挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
召喚幻想紀 - 召喚魔法で作り上げた最強パーティーがチートすぎる件について - 作者:花京院 光

第四章「本拠地編」

49/50

第四十九話「魔王」

 レベッカから魔王の存在を聞いた俺達は、すぐにザラスに戻り、冒険者ギルドのマスターベルネット、魔法学校学長、魔術師ギルドのマスタークラッセンに相談した。
 二人共、既に魔王を名乗る精霊王の加護を持つ者の事は知っていたらしいが、ザラスでの目撃情報も無ければ被害も無い訳だから、防衛を固めておくだけで、自らアークデーモンを討伐に行こうとは考えていないらしい。

「レオン。アークデーモンがザラス近辺で目撃されたら、レオン達で討伐してきてくれ。もし敵が複数なら俺も参加しよう。まぁ、魔王を名乗って殺人を犯す様な輩はいつの時代も居る。ザラスでの殺人なら、ザラスの冒険者である俺達が動く事になるのだが……相手が本物の魔王。すなわち大陸を支配できる程の力の持ち主なら、どこに隠れて居ようが全力で叩かなければならない」
「そうですね。大陸を支配できる力を持つなら、俺も直接魔王を倒しに行くつもりです」
「頼りにしているぞ。そして、あまり心配しすぎるな。過去に魔王を名乗る者が大陸を支配出来た試しが無かった。いつの時代にも勇敢な冒険者が居て、悪は必ず討ち取られる」


 精霊王の加護を使い、闇属性の幻獣、アークデーモンを操って大陸を支配しようとする魔王の噂は、次第にザラスの町に広がり始めた。

 レベッカがパーティーに加入してから二ヶ月が経った頃、俺の本拠地で仲間が殺された。
 夜の見回りをしていたドラゴニュート達が殺害されたのだ。

 本拠地の屋敷で寝ていた俺は、急いで仲間を叩き起こした。
 ついに魔王がザラスまで来た……。
 俺はベヒモスとゲイザーをリーダーに、本拠地の護衛を任せた。
 リリー、リーシア、シルヴィアを連れてレッドドラゴンに飛び乗り、ザラスに飛んだ。


 ザラスではマスターベルネットをはじめとする冒険者が、魔王が召喚したであろう、闇属性の魔物と交戦している最中だった。
 敵は幻獣のアークデーモン。
 体長は五メートルも有りそうな人形の魔物で、背中には黒い翼が生えている。
 大剣を操り、次々と冒険者達を殺して回っている。

 信じられないな……。
 これは現実なのか?
 俺は夢の中に居るのではないか?
 まさか魔王がこれ程までに大量の魔物を操り、ザラスに奇襲を掛けるとは。

 俺はレッドドラゴンの背中から、次々とアローシャワーを放った。
 アークデーモンは非常に機動力の高い魔物で、俺のアローシャワーをいとも簡単に回避する。
 全身が黒い皮膚で覆われており、赤色の気味の悪い目が楽しそうに笑っている。

「レオン! ザラスは俺に任せろ! 魔王を探せ!」

 地上に居るベルネットさんが、大剣の先から強い衝撃刃を飛ばして、アークデーモンを叩き落としている。
 まるで俺のファイアブローが極限までに強化されたような魔法だ。
 属性は聖属性。
 銀色の三日月状の刃がアークデーモンの体を切り裂く。

「わかりました!」

 俺はレッドドラゴンに乗ったまま、アークデーモンの群れを掻い潜り、魔王を探し始めた。
 リーシアはソードレインを放ってベルネットさんを援護している。
 ベルネットさんが地上から衝撃波を飛ばしてアークデーモンを叩き落とし、リーシアが大量の氷の剣を降らせてアークデーモンの体を貫く。

 俺達が魔王を探しながらアークデーモンと交戦している最中、信じられない魔物を目にした。
 レッドドラゴンを遥かに大きくしたような見た目で、全身が黒い鱗で覆われている。
 ブラックドラゴン……。
 間違いなく幻獣クラスの魔物だ。
 口から黒い炎を吐き、ザラスの町を燃やしている。

 地上では魔法学校の学長、魔術師ギルドのマスタークラッセンが炎を消して回っている。
 魔法学校の先生達も、住民を守るために防御魔法を展開している。

 まるで火の海の様な凄惨な光景が俺の目の前に広がっている。
 信じられない……。

「レオン! 私はベルネットさんに合流してアークデーモンを倒す!」
「シルヴィア。任せたよ! リリー、シルヴィアを守ってくれるかい?」
「うん!」

 俺はリリーとシルヴィアを下ろしてベルネットさんの援護を任せた。
 この二人がベルネットさんと組めば、アークデーモンには負けないだろう。
 しかし、ブラックドラゴンの戦闘力は未知数だ。
 死なないでくれよ……。

 ブラックドラゴンは俺のレッドドラゴンを標的に決めたのか、口を大きく開いて黒い炎を作り上げた。
 やばい。
 この攻撃は俺では防げない!

 瞬間、地上からは信じられない程巨大な炎の矢が放たれた。
 炎の矢はブラックドラゴンの翼を貫いた。
 ありえない威力の魔法だな。
 まるでファイアボルトだけを長年使い続けてきたような威力だ。

 誰がこんなに強力な魔法を使ったんだ?
 クラッセンさんか?

 地上を見下ろすと、グレートゴブリンとアッシュおじさんが居た。
 グレートゴブリンはバトルアックスを持ち、アークデーモンの頭をかち割っている。
 アッシュおじさんは家の屋根に登り、ファイアボルトを飛ばしてブラックドラゴンにダメージを与え続けている。
 まさか彼が今日来てくれるとは!

 ブラックドラゴンがアッシュおじさんの攻撃に怯んだ瞬間、リーシアのソードレインが降り注いだ。
 俺も負けじとアローシャワーを降らせ、ブラックドラゴンの体に大量の風穴を開けた。

 俺とリーシア、アッシュおじさんの魔法攻撃を次々と受けたブラックドラゴンは、力なく地上に落ちた。
 地上では見覚えのある人物が、ブラックドラゴンに猛スピードで近づいて行った。
 銀色のロングソードをブラックドラゴンの頭に突き立てると、剣に火の魔力を注ぎ、爆発させた。
 この爆発魔法は俺にファイアボールを教えてくれた……。

「父さん!!」
「レオン!」

 俺は地上に飛び降りて父さんの体を抱きしめた。
 随分久しぶりに会う気がする……。

「レオン! 無事か!?」
「ああ、俺は大丈夫だ!」
「レオン! ここは俺に任せて存分に戦ってこい!」
「わかった!」

 レッドドラゴンの背中に飛び乗り、父さんとアッシュおじさん、グレートゴブリンに手を振る。
 グレートゴブリンは全身に銀色の鎧を纏っている。
 ノールを三倍程大きくして、最強にした様な風貌だ。
 流石アッシュおじさんだな……。
 コリント村で別れた時とは比べ物にならない程、グレートゴブリンが逞しく育っている。

「グレートゴブリン! 二人を、ザラスを任せたぞ!」

 俺が叫ぶと、グレートゴブリンは微笑んで俺に手を振った。
 屈強な見た目とは裏な腹な柔和な雰囲気は今でも変わりないな。

 俺は魔王を探し出す前に、本拠地を任せている仲間を連れてくる事にした。
 明らかに戦力が足りない。
 いくらクラッセンさんやベルネットさんが強かったとしても、敵の数が多すぎる。
 数には数で勝負だ。

 たとえ本拠地を襲われて破壊されたとしても、またカイに頼んで作り直して貰えば良い。
 今守るべきなのは、本拠地ではなくザラスだ。

 俺は本拠地に飛んで、ゲイザー、ベヒモス、フーガ、オーク、ノールを連れて来た。
 スケルトン、レイス、ボリスは置いてきた。
 流石に彼らには幻獣相手の戦いは厳しすぎる。
 俺はフーガとオーク、ノールを一時的にベルネットさんに預けた。

 ゲイザーとベヒモスを連れて、魔王を探し始めた……。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ