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作者はss初心者です
 更新はネットの都合により不定期です

 以上のものが苦手な方は気をつけてください
第零話 終末、あるいは全ての始まり

 むかしむかし、あるところに
 とてもえらいかみさまがいました
 
 かみさまはどんなこともできました
 かみさまはどんなこともしっていました




 あるとき、かみさまはきがくるってしまいました



 
 かみさまはそのこともしっていたから
 じぶんのたましいをぶんかつしてきょうきとしょうきをわけて
 きょうきをちちゅうふかくにふういんしました
 

 それでも、かみさまのきょうきはせかいをむしばんでいきました

 
―――この世界は失敗だ。


 かみさまはまちがったせかいをおわらせて、あたらしいせかいをはじめることにしました
 
 かみさまはくるったせかいで、ゆいいつしょうきをたもっていた七人の“かよわいもの”に、じぶんのしょうきとたましいをぶんかつしてあたえました



 そのときには、すでにかまさまのきょうきはせかいすべてをのみこんでいました



 そらはおち
 じめんはくだけはて
 じかんはすすまず
 ひとはいぎょうにかわり
 りんじんどうしがころしあい
 すべてがきょうきのせかいにかわっていきました


 七人の“かよわいもの”はなかまやかぞくをうしないながらも、がんばってがんばってかみさまのきょうきをくちくしていきました


 ひとりはほこりをもって
 ひとりはなかまといたいために
 ひとりはぎふんをかんじ
 ひとりはいやいやながら
 ひとりはちからをてにいれるために
 ひとりはしょうそうをかんじ
 ひとりはまもるために


 ともに


―――次は、優しい世界に生まれますように


 とおもいながら



 ただ、たたかってひとりきえて
 やりかたをまちがえてひとりきえて
 ひとりをまもるためにひとりきえて
 でも、まもれずにひとりきえて
 よくにてをのばしすぎてひとりきえて
 さいごのいしずえになるためにひとりきえて



 さいごのひとりは、ちとなみだをながしながらさいごのきょうきを“む”にかえしました










 
 
 
 







 そして、せかいはほろびました












+++




ただ、それだけの話。




+++







 混沌。
 世界は極彩に満ちていた。

瞬間的に漆黒に為り白亜に染まる、、そして、赤青黄緑橙紫藍白黒と順繰りに極彩に満ちる。

それは刹那の間に繰り返えされる。

 永遠と。

 そこはどのような人間(或いはどのような生物)にも平等な空間であった。
 如何な暗愚な凡人も邪悪な悪人も清廉な聖人も全てが等しく狂気に陥り死に到る、その様な空間であった。


 ただ、一つの存在を除いて。






 窮極の混沌。

 そのように称されるべき場所だった。

 擦れるようなフルートと陰鬱な太鼓の音、死臭とともに呆けた様に舞う緑の炎。

 それを感じつつ“それ”は泡立つように粘液のようなものを滴らせると身体を捩じらせた。


 
 “それ”は“彼”は“混沌”は静かに思考を“開始”する。




 そして“それ”はその窮極の混沌の中心でわななく様に吐息のようなものを零した。





───何故。と





 “それ”はただの現象であった。

 “それ”はただ全てのものを極彩という名の『無名の霧』に変える存在であった。

 “それ”は、知性も魂も持たぬ盲目白痴の神であった。

 “それ”は沸騰と明滅を繰り返す肉体と数里にも及ぶ触手を持つ魔王でもあった。

 “それ”はただ全てのものを変換し配置し陳列し配線し結合させから『無名の霧』に変えるシステムであった。

 “それ”は全次元、自らを含む全てのものを『自在する源』に変換し終え、退屈だった。

 そして、“それ”は七人の“かよわいもの”の最後の一人だった。

 そして、“それ”はただの少年でもあった。



 彼は目 (のようなもの)を開き、黙考する。







―――全てが狂気に染まる世界で狂気に染まらぬもの、それはすなわち………。






―――狂人だけだ。






―――何故今になって意識を取り戻した?………。ふん、まあいい、俺に運命の女神の心持ちなどまったくわからん。……、偉大な偉大な神様の粋な贈り物だと思うことにしよう。




―――しかし、何故今になって、ああ本当に何故今になって、だ。………っは、神様は気まぐれがお好きだなあ、おい!そんなに人間弄ぶのが好きかぁ!



 “それ”は自分たちに滅ぼすという運命を与えた神に対し冒涜的な言葉を吐き散らす。

 ひとしきり喚いた後、一つ溜め息を吐いた。






―――はあっ………、神のことはもういい、どうでもいい、殺して解体して混沌に変えちまったからな。



 
 “それ”は気を取り直して、思考を再開する。





―――残りの時間は何をしようか。えーと残り時間は………、霧が俺の体を覆いつくすまで後一刻ほどか……。





―――ああ、どうせ最後だし形だけでも人間の姿で、………俺が好きだった時間でも思い出して終わるか……。


 



 “それ”は無限に等しい数の触手を蠕動させ、数里にも亘る己の体を圧縮する。

 





「………よし、と」 


 “それ”から“彼”へと己の体を変換し終え、徐々に色の密度を増していく混沌の中心で体を横たえる。




 彼は静かに目を閉じた。


 彼の目蓋に映るのは、育ててくれた両親と六人の仲間と過ごした他愛もない時間。








―――やっべー、××、なんか知らないけど、神託受けて世界を救うことになっちゃたぜ。

―――は?むしろやばいのはお前の頭じゃね?(実は俺も受けたけど)

―――ひっどいな、おい!


 くだらない話をして、すごした時間。


―――××

―――何だよ、父さん母さん。

―――××、お前は私たちの知らない、知れない事をしているのだろう?

―――………。

―――男なら、最後まで誇りを持ってやり通せよ。


 ただ自分を支えてくれた、両親。



―――めーんーどーくーさーいーーー、××、手伝ってーーーー!

―――××、この子を甘やかさないで頂戴ね?

―――はは、わかった、こいつが死に掛けるまで手伝わない。

―――ひーどーいーーー!



 けど仲間は一人一人いなくなっていく


―――僕、この戦いが終わったら、結婚するんだ……。

―――相手居ないじゃん

―――ギャグだよ!バーカ!


 戦いの中で培われていった絆。


―――あの、××、これが終わったら、話したいことがあるんだけど聞いてくれる?

―――はいはい、死亡フラグね、じゃ、おつかれー

―――ちょ、ま!


 そして終わり近づく


―――××。

―――…………。

―――すまない、ありがとう………。

―――っ!らしくねえなっ!いつもみたいにスカした顔で馬鹿にしてろよっ!

―――はは……、今だから言うがな、わたしは××お前に惚れていたんだ………。

―――おい!何諦めてんだよ!別の方法があるだろ!…………俺を一人にするんじゃねえっ!!

―――我侭いうな……。じゃあな………××、月並みな言葉だが私はここで消えるけれど、私は私たちはお前の心の中にいる、なあ××、お前と居れてよかったよ、………次は、次こそはもっと優しい………世界に……生まれま……よ…に。

―――聞こえねえ!聞こえねえよっ!おい!おいっ!!………あ………あ……あ…ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!



 そして、最後は彼一人




 力に犠牲は付き物という。


 
 彼は全てを失い世界を終わらせることすらができる力を手に入れた。
 しかし、それは


「皆と引き換えなら意味がねえっ………」


 彼は天を仰ぎ自分の胸を押さえる。彼の癖、そこには七人分の神の力のシャイニング・トラペゾヘドロンが埋められている



 救うために戦ったはずだった。

 守るために頑張ったはずだった。

 いつしか殺すために戦って。 

 滅ぼすために努力した。



(終わり《いま》になって心を取り戻すなんて)





「怪物と戦うものは、怪物とならぬように注意せよ、か、至言だな」







 何時からか神の狂気は彼をも蝕んでいた。

 彼が狂って怪物になったのは何時のことだろう。

 初めて仲間が死んだときに無力を感じた時からかもしれない。

 或いは、かつて両親だった“モノ”を殺した時からかもしれない。 

 或いは、悠久のごとき時間を一人で作業を進めていた時からかもしれない。

 或いは、

 或いは。






………………

…………

…… 


 肉体は異形と変わり、精神は白痴の如きものになる、はずだった。

 その身は終末まで冒涜的な言辞を吐き散らして沸きかえるだけの存在、のはずだった。


「絆、か」





―――私は私たちはお前の心の中にいる




 
―――ああ、本当に





「陳腐だがいい言葉だ」





 終わりが近い。

 既に全身は極彩という名の混沌に覆われている。

 フルートと太鼓の音、踊る緑の炎ももう見えないし聞こえない。


 彼はそうだ、と思いつく。


「混沌よ、お前を見るのは俺で最後だろう、お前を感じるのも俺で最後だろう、名をくれてやろう、お前の名は………」

 そこで一瞬、考える。

 目を開ければ、森羅万象に満ち広がるような極彩。

 それは誰にも触れられることなく永久に世界を循環させていく。

(ウロボロスってなりじゃないよなあ……)

(なら)

 彼は昔読んだ小説を思い出し、少し笑い、口にした。

「お前の名は
       自存する源《ウボ=サトゥラ》だ」


(俺は、世界を始め終らすアザトゥース、だしな)


 それなら、あいつらはなんだろうか、
 この神話ならさぞかしエグイ神性になるんだろうなと笑う。


 ひとしきり笑い、またひとつ息を吐く。




(もし、もし次というものが有るならば)


 否、と静かに首を横に振る。

(悔いは有る、有るが俺の生を振り返ってみて……)


「悪くない、いいダチも出来たしな」



 長い長い旅路の果てで、彼は心を取り戻し。



「はは、なんだろう、俺には何もないのに、心を持つだけで満たされてる………、ここに皆がいると思うだけで幸せだ………、人間って、幸せなんだな………」




 彼は、穏やかな気持ちで目を閉じる。



 そして彼を混沌が覆う。



 そして























 白光ホワイト・アウト











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