピンクのスカートとブラウスを着せられます。
 生まれてはじめて、まともなかわいい衣装です。
 風船たくさんで、あと10個くらいあったら空を飛べそうな気がします。

「あれぇー? きょうはうさたんじゃないの?」
「うさたんどこー?」

 小さい子が2人、パンダのスカートを引っ張ります。
 わからないので首を振ります。 

(パンダにもわかりません)

 寂しそうな小さい女の子2人の頭を撫で、パンダは考えました。
 ウサギさんもパンダと同じで視界が狭い。クビカリ族に襲われていたら大変です。
 代理の風船係が終わったら、ウサギさんを探しに行きましょう。  
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