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召喚幻想紀 - 召喚魔法で作り上げた最強パーティーがチートすぎる件について - 作者:花京院 光

第四章「本拠地編」

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第四十五話「本拠地作り」

 魔法学校の初日を終えた俺達は、ルルを連れて本拠地に戻った。
 本拠地では今日の討伐クエストを終えた仲間達がくつろいでいた。
 ノーラとアルバーン姉妹は既にザラスに戻ったらしく、魔物達は深い森の中でゆっくりと寝そべっている。

「皆! 待たせたね! これからこの土地を開拓をしよう!」

 俺が仲間に呼びかけると、仲間達は嬉しそうに立ち上がった。
 俺はレッドドラゴンに本拠地の周辺の探索を依頼した。 
 悪質な魔物や、野盗の様な存在が居ないかどうか確認するためだ。 
 まずはこの鬱蒼と生い茂った木々を切らなければ、家を建てる事も、魔物のための小屋を建てる事も出来ない。

「スケルトン、ドラゴニュート、オークは木を切ってくれるかい? 力の強いノールとベヒモスは、申し訳ないけど切った木を一箇所にまとめておいてくれ! レイスは周辺の見回りを! フーガ、ボリスは仲間達に食料を配ってくれ! ゲイザーは疲れている仲間が居たら休憩するように指示してくれるかい?」

 俺がゲイザーに話しかけると、彼は大きな目を瞑ってから頷いた。

「それでは、皆。俺達の本拠地作りを始めよう! 作業開始!」

 俺の掛け声と共に作業が始まった。
 俺とルルは木の伐採に加わり、剣を使ってひたすら木を切り続けた。
 念のため斧も持ってきたが、使い慣れているブロードソードに強い魔力を込めれば、簡単に木を切る事が出来た。

 リーシアとシルヴィアは、ザラスで購入した大量のパンと乾燥肉をフーガとボリスに渡している。
 食料を受け取ったフーガとボリスは仲間達の所に運んでいるようだ。
 体の小さいリリーはなかなか手伝える事が無い。
 俺の頭の上で楽しそうに本拠地作りを眺めている。

 しばらく木を切り続けると、辺りの探索を終えたレッドドラゴンが戻ってきた。
 特に異常はないみたいだ。
 三時間程木を切り続けると、本拠地を作るのに十分な広さを確保出来た。
 しかし、木を切っても根が残っていては建物を建てる事が出来ない。

 俺が仲間達に根を抜きたいと相談すると、レッドドラゴンとベヒモスが力づくで木の根を引き抜いた。
 まったく、なんて奴らなんだ。
 ノールもベヒモスの真似をして木の根を引き抜こうとしたが、流石にノールでは強引に木の根を引き抜く事は出来なかった。
 ノールはベヒモスの異常なまでに発達した筋肉を羨ましそうに見つめている。

「ノール。お前だっていつか必ず抜けるようになる! ノールは強い! 沢山食べてもっと大きくなってくれ!」

 俺が乾燥肉を差し出して話しかけると、ノールは目に涙を浮かべて、嬉しそうに食べ始めた。
 ベヒモスに負けた事が余程悔しかったのだろう……。
 木の根を除去すると、土を均す事にした。
 今のままでは根を抜いた箇所が大きくくぼんでいる。

 俺が仲間達に土を均したいと相談すると、ベヒモスは俺に任せてくれと言わんばかりに前に出た。
 ベヒモスは一人離れた場所に立つと、おもむろに地面を殴りつけた。
 瞬間、広大な大地が強く揺れた。
 この魔法はアースクエイク……。

 強い揺れが続くと、土は一瞬で綺麗に整地された。
 なんだんだ……こいつは。
 凄すぎる……。
 仲間達は呆れた表情を浮かべている。
 こうして俺達の超短時間の整地が完了した。

 これであとは仲間達が住める家を建てれば良い。
 しかし、巨体のベヒモスが入れる家等、果たして作れるのだろうか。
 まったく完成形が予想出来ないな……。
 誰か建築関係の知識がある人を連れてきた方が良いだろう。

「今日は皆良く働いてくれたね。ありがとう。何か必要な物があったらいつでも言ってくれ! ザラスの町で買って持ってくるよ」

 俺が魔物の仲間達に伝えると、ゲイザーは羊皮紙と羽根ペンを持って仲間達の要望を聞いて回った。
 スケルトンとレイス達は特に欲しい物は無いらしい。
 ドラゴニュート達とオーク達は料理を作るための大鍋を。
 ボリスは静かに休める場所が欲しいらしい。
 ノールは美味い肉と葡萄酒。
 レッドドラゴンは皆と居れればそれで良いらしい。
 ベヒモスは早く次の仕事をしたいと言っているらしい。

 ゲイザーはいつの間にか人間の文字を覚えており、羊皮紙に必要な物をリストアップして俺に渡してくれた。
 やはりゲイザーは賢い……。

「レオン、そろそろ学校に戻ろうか。日が暮れてきたよ」
「そうだね、リーシア。それじゃ皆、また明日の放課後に来るからね!」

 俺は仲間達にしばしの別れを告げると、レッドドラゴンの背中に飛び乗ってザラスの町に戻った……。

 ザラスの町に戻った俺達は、ルルが行きつけの酒場で夕食を簡単に済ませた後、すぐに魔法学校に戻った。
 魔法学校の大広間に入ると、カイが魔法の練習をしている最中だった。
 どうやら石のゴーレムを作っているらしい。

「レオン。戻ってきたんだね。本拠地に行っていたのかい?」
「ああ、そうだよ。整地をしてきた」

 俺はカイに今日の出来事を話して聞かせた。
 カイは入学の説明が終わってから、学校内を見て回り、魔法の練習をしてたのだとか。

「レオン……俺もレオンの本拠地に行きたい! 俺に出来る事があれば何でも言ってくれよ!」
「それじゃあ……誰か建築の技術がある人を紹介してくれるかい? 家を作ろうと思ってさ」
「小さな家で良いなら俺でも作れるよ。俺は地属性の魔法を練習しているんだけど、この通り、石や土なら自由自在に扱えるんだ」

 カイは両手を開くと、手のひらの上には小さな石のゴーレムと土のゴーレムが出来上がった。
 そうか……。 
 地属性の魔法を使えば、石や土の建物を建てる事が出来るんだ。

「俺の魔法なら、土の大地に石畳を敷く事も出来るよ。かなり魔力の消費が激しいから、大量のマナポーションが必要だけど……」
「本当かい? 石畳か……本拠地の雰囲気が良くなりそうだな」
「ああ。次に本拠地に行く時は俺も必ず連れて行ってくれよ」
「明日の放課後に行くつもりさ。行く時に声を掛けるよ」

 まさかカイにそんな能力があったとは……。
 今は殺風景な本拠地だが、土の上に石畳を敷き、カイの魔法で石の家を建てて貰えば、仲間達が雨風を凌いで暮らせる環境が出来る。
 明日の放課後が楽しみで仕方がない。

「それじゃカイ、また明日。おやすみ」
「ああ。おやすみ」

 俺達は特待生向けの寮の部屋に戻った……。
 意外な事に俺達の部屋のすぐ隣がルルの部屋だった。
 ルルの部屋の奥がカイの部屋だ。
 ルルと別れた俺とリーシア、シルヴィア、リリーは疲れて部屋のベッドに倒れ込んだ。
 今日も沢山働いたな……。

「レオン、私はシルヴィアとお風呂に入ってくるね……」

 リリーはシルヴィアの肩に飛び乗って浴室に入った。
 俺とリーシアはソファに座って葡萄酒を飲み始めた。

「ついに学校生活と本拠地作りが始まったね……これからの生活が楽しみで仕方がないよ」
「そうだね。魔法学校で魔法を習うのか……どんな授業なんだろうね」
「明日の一時間目は、召喚魔法を担当している先生のオリエンテーションだったね。確か名前はフリーゼ先生。入学試験の時、ゴーストを大量に召喚した先生だ」
「あのゴースト……手ごわかったよね。ソードレインの魔法が無かったら、ほとんど倒せなかったかも」
「俺もルルが居なければ、もしかしたら、今頃一人だけ入学試験に落ちていたかもしれない。魔法能力試験では成績があまり良くなかったからね」
「だけど、戦闘能力試験では、ルルと協力して最高点を出したでしょう。凄い事だよ」
「そうだね……でも最近俺は思うんだ。精霊王様の加護で召喚魔法を使えるようになって、パーティーも信じられないくらい強くなったけど、やっぱり俺自身がもっと努力して強くならなきゃってさ……」
「レオンは今でも強いと思うけどね」
「まだまださ……いつか一人で幻獣を倒せるくらい強くなるんだ」

 魔法学校の先生達から強力な魔法を習って、更に強い冒険者になろう。
 強い魔物達を侍らせるだけで、リーダーが弱ければ格好悪いからな。

 しばらくするとシルヴィアとリリーがお風呂から戻ってきた。
 この二人も随分仲良くなったんだな……。
 仲間同士、仲が良いのは嬉しい事だ。

 俺は既にお酒を飲んでいるから、風呂で軽く汗を流してからベッドにダイブした。
 今日もよく働いた。
 本拠地での伐採作業が予想以上に体力を消費した様だ。
 筋肉には心地の良い疲労を感じる。

 明日からは午前中は学校で魔法を学び、午後からは本拠地作りに専念しなければならないな。
 俺が居ない間でも作業が出来るように、だれか仲間を指示出来るメンバーが居れば良いのだか……。
 この際だからアッシュおじさんに声をかけてみようか。
 彼なら二つ返事で本拠地まで飛んできてくれる気がする。

 俺は父さんと母さん、アッシュおじさんに近況を伝えるために手紙を書いた。
 この手紙は明日、フーガかボリスに頼んでアルシュ村に届けて貰おう……。
 明日からの授業についてあれこれ話し合っていると、知らない間に眠りに落ちていた。


 〈翌朝〉

 早朝に目が覚めた俺は部屋の中で魔法の練習を始めた。
 練習と言っても、新しい装備の性能の確認の様なものだ。
 部屋の窓を開けて空気を換気しながら、小さな炎の球を作り上げる。
 炎の球に魔力を凝縮させ、炎の球を二つ、三つと増やす。
 こうして複数の魔力の塊を作り、一度に制御する事によって、膨大な量の魔力が消費される。
 朝から徹底的に魔力を使い込み、全ての魔力を使い果たした頃、リーシアとシルヴィアが目を覚ました。

「おはよう、レオン。朝から魔法の練習……?」
「うん。早朝に目が覚めてしまってね。魔法の練習をしていたんだ」

 俺はリーシアとシルヴィアの髪を綺麗に梳かした後、リリーを起こした。
 眠たそうに目を擦りながら起き上がったリリーを肩の上に乗せると、俺達は食堂に向かった。

 食堂ではルルとカイが楽しそうに朝食を食べていた。
 俺達は二人の隣に座り、初めての魔法学校の食事を頂く事にした。

 サラダやフルーツ、パンの種類が豊富でヘルシーな感じだ。
 肉はソーセージにステーキ等、朝からかなり栄養価が高い物まで、様々な食べ物が用意されている。
 最高の環境だな。
 リーシアやシルヴィアは朝でも大量の食事を摂る。 
 俺は体の小さなリリーのために、彼女でも食べられるサイズに食べ物をカットして皿に乗せた。
 しらばく仲間達との朝食を楽しんだ後、俺達はついに一時間目の授業が行われる教室に向かった……。
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