怒の章<1〜5>
<怒の章>
1
怒るが故に
眼をこすり
怒り、
または叫び、
ついに涙は、
空に。
2
水と氷
かなしいことだ。
水よ、
お前になにがわかる。
氷のしあわせがわかるのか。
命のかがやきを、わかるのか。
むなしいことだ。
氷よ、
お前になにがわかる。
水のおかしみがわかるのか。
生命の火柱が、わかるのか。
つらいことだ。
水よ、氷よ、
お前たちになにがわかる。
つめたいお前たちに、なにがわかる。
なにがわかるのだ。
3
血
なまぐさい、人世のなかに、
生きるものの正義は、どこへ行った。
疑問ばかりの生き方に、
人世の正義を加え、
人になるのか…。
青い血を吹く人間よ、
その血は、誰の為の、誰の為の。
なまぐさい、あの世のなかに、
生きる正義は、あるのだろう?
疑問ばかりの生きかたに
区切りを加え、
また、人になるのか。
赤い血を吹く人間よ、
あの血は、何の為の、何の為の…。
4
宗教
くるしいですか? くるしいのですか?
それがないと、だめですか?
それがないと、「だめ」ですか?
一人では、無理ですか?
一人では、無理ですか?
つらい、つらい、つらい、つらい。
つまらない、つまらない、つまらない。
頭を、打ったのですか?
つまらないものに、
頭を打ったのですか?
助けてくれたのですか?
その、
無形のものは。
有形のあなたは、無形の、宗教に、
助けてもらえたのですか?
ならば、
殺してください。
さあ、殺してください。
説法を唱えながら、
さあ、殺してください。
あなた方の、生きかたでしょう。
殺してください。
天の国へ行くか、
さあ、殺してみましょう?
欲しい、のでしょう。
真理という、
人工物を、
ほしいのでしょう!
だったら。殺してください。
5
ばけもの
ある人のたわごと戯言。
「だめだよ、日本国は」
あるひとの戯言。
「あの時代があったからだ」
ある人の戯言。
「その程度の金で」
ある人の戯言。
「つまらない時代だ」
ある人の戯言。
「悪いのは、だれだ」
ある人の戯言。
「なにも言わないじゃないか」
ある人の戯言。
「あの時代を乗り切ったのだぞ」
ある人の戯言。
「つまらないことを言うな」
ある人の戯言。
「だから、どうした」
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